従業員とのかかわり 過去掲載分(2019年)
基本的な考え方
ミネベアミツミグループは、創業以来、従業員を最も重要な財産と位置付け、社是である「五つの心得」に「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」と定めています。当社グループのすべての従業員が健康で、安全に働くことができ、一人ひとりがその能力を十分に発揮できるよう、職場環境の整備、向上に努めています。
今後は引き続き、ますます多様化、グローバル化する働き方、人材へ対応する仕組みの構築、また、その職場環境を整えることを大きな責務と考え取り組みを推進していきます。
また、将来にわたるグローバルな会社の成長を可能とするため、グローバルに通用する人材の育成とノウハウの継承、多様性を生かせる環境整備、難民、貧困層雇用などの人事施策の実施に継続して力を入れて取り組んでいきます。
経営理念(会社情報に移動します)
従業員数(グループ)
海外売上高・生産高比率がそれぞれ概ね6割、9割を超えているため、海外従業員比率は91.9%と高い数値となっています。
従業員 | 日本人海外駐在員 | 合計 | |
---|---|---|---|
日本 | 6,334名 | − | 6,334名 |
北米 | 2,589名 | 41名 | 2,630名 |
欧州 | 2,532名 | 41名 | 2,573名 |
アジア圏 | 65,895名 | 525名 | 66,420名 |
合計 | 77,350名 | 607名 | 77,957名 |
勤続状況(単体)
平均勤続年数 | 平均年齢 | 退職者 | 離職率 |
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17年3カ月 | 44歳2カ月 | 154名 | 3.82% |
時間外労働データ(単体)
一人当たりの平均時間外労働時間 | 10.23時間/月 |
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一人当たりの平均時間外労働手当 | 22,031円/月 |
多様な人材の活用
グローバルに事業展開するミネベアミツミグループでは、性別や年齢、国籍、障がいの有無などにかかわらず、多様な人材が活躍しています。さらなる人材力の強化を目指し、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりに努めています。
女性活躍の推進
ミネベアミツミグループは、多様な人材が活躍することで新たな価値観や競争力を生み、持続的に発展する会社となることを重要な経営戦略の一つと位置付けています。
特に女性活躍推進のために、女性が安心して働ける職場環境を整備するなどの取り組みを進めています。管理職としても活躍できる雇用環境の整備を行うための行動計画を2016年3月に策定しました。行動計画では2021年までに女性管理職の割合を2016年(1.2%)比で2倍にすることを定めています。(ミネベアミツミ2019年3月実績:1.80%)
2018年より、MSCI(Morgan Stanley Capital International )社が提供する「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」に組み入れられました。詳しくは「社会からの評価」をご覧ください。
女性活躍推進法に基づく行動計画を掲載(322KB/1ページ)
女性比率(従業員、管理職、新規採用)
多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりによって、新たな価値観や競争力の創出を目指し、女性活躍を推進しています。2019年3月末の女性従業員比率は65.3%、管理職比率は19.2%となりました。
男女別平均勤続年数
男女間で大きな差はなく、グループ全体では女性の勤続年数が長いことから、引き続き育児休業後に就業継続できる職場環境づくりに取り組んでいきます。
障がい者雇用の取り組み
ミネベアミツミでは、障がい者の雇用を積極的に進めるにあたり、事業部門と協働で障がい者が活躍できる職場環境の検討を進めたほか、積極採用に向けて管轄の公共職業安定所や養護学校、障がい者就業・生活支援センター等との連携強化を図っています。2018年6月時点での雇用率は1.61%となりました。今後、法定雇用率(2.2%)の達成を目指してさらに取り組みを強化していきます。
また、障がいの有無にかかわらずすべての従業員がやりがいを持って働けるよう、専門知識のある従業員が指導するなど、職場環境にも配慮した取り組みに努めています。
65歳定年制の導入
ミネベアミツミでは、全従業員が定年後65歳まで働くことができる再雇用制度を導入し、積極的にシニア従業員の戦力化を図ってきましたが、2019年4月より「65歳定年制」を導入し、ミネベアミツミのほか、国内子会社の定年を65歳に統一しました。これからも従業員が安定して活躍できる環境づくりを整備していきます。
人材育成
ミネベアミツミグループでは、企業規模の拡大と加速するグローバル化の中で、ものづくりへの「情熱」を絶やさず、自ら考え、主体的に行動し、さまざまな国籍のチームメンバーと協力しながら目標達成や変革にチャレンジする人材の育成に取り組んでいます。
国内での主な階層別研修
研修名 | 対象者 | 研修目的 |
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新入社員研修 | 新入社員 |
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若手社員研修 | 入社2年目の社員 |
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リーダー育成研修 | 新任主任補職の社員 |
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新任係長職研修 | 新任係長職の社員 |
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新任課長職研修 | 新任課長職の社員 |
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部長職研修 | 部長職の社員 | リーダーシップ、マネジメント強化を行い、事業運営の礎を身につける。 |
ブラザーシスター制度
2011年度より、国内営業部の従業員向けにブラザーシスター制度を導入しています。この制度は、新入社員一人に対して、若手従業員一人が教育担当として就き、半年間教育指導を行うというものです。教育担当となるブラザー、シスター役の従業員は、事前講習により本制度の趣旨を理解するとともに、半年間の育成計画を作成し、教育に臨みます。
この制度では、業務における教育指導のほか、仕事以外の悩みも気軽に相談できる関係づくりを支援し、新入社員の仕事に対する意欲を高めるとともに、育成計画に沿って業務上独り立ちできるようサポートしています。
2018年度は17名の新入社員がこの制度を利用し、業務に取り組みました。
チャレンジする人材の育成
ミネベアミツミグループは積極的に海外展開を進めており、海外駐在期間は原則3年から5年というガイドラインに従い、多くの従業員に対しグローバルに活躍する機会を提供しています。2019年3月時点で、607名の従業員が海外に派遣され駐在しています。
海外拠点への赴任者や長期出張者に対する海外赴任前研修を2018年度は計22回実施し、延べ81名が参加しました。赴任後も、現地にてコミュニケーション力の強化を目的に、赴任先の言語や英語学習の支援制度を設けています。
また、全社規模の取り組みとして、隔年でTOEIC試験を開催し、従業員の英語力の把握と向上に向けた各種施策を実施しています。さらに従業員が自ら手を挙げて希望する部署に異動できる公募ローテーション制度を2015年度より導入し、これまで計31名の従業員が制度を利用して、新たな職務に取り組んでいます。
海外のローカルスタッフに対しては、経営の現地化を目指し各法人でも研修を実施しているほか、研修生として日本の工場・本社部門で受け入れ、日本語の習得、日本文化の理解だけでなく、当社コア技術、ものづくりのノウハウやマネジメントの教育を行っています。
公募ローテーション制度を経験して
ステッピングモーター事業部
ステッピングモーター製造部
PM車載品質管理課
大矢 章仁
2015年度から始まった公募ローテーション制度に応募し、マテリアルサイエンスラボ浜松(現:応用解析技術課)からステッピングモーター事業部PM車載品質管理課へ異動しました。以前の部署では化学分析機を使用し、各事業部から依頼されてくる不良解析や材料分析が主な業務でした。本制度に応募した理由は、不良の原因を考察していく中で「自分の考えは正しかったのか?」「ちゃんと改善に結び付けてもらえたのか?」という疑問を感じるようになったためです。事業部に籍を移してからは、実際の現場で起きるさまざまな問題を自分で分析し、改善まで見届けるようになりました。製造業務にかかわることで、当初の疑問は解消されましたし、分析者と現場で異なる考え方に気付くこともできました。そして何より、試行錯誤を繰り返しながら、自分たちの製品を改良していく作業は、とてもやりがいのある仕事だと知ることができました。現場ではまだまだ課題が散在していますので、2つの職場を経験した自分の強みを生かして貢献していきたいと思います。
次世代リーダーの育成
ミネベアミツミグループの持続的な成長の牽引役として、期待する次世代のリーダー層を中長期的な視点で育成することを目的に、研修や強化プログラムを実施しています。
その一環として、米国コロンビア大学ビジネススクールに、客員研究員として従業員を派遣し、多様なバックグラウンドを持つ、学生や研究員との交流を通じ、幅広い知見の習得と、人脈構築、語学力強化、リーダーシップを磨く機会を提供しています。
また、2018年度は将来の経営を担うジェネラリストを育成する事業戦略研修や、経営貢献のできる技術マネージャーを育成する技術経営研修を実施しました。さらに、中国拠点においても次世代経営人材の育成を目的とした次世代リーダー研修を実施しています。こうした取り組みは今後海外のほかの地域でも展開し、次世代の経営層育成を進めていきます。
公正な評価
ミネベアミツミグループでは、従業員一人ひとりの能力と実績を、公平性、公正性に最大限配慮した上で適正に評価し、処遇や報酬に反映させています。2017年度には人事考課規定の基準と、昇格基準の見直しを行っており、新制度の説明会を実施し、制度の透明性向上に取り組んでいます。
今後も、意欲ある従業員が能力を十分発揮できる、そして働きがいを感じられる職場環境となるよう、労働環境や雇用構造などの変化にも柔軟に対応できる人事施策を実施していきます。
当社グループ各社において、全社員の昇給と賞与は、会社の業績に連動するとともに、社員個々の成果、能力を最大限に評価して決定しております。
また、当社では、各国における法律に基づき、全従業員に対して退職年金および退職給付金制度を設定しております。特に米国、英国および日本においては、独自の退職年金および退職給付金制度を設定しております。
人権の尊重
ミネベアミツミグループは、社是「5つの心得」のひとつとして「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」と掲げています。
この経営指針に基づき、ミネベアミツミグループ行動規範において、昇進、報酬、研修受講など求人・雇用面で人種、年齢、性別(性的指向を含む)、国籍、宗教などによる不当な差別を禁止しています。
従業員に対しては、入社時研修や、若手社員、中堅社員(*リーダー育成研修)、新任管理職を対象とする各階層別研修において、「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」を用いた研修を実施しているほか、海外へ赴任する従業員に対し、異文化コミュニケーションを習得する海外赴任前研修を実施しています。
さらに、内部通報制度ならびに相談窓口を設けることで、人権侵害防止に取り組んでいます。
また、最大の拠点であるタイでは、労働方針において強制労働、児童労働などの人権侵害を禁止するとともに、罰則を設けているほか、タイの労働保護基準であるTLS 8001-2010の認証を取得しています。
経営理念(会社情報に移動します)
働きやすい職場環境への取り組み
労使関係
ミネベアミツミグループでは、「ミネベアミツミグループ行動規範」に示すように、結社の自由を認め、労働環境や労働条件といった課題について、定期的(年2回以上)に労使懇談会を行うなど労働組合や従業員代表などと積極的にコミュニケーションを図り、良好な労使関係を築いています。
ミネベアミツミグループ行動規範(会社情報に移動します)
多様な働き方の推進
ミネベアミツミグループは従業員のワークライフバランスへの配慮が、従業員のやりがいや充実感につながる、重要な課題であると考えています。そのため、出産・育児、介護などのさまざまなライフイベントに柔軟に対応できる制度を設けています。
2017年度には、育児短時間勤務の制度を見直し、子どもが小学校3年修了まで利用できるように変更しました。今後も、従業員が働き方を柔軟に選択できるよう、制度の充実に努めます。
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を掲載(142KB/1ページ)
主な福利厚生制度と利用者数(国内グループ)
制度名 | 内容 | 延べ利用者数 |
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育児休業制度 | 育児休業および育児短時間勤務の制度 | 107名 |
配偶者出産休暇制度 | 配偶者の出産時に取得可能な休暇制度(延べ2日まで) | 60名 |
介護休業制度 | 介護休業および介護短時間勤務の制度 | 2名 |
入社30年以上永年勤続者の旅行招待制度 | 勤続30年の従業員と家族への旅行券贈呈 | 151名 |
安全衛生管理
ミネベアミツミグループでは、製品・サービスの質、生産の一貫性、および従業員のモラル向上は、安全で衛生的な職場環境において実現すると考えています。
各工場では、安全作業や衛生などの各部会からなる安全衛生委員会を定期的に開催し、各部会の目標に対する活動結果を共有しています。また、当社グループの量産拠点であるタイ、中国、シンガポール、フィリピン、マレーシアの主要工場ではOHSAS 18001の認証を取得しています。
万が一、火災、労災、交通事故などが発生した場合には、安全管理責任者を中心に原因の把握や適切な対応が取られるとともに、それらの情報を全世界の事業所と共有し、類似事故の再発防止に役立てています。
工場における定期安全パトロールの実施
軽井沢工場をはじめとした各工場では、月に1度の定期的な安全パトロールを実施し、前回の指摘事項の確認や新たな改善点の確認をしています。この安全パトロールにより、製造機器周辺の整理整頓や危険個所の確認と改善依頼、工具の適正保管、保護めがねや耳栓の使用などの徹底を図っています。
安全パトロールの様子
安全パトロールの様子(NMBミネベア・タイ)
健康管理の促進
ミネベアミツミグループでは、定期的に健康診断や健康相談の実施、時間外労働抑制に対する通知を行うほか、産業医が定期的に巡視するなど、各国の関連法規や各事業所の実情に合わせて、従業員の健康維持、向上に取り組んでいます。
特に、近年社会的関心が高まっている心の健康管理については、2016年度よりストレスチェックを導入しています。また、健康管理室などで産業医や産業カウンセラーに相談できる体制を整備するとともに、各工場の保健師を集め、3カ月に1回定期的なミーティングを実施しています。
2018年度は勤怠管理システムを変更し、時間外労働を含めた労働時間の見える化を強化し、限られた時間でしっかりと成果を出すための管理・コントロールを強化しました。
今後の課題・目標
今後は引き続きますます多様化、グローバル化する働き方、人材へ対応する仕組みの構築、また、その職場環境を整えることを大きな責務と考え取り組みを推進していきます。
また、将来にわたるグローバルな会社の成長を可能とするため、グローバルに通用する人材の育成とノウハウの継承、多様性を生かせる環境整備、難民、貧困層雇用などの人事施策の実施に継続して力を入れて取り組んでいきます。