製品における環境への取り組み  過去掲載分(2011年)

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基本的な考え方

ベアリングやモーターをはじめとする、ミネベアグループの製品は、その多くが部品としてお客様の製品内に組み込まれ、その存在はほとんど外からは見ることができません。しかし、さまざまな製品に組み込まれる部品だからこそ、有害な環境負荷物質を含まない安全な製品であることや、省エネルギー、省資源、長寿命といった、ライフサイクル全体に貢献する製品を提供していくことが重要であると考えています。

製品に含まれる環境負荷物質の管理

ミネベアグループでは、「ミネベアグループグリーン調達管理要領」を発行し、お取引先様に対して有害物質を含まない製品(原材料、部品)の提供と、それらを実証するデータ、資料の提出をお願いしています。また、当社グループの受け入れ検査においてもXRF(蛍光X線分析装置)を用いて、RoHS指令が規定する有害物質の含有がないことを確認しています。

画像:製品に含まれる環境負荷物質の管理
  • ※1 MSDS(Material Safety Data Sheet):化学物質を安全に取り扱うために必要な情報(成分、性状、取り扱い法、緊急時の対処法など)を記載した情報伝達シート。
  • ※2 MSDSplus:JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨する化学物質や調合品(2種以上の化学物質混合品)の基本情報を伝達するためのシート。MSDSで不足する製品含有化学物質管理に必要な情報が記載される。
  • ※3 AIS(Article Information Sheet):JAMPが推奨する成形品(製品)の製品含有化学物質情報を伝達するための基本情報伝達シート。MSDSやMSDSplusなどを基に集計されたもの。
  • ※4 JGPファイル:JGPSS(I グリーン調達調査共通化協議会)でグリーン調達調査用に定められた標準フォーマットのファイル。

環境基盤製品

高精度・高品質ベアリング

画像:ボールベアリング

ボールベアリング

ベアリングは物を容易に動かし、滑らかに回転させ、性能を上げ、省力化し、装置を小型にし、長持ちさせるなど、わたしたち人類にとって欠かすことのできない基盤製品です。

ミネベアグループは、外径22mm以下のミニチュア・小径ボールベアリングと航空機用ロッドエンド&スフェリカルベアリングという大小対極にあるベアリングの市場においてトップシェアを誇っています。

しかし、両ベアリングには、共に厳しい精度、品質が求められます。このようなベアリングの精度、品質をさらに向上させるには、「ボールが転がる外輪と内輪の溝の真円度」、「ボールの真球度」、「構成部品の材料の品質」などの要素を徹底的に高めることが必要です。

当社グループは、60年にわたり蓄積されたノウハウを生かした自社製の工作機器やメンテナンス技術、生産ラインの配置などをベースに、すべてのベアリング構成部品を社内で生産し、絶えず高精度・高品質を追求してきました。

これら高精度・高品質のベアリングは、家電製品、情報通信機器、自動車など、わたしたちの生活に欠かせない身の回りの多くの製品に搭載され、それら製品の高精度化、長寿命化、省資源化、省エネルギー化など、あらゆる環境面に貢献しています。

省エネルギーに貢献する製品

電流の変換効率を94%に高めたAC-DCコンバーター

画像:放熱板不要となったAC-DCコンバーター

放熱板不要となったAC-DCコンバーター

テレビ、エアコン、パソコン、プリンターなど、多くの家電製品、オフィス機器は、コンセントから交流(AC)電流を取り込み、それぞれの機器が内蔵するAC-DCコンバーターにより直流(DC)電流に変換し、機器を動作させています。この交流から直流に電流を変換する際に、完全な変換は難しく、直流に変換できなかった損失はすべて熱になってしまいます。

従来のAC-DCコンバーターは、入力電圧が100ボルトのとき、効率が87~90%程度になるため、AC-DCコンバーターの基板上に熱を大気中に放散させるための放熱板を2、3個取り付ける必要がありました。

しかし、ミネベアグループが新たに開発したデュアルブーストLLC方式AC-DCコンバーターは、入力電圧が100ボルトのときで93%、入力電圧が200ボルトのときで94%の変換効率を達成し、基板上の放熱板を不要としました。このため、開発品は基板の高さを10ミリメートルに抑え、部品点数を削減することができます。

この新開発AC-DCコンバーターは、大画面薄型テレビやデータセンターで利用されるサーバー機器などの省エネルギー化を図る中核技術として期待されています。

低消費電力、高効率、長寿命のブラシレスDCモーター

画像:ブラシレスDCモーター

ブラシレスDCモーター

ミネベアグループは、2010年度に駆動・制御用の電子回路を内蔵したブラシレスDCモーターの量産を開始しました。

新開発のブラシレスDCモーターは、整流子(ブラシ)を使って電流の向きを制御するDCモーターに比べて低消費電力、高効率、長寿命が特徴で、自社開発のネオジム磁石とボールベアリングを採用して出力特性を高めました。すでに次世代電力発電の一つとして期待される「太陽光発電」の集光装置において、太陽光を追尾集光する鏡の駆動部分に搭載されています。

また、ブラシ付きDCモーターの電力効率が40~50%であることに対して、ブラシレスDCモーターは約70%の電力効率を誇ります。機器稼働の電力消費の半分以上はモーターによる消費であると言われており、省エネルギーの観点からもブラシレスDCモーターのニーズは今後高まることが予想されます。

省資源に貢献する製品

高耐候性、長寿命、高性能ACファンモーター

画像:ACファンモーター

ACファンモーター

ミネベアグループは、工作機械などの過酷な環境で使用される製品や、太陽光発電・電気自動車の充電器など、屋外で使用される製品向けに、耐候性(耐油性・耐塵性)と長寿命性を兼ね備えたACファンモーターを製品化しました。

製品のあらゆる環境下での耐候性を高めることで、ユーザーによるメンテナンスの手間を軽減すると同時に、ライフサイクルコストの低減に貢献します。

今後の目標・課題

ミネベアグループは、今後も社会の具体的なニーズを察知し、安全で省エネルギー、省資源に役立つ製品の開発に継続して取り組んでいきます。

また、当社グループにおける環境配慮製品(仮称:ミネベアグリーンプロダクツ)の基準設定を検討していきます。

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