資源の有効活用の取り組み
基本的な考え方
ミネベアミツミグループの製品に欠かせない金属、プラスチックなどの原材料や、エネルギー源となる石油、天然ガスなどは、その埋蔵量に限りがあります。また、電子機器製品に不可欠なレアアース(希土類元素)は、産出国が限られるため、輸出制限などを受けやすくなっています。
当社グループでは、事業活動の継続のためには資源の有効活用が重要であると考え取り組んでいます。
2020年度の取り組み結果
2020年度にミネベアミツミグループ全体で使用された主な原材料は、鋼材:約100,262トン、樹脂:約21,178トンで、合計量は前年度と比較して7.8%減少しました
また、当社グループから社外に排出された後、最終処分(埋立)された廃棄物量は5,850トンで、前年度と比較して15.6%減少しました。
尚、当社グループではタイや中国の量産工場において、工場内で発生した排水を可能な限りリサイクルし、工場外に排出しない「工場排水ゼロシステム」を運用しています。
2020年度の当社グループにおける工場排水量は3,846,312㎥で前年度と比較して258,516㎥の減少となりました。
CDPウォーターセキュリティー2020で「A-」を獲得
英国の非営利団体CDP※による企業の水資源管理に関する調査「CDPウォーターセキュリティ2020」で「A-」評価を獲得しました。
CDPは、企業の環境問題への取り組みを「リーダーシップ」「マネジメント」「認識」「情報開示」を8段階で評価し、「A-」は上から2番目の評価となります。
※CDPは、2000年に英国で設立した非営利団体で、機関投資家と連携し、企業や都市に気候変動、水、森林に関する戦略やデータの開示を求め、回答に基づく分析・評価を行い、機関投資家などに結果を開示しています。
事業所における取り組み
資源の有効活用の取り組み (日本、タイ、マレーシア、中国ほか)
ミネベアミツミグループでは、製造時の歩留まり向上や不良品の発生削減に積極的に取り組んでいますが、電気・電子製品を作る上で、電線や鋼材の端材、製造工程時のリジェクト品の発生は避けられません。
このような電気・電子廃棄物については、高いリサイクル技術を持つ処理業者に委託し、可能な限り原材料レベルまで分解、分別し、資源リサイクルを行っています。
例えば、電線は銅線をプラスチック樹脂で被覆していますが、銅とプラスチック樹脂が一緒のままでは資源リサイクルは行えません。そこで、廃棄した電線を銅とプラスチック樹脂とが分離するまで微細に粉砕、分別し、資源リサイクルしています。
裁断された電線
電線から回収された銅片
建て替え工事で発生した廃材の再利用(日本:秋田事業所)
秋田事業所では、社屋建て替え工事に伴い、旧建屋の基礎コンクリートを細かく粉砕して敷地の敷石として再利用しました。
コンクリートをガラパゴス粉砕機で粉砕
(2018年9~10月)
敷石として再利用(白い部分)
(2018年9~10月)
雨水および河川水の有効利用(タイ)
バンパイン工場の雨水池と雨水再利用設備
タイでは雨水を工場敷地内の貯水池に貯め、「雨水再利用装置」で浄化処理した後、工業用水として使用することで、水道水の使用量を削減しています。
また、2012年度からは工場に供給される水道水の利用を大幅に減少させることを目的に、工場近郊に流れるチアンラックノーイ運河からの河川水を浄化し、水道水の代替として使用を開始しました。これにより、水道水利用におけるコストも削減することができました。
水資源循環・排水再利用(中国:青島工場)
青島工場では、水資源の再利用を目的として、浄化水設備(用途:従業員の飲用水の浄化)と純水設備(用途:生産および加湿器用水)から出てきた排水を貯水箱に集めて、トイレ用水として再利用可能な浄化設備を設置しています。
効果:節約水量約5,000m3/年、約25万元(415千円)/年削減
廃プラスチック削減アクション(カンボジア)
社会インフラ・教育制度が十分に整わず、ゴミ収集、分別、廃棄などが大きな社会問題となっているカンボジアにおいて、カンボジア工場では、同国内においていち早く食堂のプラスチック廃棄物を削減する取り組みを開始しました。
従来の食堂で使用していたフルーツの使い捨てのビニール袋のプラスチックプレートへの変更再利用可能プラスチックカップの導入によりプラスチック廃棄物を削減しています。
今後の目標・課題
廃棄物の最終処分量目標は、「生産高原単位で、2026年3月期までに、2020年3月期比で10%削減」として取り組みを進めます。
また、現在、埋め立て処分されている廃棄物の性状調査や市場分析などにも取り組み、今後より一層の削減を目指します。