2012年

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画像:プレシジョンを追求するボールベアリング

(2012年10月掲載)

日本初の極小ボールベアリング専門メーカーとして

ミネベアの歴史は、今から約60年前、1951年にさかのぼる。日本初の極小ボールベアリング専門メーカーとして、従業員10名程度の町工場からのスタートだった。

極小ボールベアリングは主に飛行機の計器類に使われていたが、戦後間もない当時、日本企業でこうした超精密工業製品を製造できる専門メーカーは存在しなかった。そんな中、将来的に飛行機の需要拡大が見込まれ、また日本にもこうした超精密工業製品を製造する技術力が必要とされる時代が来ると考えて極小ボールベアリング製造を開始した。製品の特殊性や日本国内に適切な生産設備が無い中でのチャレンジだったこともあり、創業当時は試行錯誤の日々が続いた。

それでも1950年代後半には、技術者の努力により製造技術が確立される。高品質な製品はアメリカ市場で認められ、ミネベアは売上を急速に伸ばしていく。1963年には軽井沢に最新鋭の機械設備を整えた工場を建設。高品質なものづくりに加え大量生産に対応した現在の製造基盤を確立した。その後、世界各地で拡大するベアリング需要に応えるため、1972年のシンガポールに始まり、タイや中国に進出するなど事業を拡大。現在ではグローバルに展開する8つのボールベアリング工場を中心に事業部全体として約1万名の従業員が働き、月に約2億5,000万個のベアリングを生産するまでに至る。

画像:故・高橋精一郎社長の下、試行錯誤の日々が続いた

故・高橋精一郎社長の下、試行錯誤の日々が続いた

画像:1960年代、拡張工事が続く軽井沢工場

1960年代、拡張工事が続く軽井沢工場

コラム「ボールベアリングとは」

画像:ボールベアリング

ボールベアリングの役割

車の車軸から扇風機、ハードディスクドライブ(以下HDD)など、世の中にあるさまざまな機械製品の中には回転運動を利用したものが多く存在する。ボールベアリングはそういった回転部分にかかる力を支え、摩擦を少なくして機械を滑らかに動かすために使われている。回転する軸を受けることから軸受とも呼ばれている。大きさは腕時計に入るほどの米粒より小さいものから、発電所や工場で使われる1メートルを超える大きなものまであり、ミネベアはベアリングの外径寸法が30ミリメートル以下のミニチュア・ボールベアリングおよび、小径ボールベアリングの製造を行っている。

ボールベアリングの構造

ボールベアリングは主に4つの部品で構成されている。大きいリング(外輪)と小さいリング(内輪)の間にボール(鋼球)が入っており、ボールがぶつかり合わないように保持器を取り付けている。現在の構造は、1500年頃にレオナルド・ダ・ヴィンチによって、馬車の車軸にかかる摩擦を抑えるために発明された。それからおよそ500年たった現代でも、基本的な構造は変わらないシンプルな作りになっている。

ボールベアリングの精密さ

ボールベアリングの役割とは摩擦を低減し、軸を滑らかに回すことである。現代のボールベアリングは極限までその精密さを追求している。その一例をあげるとボールが転がる溝の部分を、いかに完璧な円(真円)に近づけるかということが重要なポイントとなる。ミネベアがつくり込むこの溝は、真円との誤差が10万分の1ミリ単位のレベルという超高精度である。

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