2017年
(2017年10月掲載)
統合に至った背景
(左)取締役 常務執行役員 技術本部長 加々美 道也
(右)取締役 常務執行役員 技術本部副本部長
ミツミ電機株式会社 取締役常務執行役員 麻生 博史
加々美 ミネベアは、さらなる成長のため電子機器製品のビジネス拡大に注力していました。ただ、社内には技術者の数が圧倒的に不足していたのが現実です。そこを何とか補いたいと考える中、1,000人超の専門性の高い多様な人材を擁するミツミは、パートナーとして最適でした。
麻生 ミツミは、電子機器の部品メーカーとして長年ビジネスを手がけており、今後に向けて精密機構部品事業の強化を進めていました。メカニカルな土台を持つミネベアは微細加工に長け、これまでミツミの精密部品に不足していた部分を補えます。また、ベアリングを中心としたミネベアのビジネスに、ミツミが持つ回路技術や無線技術など電気的要素を組み合わせれば、より良いものがより早くつくれます。メカニカルな会社とエレクトロニカルな会社が水と油になるのではなく、高い相乗効果を発揮できるという確信がありました。
加々美 技術開発の点では、ミネベアの幅はそう広くはなかったのです。いくつかのコア技術を中心に展開し、その部分ではどこにも負けない製品を築いていくのがこれまででした。一方でミネベアから見たミツミは、非常に豊かな技術の広がりを持ちます。お客様や社会から「こういうものが欲しい」というニーズを受けた際、迅速にそれをつくりあげていく優れた点がありました。
麻生 もともとミツミは部品を買ってきて組み合わせ、付加価値の高い製品をつくってきた歴史があります。根幹のところで強い技術を持つミネベアと一緒になれば、製品・技術を外から仕入れなくても、必要なものが社内にあるという状態をつくれます。お互いに持つ色の違う技術を融合させていくことで、1足す1を2ではなく、3にも4にもできるのです。
加々美 もう一つ、ミネベアの製品ラインナップはアクチュエータやモニターなど出力装置が中心、ミツミはセンサーやカメラなど入力装置が多かったことが指摘できます。アウトプットとインプットという別の部分に主力を置いていてお互いに補い合えるのも、両社が統合への期待を寄せた点でした。