2017年
(2017年10月掲載)
新会社ミネベアミツミとしての挑戦
取締役 常務執行役員 技術本部長 加々美 道也
加々美 未来の社会の重要な鍵となるIoTやAIでは、データ処理をどうするかというデジタル側面に注目が集中しがちですが、もう一つ欠かせないのが「アナログとデジタルをいかに相互に変換していくか」という視点です。アナログの事象をセンサーなどで取り込みデジタルデータ化する「入口」の部分、データ処理ののち、デジタル信号をモーターやアクチュエータを通してアナログの動きに変えていく「出口」の部分。ここでアナログに軸を置くミネベアミツミが貢献できることは大きいでしょう。
麻生 アナログの専門家として、アナログとデジタルをつなぐ部分で価値提供できるのはわたしたちならではの強みであり、今後も変わりません。その上で、そこから派生的にデジタルにかかわる新ビジネスが生まれる可能性もあります。例えばベッドセンサーで呼吸や心拍を測定してデータ化すれば、そのデータをどう活用して世の中の役に立っていくかという発想は自然と生まれてきます。
加々美 市場としては、医療介護分野のほか、車載系は大きな伸び代があると考えています。ハイブリッドカーや電気自動車の普及に合わせて、モーターやアクチュエータ、センサーには強い引き合いがあります。また、スマートシティも注力する分野で、これまでにも高効率LED街路灯とクラウドネットワークを組み合わせ、都市生活のさまざまな機能を一括管理できるシステムを手掛けてきました。
麻生 ロボティクスの分野でも成長が見込めます。ロボットは入力と出力の両方の技術が不可欠ですが、ミネベアミツミはロボットの目となるカメラやセンサー、動作させるためのベアリングやモーターを併せ持ち、かつモーターの動きを効率化する回路技術も生かせます。シナジーを発揮して挑戦できる分野だと考えています。