事業
ミツミ事業
8本槍製品の相合(そうごう)により今後の成長分野に向けた新製品を開発し、グループ全体の事業機会を創出
8本槍製品の相合(そうごう)により今後の成長分野に向けた新製品を開発し、グループ全体の事業機会を創出
主要製品
精密部品(コネクタ・スイッチ・コイル)、光デバイス(カメラ用アクチュエータ)、電源、機構部品、車載製品(高周波部品)、半導体(アナログ半導体)
主な用途
基本戦略
事業の絶対的な永続性の観点から、新8本槍製品を構成する5分野を将来のコア事業として力強く成長させることが、ミツミ事業として最も重要な課題であると認識しています。
そのために、サブコアビジネスが生み出すキャッシュを成長原資として新8本槍製品を強化することが、ミツミ事業の基本戦略となります。その執行は、①自律的な成長、②これらの事業を包含する新製品の開発、③これらの事業を有効に活用できると思われる会社のM&Aを行うことで達成されます。
コア・コンピタンス
センサー、光学、MEMS(微小電気機械システム)、高周波技術、電気回路技術、半導体設計技術に代表される超微細加工が求められる分野における技術開発力が競争力の原点です。さらに、経営統合によりミネベアミツミのDNAである超精密加工や垂直統合等のコア技術が融合したことで、開発から量産まで顧客の細かなニーズに一気通貫で対応する体制を整備しています。新8本槍製品の半数がミツミ事業に属し、グループ全体の「相合」を創出する原動力となっています。
2020年3月期の概況
ミツミ事業 ハイライト
実質的に前期と同水準の収益確保
カメラ用アクチュエータは、スマートフォンの多眼化・高機能化のトレンドを受けて大きく増収となりました。またアナログ半導体も、世界経済が減速する中で堅調に推移し、増収となりました。一方、機構部品においては一部OEM製品の製品構成が変化したことにより減収となりました。精密部品、電源、車載製品においては前期比で微減となりました。
この結果、売上高は2,922億円(前期比2.0%減)、営業利益は187億円(前期比15.8%減)、営業利益率は6.4%となりました。営業利益については、前期に約40億円のプラスの特殊要因があったことを勘案すると、実質的にほぼ前期並みとなりました。
『「相合力」でオンリーワンを目指す』戦略
『「相合力」でオンリーワンを目指す』戦略
アナログ半導体は自律成長とM&Aの両輪で収益の柱として成長
2020年4月より経営統合したエイブリックとは、トップライン、コストの両輪で非常に大きなシナジーが期待できます。エイブリックのアナログ半導体は、自動車向け、医療機器向け、産業機器向けのいずれも、IoTと密接に関連した高度なコネクティビティ技術や専用デバイスに応用されます。今後は、エイブリックの医療機器用IC、電池レスセンサー、磁気センサーといった独自製品に、当社の技術基盤であるモーターやセンサー、無線通信などを「相合」することで、IoT社会に貢献する革新的な新製品の創出に取り組んでまいります。
社会課題を解決するソリューション創出
社会課題を解決するソリューション創出
IoT社会に貢献する革新的な新製品の創出に挑戦
ミツミ事業はその前身のミツミ電機創業時より高周波技術や無線通信技術等のコネクティビティに関する技術開発を強みとしており、その技術はミネベアミツミグループが生み出す「相合」による競争力の源泉の中核をなしています。現在は自動車、コンシューマエレクトロニクス、スマート家電といったさまざまな製品にその技術が応用されていますが、これからも、IoT、ビッグデータ、AI等といった高度情報化やスマート化の加速に貢献してまいります。
なお、下記のとおりミツミ事業では新8本槍の6つ、10のコア技術の7つをカバーしており、これらは今後大きく成長させていく領域になります。
エイブリック
2020年4月にミネベアミツミグループに加わったエイブリックをご紹介いたします。
8本槍製品との相合(そうごう)によるシナジーを創出し、アナログ半導体売上高1,000億円の早期達成を目指す
グローバルに拡大する市場に、日本固有のものづくりの強さと「匠」の技術で挑む!
8本槍製品との相合(そうごう)によるシナジーを創出し、アナログ半導体売上高1,000億円の早期達成を目指す
グローバルに拡大する市場に、日本固有のものづくりの強さと「匠」の技術で挑む!
社名の由来
2018年1月5日に新社名のエイブリックが誕生しました。
エイブリック=ABLICは、ABLE(~ができる)とIC(IntegratedCircuit)を組み合わせた造語で、半導体技術で不可能を可能にするという意味を込めています。全従業員の投票で決定しました。
ロゴマークは、成長を表す上向きの矢印とICを表す◆を組み合わせ、社名の頭文字「A」を表現するとともに、半導体で社会の成長を目指すという企業姿勢を表しています。
経営統合の背景
エイブリックは、アナログ半導体の「超小型、省電力、使いやすさ」をキーワードに、民生用エレクトロニクスのほか自動車、医療、産業向けに強みを持っています。組織は団結力、スピード、活気にあふれ、たゆまぬチャレンジで業界最先端のイノベーションを追求する開発ドリブンの会社でもあります。
このたびミネベアミツミと経営統合したことにより、販売、生産、技術開発すべての分野において強力なシナジーが期待されます。エイブリックが持つさまざまな産業との豊富な取引実績や知見を、グループ全体の製品開発を含めた「相合」や最終顧客向けの提案に活用することにより、アナログ半導体事業の売上高1,000億円の達成に向けて事業機会の拡大に努めてまいります。
経営統合の効果
販売 |
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生産 |
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技術開発 |
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アナログ半導体 売上高の成長イメージ
エイブリック ハイライト
強み(アピールポイント)
強み(アピールポイント)
プロダクトポートフォリオ
プロダクトポートフォリオ
ミツミ半導体の5本槍(注力開発分野)にエイブリックの3本槍を新たに追加
社会課題を解決するソリューション創出
社会課題を解決するソリューション創出
バッテリレス漏水センサ
「バッテリレス漏水センサ」を
配管に設置したイメージ
CLEAN-Boost®(クリーンブースト)技術
これまで電力として活用できなかった微小なエネルギーを蓄電・昇圧し、無線発信などを可能にするエイブリック独自のエナジーハーベスト等に最適な技術です。
主となる蓄電昇圧回路技術は、立命館大学との共同研究によって生まれたものです。
<実例>「バッテリレス漏水センサ」~ インフラビジネスとの相合
漏れた水で自己発電を行い、無線により漏水信号を送信するCLEAN-Boost®(クリーンブースト)応用製品。大成建設(株)との共同開発により生まれた製品です。
電源を⼀切必要としないため、⼤掛かりな⼯事や電池交換の手間もありません。メンテナンスの手が届かなかったような場所にも、簡便に後付けで設置可能です。本センサの設置により、初期段階で水漏れを検知することができ、トラブル発生や被害が拡大する前に対応することが可能となります。コストと時間の両面で大幅な省力化を実現でき、環境負荷軽減にも大きく貢献します。
2019年、IEEE*において、Best Paper Award 受賞 ~ CLEAN-Boost®(クリーンブースト)技術による半永久的な電源確保の可能性が世界で高く評価 ~
* IEEE(アイ・トリプル・イー):アメリカに本部を置き、人類社会の有益な技術情報に貢献する世界最大の専門職団体