製品における環境への取り組み 過去掲載分(2013年)
基本的な考え方
ベアリングやモーターをはじめとする、ミネベアグループの製品は、その多くが部品としてお客様の製品内に組み込まれ、その存在はほとんど外からは見ることができません。しかし、さまざまな製品に組み込まれる部品だからこそ、有害な環境負荷物質を含まない安全な製品であることや、省エネルギー、省資源、長寿命といった、ライフサイクル全体に貢献する製品を提供していくことが重要であると考えます。
ミネベアグリーンプロダクツ
ミネベアグリーンプロダクツとは
ミネベアグループの製造、販売する製品は、開発・設計段階より各国の環境法令やお客様の環境要求事項に従い、自主的にも製品含有化学物質調査や製品アセスメントなどを行っている「環境配慮型製品」です。
当社グループでは、省エネルギー、地球温暖化防止への貢献、省資源、循環型社会への貢献などといった観点から、特に秀でた性能や特徴を持つ製品を「ミネベアグリーンプロダクツ」として認定すべく、検討を行っています。
製品事例:レアアース使用ゼロ磁石を使用した高トルク・ハイブリッド型ステッピングモーターの開発
高トルク・42mmハイブリッド型
ステッピングモーター
ミネベアグループでは2012年度、ネオジムやジスプロシウムといったレアアース(希土類元素)が不使用であり、かつ省資源設計でありながら高い磁力を発揮する、強力磁石を用いた高トルク・ハイブリッド型ステッピングモーターを開発しました。
レアアース使用ゼロ磁石への切り替えを推進することで原材料調達の安定化やコスト削減ならびに製品供給の安定化が見込まれます。また、省資源を意識した設計により、従来よりも磁石の必要数を半減させ、使用する銅線についても、従来の当社製品より25%削減することに成功しました。
EV走行モーター向け高性能VR型レゾルバの開発
VR型レゾルバ
ミネベアグループは、EV(電気自動車)走行モーター向けに「高性能VR型レゾルバ」を開発し、納入を開始しました。VR型レゾルバは、走行モーターの回転を正確に制御するために欠かせない角度センサーで、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)の電力消費率や走行性能に大きな影響を与える基幹部品です。
ミネベアグループは、さまざまな磁場解析技術を駆使したシミュレーションおよび改良を重ね、その結果、走行モーターの特性向上に貢献できる理想的な巻き線仕様と、ローター・ステーター形状を持つ高性能VR型レゾルバの開発に成功しました。
製品に含まれる環境負荷物質の管理
ミネベアグループでは、「ミネベアグループグリーン調達管理要領」を発行し、お取引先様に対して有害物質を含まない製品(原材料、部品)の提供と、それらを実証するデータ、資料の提出をお願いしています。また、当社グループの受け入れ検査においてもXRF(蛍光X線分析装置)を用いて、RoHS指令が規定する有害物質の含有がないことを確認しています。
製品に含有する化学物質の管理方法
- ※1 (M)SDS((Material) Safety Data Sheet):化学物質を安全に取り扱うために必要な情報(成分、性状、取り扱い法、緊急時の対処法など)を記載した情報伝達シート。
- ※2 MSDSplus:JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨する化学物質や調合品(2種以上の化学物質混合品)の基本情報を伝達するためのシート。(M)SDSで不足する製品含有化学物質管理に必要な情報が記載される。
- ※3 AIS(Article Information Sheet):JAMPが推奨する成形品(製品)の製品含有化学物質情報を伝達するための基本情報伝達シート。MSDSやMSDSplusなどを基に集計されたもの。
- ※4 JGPファイル:JGPSSI( グリーン調達調査共通化協議会)でグリーン調達調査用に定められた標準フォーマットのファイル。
今後の目標・課題
ミネベアグループは、今後も引き続き社会の具体的なニーズを的確に察知し、安全で省エネルギー、省資源に貢献する製品の開発に取り組んでいきます。