製品における環境への取り組み 過去掲載分(2017年)
基本的な考え方
ミネベアミツミグループの製品は、さまざまな最終製品に組み込まれる部品だからこそ、有害な環境負荷物質を含まない安全なものであることや、省エネルギー、省資源、長寿命といった、ライフサイクル全体で環境に貢献する配慮が重要であると考えます。
ミネベアミツミグループの環境配慮製品
ミネベアミツミグループが生産、販売する製品は、開発・設計段階から各国の環境法令やお客様の環境要求事項に従うだけでなく、自主的にも製品含有化学物質調査や製品アセスメントなどを行っている「環境配慮製品」です。
新型LED照明「SALIOT CUBE」
SALIOT CUBEの外観
「SALIOT」は、発光ダイオードとレンズの距離をモーターで制御することで、光の照射域や角度を10°~30°まで調整できるだけでなく、無線技術を応用した独自のソフトウェア開発により、スマートフォンやタブレット端末で配光角・明るさ・上下・左右を容易にコントロールすることができます。
「SALIOT CUBE」は、その外観をシンプルで力強く、かつ空間と協調できるミニマルなキューブスタイルにまとめたものです。
可動ノズル型切削油噴射装置「Wavy Nozzle 2(ウェイビーノズル2)」
Wavy Nozzle 2の外観
ミネベアミツミグループは、クーラント※揺動噴射により切粉除去を促進する可動ノズル型切削油噴射装置「Wavy Nozzle(ウェイビーノズル)®」の新機種を開発し、「Wavy Nozzle 2(ウェイビーノズル2)」として2017年4月より販売を開始しました。
※ 機械加工の際に加工点の冷却・潤滑を行うための切削液・研削液のこと。
小型化により装着の自由度をさらに拡大
内部構造を徹底的に見直すことにより、ノズルの動作性能はそのままに、噴射ユニット本体の大きさを従来機比で49.7%まで小型化することに成功しました。従来モデルの装着が難しかった加工スペースが小さな工作機械への搭載が可能です。
クーラント最大供給可能圧力を2倍にパワーアップ
クーラントの最大供給可能圧力を従来の2MPaから4MPaにアップさせました。これにより一般的なほとんどの中圧クーラントポンプ装置から、ダイレクトにクーラント供給ができるようになります。より強力なクーラント噴射とノズル揺動との組み合わせで、一層の切粉除去効果が期待でき、精密部品加工における品質・加工効率向上に貢献します。
液晶ディスプレイ用LEDバックライトユニット
液晶ディスプレイ用LEDバックライトユニット
ミネベアミツミグループは、スマートフォンやタブレット端末の液晶ディスプレイを背面より照らすLED(発光ダイオード)バックライトユニットを開発、生産、販売しています。
LEDバックライトユニットには、装置の端部に配置したLEDの光を画面全体に均一に行き渡らせる導光板が重要部品です。当社は、独自の設計開発と自社製の精密金型を使用した高度なプラスチック射出成形加工技術をベースに、導光板の厚さを0.3ミリ以下にすることに成功しました。これにより、装置全体の薄型化に貢献するだけでなく、従来製品に比べて消費電力を少なくし、軽量化と小型化を実現しました。
ターボ用高耐熱性ボールベアリングユニット
ターボ用高耐熱性ボールベアリングユニット
ミネベアミツミグループは、超高温となるターボチャージャー(エンジンへの空気過給器)内で焼き付きを起こさない「高耐熱性ボールベアリングユニット」を開発し、生産販売しています。内部のボールはセラミックス製で、ボールを挟み込む外装は耐熱素材を使用し、軸受が膨張して焼き付かないよう工夫されています。
現在、世界の自動車メーカーは環境への配慮からエンジンの燃費改善に力を注いでいます。その対策として、従来より小さな排気量のエンジンに過給器を搭載して出力を補い、燃費改善につなげています。
今後、燃費規制の厳しい欧州や日本、大型ガソリン車の多い北米での採用が一層広がると見込まれています。
高性能VR型レゾルバ(回転角センサー)
高性能VR型レゾルバ
ミネベアミツミグループは、電気自動車(EV)、ハイブリッドカー(HEV)、プラグインハイブリッドカー(PHEV)など、次世代エコカーに搭載されている駆動モーターの重要部品となる「高性能VR型レゾルバ(回転角センサー)」を開発し、国内外の自動車メーカーに販売、供給しています。
VR型レゾルバは、走行モーターの回転を正確に制御するために欠かせない角度センサーで、エコカーの電力消費率や走行性能に大きな影響を与える基幹部品です。
製品に含まれる環境負荷物質の管理
ミネベアミツミグループでは、製品含有化学物質に関する要領/基準等を発行し、お取引先様に対して有害物質を含まない製品(原材料、部品)の提供と、それらを実証するデータ、資料の提出をお願いしています。また、当社グループの受け入れ検査においてもXRF(蛍光X線分析装置)を用いて、RoHS指令が規定する有害物質の含有がないことを確認しています。
製品に含有する化学物質の管理方法
- ※1 (M)SDS((Material) Safety Data Sheet):
化学物質を安全に取り扱うために必要な情報(成分、性状、取り扱い法、緊急時の対処法など)を記載した情報伝達シート。 - ※2 MSDSplus:
JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨する化学物質や調合品(2種以上の化学物質混合品)の基本情報を伝達するためのシート。(M)SDSで不足する製品含有化学物質管理に必要な情報が記載される。 - ※3 AIS(Article Information Sheet):
JAMPが推奨する成形品(製品)の製品含有化学物質情報を伝達するための基本情報伝達シート。MSDSやMSDSplusなどを基に集計されたもの。 - ※4 JGPファイル:
JGPSSI(グリーン調達調査共通化協議会)でグリーン調達調査用に定められた標準フォーマットのファイル。
今後の課題・目標
ミネベアミツミグループは、今後も引き続き社会の具体的なニーズを的確に把握し、安全で省エネルギー、省資源に貢献する製品の開発に取り組んでいきます。