2019年
(2019年12月掲載)
地域社会とともに発展する
セブミツミの従業員の多くは、周辺地域から採用しています。地域社会とともに発展していくことが重要だと考えており、さまざまな取り組みを実践しています。
その一つが、フィリピン政府からの要請もあり、生態系の保全・台風などによる災害対策を目的とした「マングローブの植林活動」です。周辺地域では、マングローブ林の農業への転用や、炭や薪のための伐採などが問題化しています。地域の方と協力して2011年度にこの活動を開始し、これまでに約50,000本を植林しました。また、そのほかにセブミツミが購入したココナッツやカカオの苗を、従業員とその家族、協力工場に配布し、山への植林活動を通じ防災対策に努めています。
また、地域には教育を十分に受けることのできない子どもが多く、教育の機会を増やしていくことは地域の発展にとって重要であるため、多くの学校に寄付を行っています。読み書きなど基礎教育や職業訓練を行う施設である「The Sisterof Mary's School ‒ Girlstown」への奨学支援寄付もその一環です。これまでのセブミツミの取り組みについて、生徒の皆様や校長を務めるシスターのLaresa氏からも感謝の言葉をいただいています。
「Run for Education」というチャリティーマラソン大会の開催もそうした地域への貢献活動です。従業員の健康増進と地域発展のための寄付集めを目的に2013年から実施しており、1,200名程度が毎年参加しています。これまで200万円以上の寄付が集まっており、周辺地域の学校への設備や教材の支援に使われています。
教育プログラムの中でも特に力を入れているのが「Robotics Laboratory Program」です。近隣のSan Jose Recoletos大学などと協力し、エンジニアの育成を行っています。フィリピンにエンジニアの数が少ないのは、大学にしっかりとした機械設備がないことが一つの要因でした。そこで、セブミツミが大学構内に設備の提供を行いMitsumi Robotics Labを大学と協力して設立。この施設や当社の工場も利用し、当社の従業員が授業を行うことで、学生に実践的な教育を提供しています。卒業制作ではAIを使ったロボットを共同制作するなど非常にレベルの高いエンジニアを育成しています。これまで452名の学生がプログラムに参加しており、その卒業生から当社に入社する方もいます。また、最新機械設備の利用方法を大学の先生に教える活動も行っており、大学全体の教育レベル向上に貢献しています。
San Jose Recoletos大学のOIC-Dean College of EngineeringであるBadana氏からは「セブミツミから機械設備などの支援を受けたことに非常に感謝しています。学生たちも、最新の設備や技術に実際に触れることができ、大きな刺激になっています。当大学とセブミツミとのこの良好な関係を持続させていきたいです」と活動への感謝の言葉をいただいています。
ほかにも海岸の清掃活動や献血、被災地の緊急支援などさまざまな活動を地域社会で実施しています。「地域全体への貢献をこれからも続け、従業員が誇りを持てる会社、地域社会に歓迎される会社を目指します」とCaesarは活動への手ごたえを語ります。
植林したマングローブ
Santican National High Schoolに寄贈した教室
チャリティーマラソン大会「Run for Education」で走る従業員
地域の方の声
Santican National High School
School Principal
Mr. Algen Laurente
セブミツミには、教室を寄贈していただきました。大変感謝しています。将来は、サイエンスの授業で、従業員の方を講師として派遣していただくなどさらなる交流ができればうれしいです。
Robotics Laboratory Program参加者の声
セブミツミ Equipment Engineer
Phillip Michael Castillon
Robotics Laboratory Programは、生徒の学ぶ意欲を支援する良い取り組みです。大学には機械設備そのものがなかったため、ここでの学びは新たな気づきが非常に多かったです。終了後、セブミツミで働き始めましたが、学びは現在の仕事にも生きています。