従業員とのかかわり  過去掲載分(2018年)

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基本的な考え方

ミネベアミツミグループは、創業以来、従業員を最も重要な財産と位置付け、「五つの心得」に「従業員が誇りを持てる会社でなければならない」と定めています。当社グループのすべての従業員が健康で、安全に働くことができ、一人ひとりがその能力を十分に発揮できるよう、職場環境の整備、向上に努めています。

従業員数(グループ)

(2018年3月時点)
  従業員 日本人海外駐在員 合計
日本 6,202名 6,202名
北米 2,624名 42名 2,666名
欧州 2,295名 35名 2,330名
アジア圏 66,598名 555名 67,153名
合計 77,719名 632名 78,351名

勤続状況(単体)

(2017年度)
平均勤続年数 平均年齢 退職者 離職率
17年6カ月 43歳11カ月 134名 3.41%

時間外労働データ(単体)

(2017年4月~2018年3月の平均値)
一人当たりの平均時間外労働時間 6.94時間/月
一人当たりの平均時間外労働手当 15,413円/月

多様な人材の活用

グローバルに事業展開するミネベアミツミグループでは、人材は多様化していますが、更なる人材力の強化を進めています。また、性別や年齢、国籍、障がいの有無などにかかわらず、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりに努めています。

女性活躍の推進

ミネベアミツミグループは、多様な人材が活躍することが、新たな価値観や競争力を生み、かつ、持続的に発展する会社となることを重要な経営戦略の一つと位置付けています。

特に女性活躍推進のために、女性が安心して働ける環境を整備するなどの取り組みを進めており、管理職候補となる女性従業員を増やし、かつ管理職として活躍できる雇用環境の整備を行うための行動計画を2016年3月に策定しました。行動計画では2021年までに女性管理職の割合を2016年比で2倍にすることを定めています。(ミネベアミツミ2018年3月実績:1.45%)

また、2017年度は引き続きリーダーシップスキルを中心に管理職に必要な能力向上を目的として、「リーダーシップの基本と実践研修」の実施と女性従業員の交流会を開催しました。

女性活躍推進法に基づく行動計画を掲載(322KB/1ページ)

障がい者雇用の取り組み

画像:障がい者雇用率の推移ミネベアミツミでは、障がい者の雇用を積極的に進めています。2017年6月時点での雇用率は1.67%となりました。今後、法定雇用率(2.2%)を目指してさらに取り組みを強化していきます。

また、障がいの有無にかかわらずすべての従業員がやりがいを持って働けるよう、職場によっては専門知識のある従業員が指導するなど、職場環境にも配慮した取り組みに努めています。

65歳定年制の導入

ミネベアミツミグループでは、全社員が定年後65歳まで働くことができる再雇用制度を導入し、積極的にシニア社員の戦力化を図ってきましたが、2019年4月より「65歳定年制」を導入し、ミネベアミツミのほか、国内子会社の定年を65歳に統一しました。これからも従業員が安定した、活躍できる環境づくりを整備していきます。

人材育成

ミネベアミツミグループでは、企業規模の拡大と加速するグローバル化の中で、「情熱・好奇心・自ら考え行動する主体性」「ものづくりへのこだわり」「グローバル志向」を持ち、チャレンジする人材の育成に取り組んでいます。

国内での主な階層別研修

研修名 対象者 研修目的
新入社員研修 新入社員
  • 社会人としてのマナー、仕事への姿勢や進め方を習得する。
  • 経営方針、行動規範などを学ぶとともに会社の規則、制度、組織を理解する。
若手社員研修 入社2年目の社員
  • 自身の目標を立て、自立的にかつ継続的に成長していく方法を学ぶ。
  • 業務改善の基礎と、コミュニケーションの基本と重要性を学ぶ。
中堅社員研修 原則、入社5年目の社員
  • 中堅社員として求められる役割と行動について理解する。
  • 主体的に働きかけるコミュニケーションを習得する。
新任係長職研修 新任係長職の社員
  • 管理監督者である係長として期待される役割を理解する。
  • 自職場の問題を職場リーダーの観点から他者を巻き込んで解決する力を養う。
新任課長職研修 新任課長職の社員
  • 経営革新を行うべき、課長職としての役割を確認する。
  • 組織の活性化、部下の動機付け、信頼関係の築き方を身に付ける。

ブラザーシスター制度

2011年度より、国内営業部の従業員向けにブラザーシスター制度を導入しています。この制度は、新入社員一人に対して、若手従業員一人が教育担当として就き、半年間教育指導を行うというものです。教育担当となるブラザー、シスター役の従業員は、事前講習により本制度の趣旨を理解するとともに、半年間の育成計画を作成し、教育に臨みます。

この制度では、業務における教育指導のほか、仕事以外の悩みも気軽に相談できる関係づくりを支援し、新入社員の仕事に対する意欲を高めるとともに、育成計画に沿って業務上独り立ちできるようサポートしています。

2017年度は14名の新入社員がこの制度を利用し、業務に取り組みました。

チャレンジする人材の育成

ミネベアミツミグループは積極的に海外展開を進めており、海外駐在期間は原則3年から5年というガイドラインに従い、多くの従業員に対しグローバルに活躍する機会を提供しています。

海外拠点への赴任者や長期出張者に対する海外赴任前研修を2017年度では計21回実施し、延べ99名が参加しました。赴任後も、現地にてコミュニケーション力の強化を目的に、赴任先の言語や英語学習の支援制度を設けています。

また、全社規模の取り組みとして、隔年でTOEIC試験を開催し、従業員の英語力の把握と向上に向けた各種施策を実施しています。さらに従業員が自ら手を挙げて希望する部署に異動できる公募ローテーション制度を2015年より導入し、これまで計15名を超える従業員が制度を利用して、新たな職務に取り組んでいます。

海外のローカルスタッフに対しては、経営の現地化を目指し各法人でも研修を実施しているほか、研修生として日本の工場・本社部門で受け入れ、日本語の習得、日本文化の理解だけでなく、当社コア技術、ものづくりのノウハウやマネジメントの教育を行っています。

日本で研修をしています

画像:NMB-Minebea Thai Ltd. Accounting Div. Chonticha Intagosum

NMB-Minebea Thai Ltd.
Accounting Div.
Chonticha Intagosum

わたしは現在、東京本部の経理部で研修しています。1年間の日本での研修が決まった時、とてもうれしく思いました。海外での仕事は初めてですが、職場の方はとても親切にサポートしてくれています。

タイでは、データ入力が主な業務でしたが、日本ではそのデータのチェックを任されています。この経験により、業務の全体像を理解することができました。タイに帰国しても日本での経験が必ず役立つと感じています。

仕事以外でも日本の文化や習慣などに慣れることも大変です。日本語でのコミュニケーションももっと練習が必要だと感じています。しかし、この研修はわたしにとって非常に貴重な体験です。こうした機会を与えてくれたこと、多くの友人に恵まれたことに感謝しています。

日本に駐在しています

画像:浜松回転機器資材課 Hataikarn Kanram

浜松回転機器資材課
Hataikarn Kanram

タイのロッブリ工場から浜松工場に来て、2014年10月から回転機器資材課に勤務しています。タイの資材部や、お取引先様と浜松の事業部とをつなげることがわたしの主な仕事です。日本への駐在の前に、研修で一度日本に来たことがあります。その時は日本語も分からず心細く感じましたが、駐在の打診をいただいた際は、新たなことにチャレンジする気持ちで臨みました。

日本で働くことで、日本語だけでなく、日本人の性格や考え方、情報を集める力が身につき、業務に役立っています。タイでは試作段階の細かい情報や経緯が分かりませんでしたが、日本には技術のメンバーがいるので、彼らと細かく調整をすることができています。こうした経験を生かして、今後もタイと日本をつなぐ仕事をしていきたいです。

次世代リーダーの育成

ミネベアミツミグループの持続的な成長の牽引役として期待する次世代のリーダー層を中長期的な視点で育成することを目的に研修や強化プログラムを実施しています。

その一環として、米国コロンビア大学ビジネススクールに、客員研究員として従業員を派遣し、多様なバックグラウンドの学生や研究員との交流を通じ、幅広い知見の習得と、人脈構築、語学力強化、リーダーシップを磨く機会を提供しています。

公正な評価

ミネベアミツミグループでは、従業員一人ひとりの能力と実績を、公平性、公正性に最大限配慮した上で適正に評価し、処遇や報酬に反映させています。2017年度は人事考課規定の基準と、昇格基準の見直しを行っており、新制度の説明会を実施し、制度の透明性向上に取り組んでいます。

今後も、意欲ある従業員が能力を十分発揮できる、そして働きがいを感じられる職場環境となるよう、労働環境や雇用構造などの変化にも柔軟に対応できる人事施策を実施していきます。

人権の尊重

ミネベアミツミグループでは、人種、年齢、性別、国籍、宗教などによる不当な差別を禁止しています。従業員に対しては、新入社員研修において「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」を用いた研修を実施しているほか、海外へ赴任となる従業員に行う赴任前研修や、各階層別研修の中でハラスメント防止に関する教育を実施しています。さらに、内部通報制度ならびに相談窓口を設けることで、人権侵害防止に取り組んでいます。

また、最大の拠点であるタイでは、労働方針において強制労働、児童労働などの人権侵害を禁止するとともに、罰則を設けています。また、タイの労働保護基準であるTLS 8001-2010の認証を取得しています。

働きやすい職場環境への取り組み

労使関係

ミネベアミツミグループでは、「ミネベアミツミグループ行動規範」に示すように、結社の自由を認め、労働環境や労働条件といった課題について、定期的(年2回以上、春と秋)に労使懇談会を行うなど労働組合や従業員代表などと積極的にコミュニケーションを図り、良好な労使関係を築いています。

多様な働き方の推進

ミネベアミツミグループは従業員のワークライフバランスへの配慮が、従業員のやりがいや充実感につながる、重要な課題であると考えています。そのため、出産・育児、介護などのさまざまなライフイベントに柔軟に対応できる制度を設けています。

2017年度には、育児短時間勤務の制度を見直し、子どもが小学校3年修了まで利用できるように変更しました。今後も、従業員が働き方を柔軟に選択できるよう、制度の充実に努めます。

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を掲載(142KB/1ページ)

主な福利厚生制度と利用者数(国内グループ)

(2017年度)
制度名 内容 延べ利用者数
育児休業制度 育児休業および育児短時間勤務の制度 114名
配偶者出産休暇制度 配偶者の出産時に取得可能な休暇制度(延べ2日まで) 49名
介護休業制度 介護休業および介護短時間勤務の制度 5名
入社30年以上永年勤続者の旅行招待制度 勤続30年の従業員と家族への旅行券贈呈 136名

グローバル人事総務ミーティングの開催

ミネベアミツミグループでは、2015年11月に日本、タイ、上海、珠海、シンガポール、マレーシアの現地人事総務責任者を集めたグローバル人事総務ミーティングをカンボジア工場にて開催しました。労務課題や従業員育成、採用などに関して、各拠点における好事例を共有しました。

安全衛生管理

画像:労働災害発生件数の推移(グループ) ミネベアミツミグループでは、製品・サービスの質、生産の一貫性、および従業員のモラル向上は、安全で衛生的な職場環境において実現すると考えています。

各工場では、安全作業や衛生などの各部会からなる安全衛生委員会を定期的に開催し、各部会の目標に対する活動結果を共有しています。また、当社グループの量産拠点であるタイ、中国、シンガポール、フィリピン、マレーシアの主要工場ではOHSAS18001の認証を取得しています。

万が一、火災、労災、交通事故などが発生した場合には、安全管理責任者を中心に原因の把握や適切な対応が取られるとともに、それらの情報を全世界の事業所と共有し、類似事故の再発防止に役立てています。

工場における定期パトロールの実施

軽井沢工場をはじめとした各工場では、月に1度の定期的なパトロールを実施し、前回の指摘事項の確認や新たな改善点の確認をしています。このパトロールにより、製造機器周辺の整理整頓や危険個所の確認と改善依頼、工具の適正保管、保護めがねや耳栓の使用などの徹底を図っています。

画像:安全パトロールの様子

安全パトロールの様子

画像:安全パトロールの様子(NMBミネベア・タイ)

安全パトロールの様子(NMBミネベア・タイ)

健康管理の促進

ミネベアミツミグループでは、定期的に健康診断や健康相談の実施、時間外労働抑制に対する通知を行うほか、産業医が定期的に巡視するなど、各国の関連法規や各事業所の実情に合わせて、従業員の健康維持、向上に取り組んでいます。

特に、近年社会的関心が高まっている心の健康管理については、2016年度よりストレスチェックを導入しています。また、健康管理室などで産業医や産業カウンセラーに相談できる体制を整備するとともに、各工場の保健師を集め、3カ月に1回定期的なミーティングを実施しています。

今後の課題・目標

今後は引き続き、ワークライフバランスの向上や健康管理の強化など従業員がやりがいを持ち、さらに生き生きと仕事に取り組む環境を整備するための施策を実施していきます。

また、将来にわたるグローバルな会社の成長を可能とするため、世界に通用する人材の育成とノウハウの継承、多様性を生かせる環境整備などの人事施策の実施に継続して力を入れて取り組んでいきます。

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