環境負荷物質削減の取り組み  過去掲載分(2018年)

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基本的な考え方

工場からの排気・排水による万一の水質汚濁、大気汚染や土壌汚染などは、周辺の地域社会にとって脅威になります。ミネベアミツミグループでは、地域との共存が事業活動において不可欠であるとの考えから、環境負荷物質の削減に取り組んでいます。

2017年度の取り組み結果

ミネベアミツミグループでは、各国、各地域の環境法令を遵守するために、工場排水などにおいては、国や周辺地域の法令基準より厳しい自主基準値を設定し、日々の監視を行っています。2017年度は当社グループのすべての工場で、漏洩や異臭、騒音、振動など周辺地域に迷惑をかけぬよう、日常の監視や環境パトロールを一層強化しました。

事業所における取り組み

工場排水の浄化

画像:藤沢工場の排水処理設備

藤沢工場の排水処理設備

ミネベアミツミグループでは、排水を河川に放流する際、工場保有の排水処理設備で基準値内まで浄化しています。また、各国および所在地域の法令に従って、排水中のpH※1、COD※2、BOD※3、SS※4、ノルマルヘキサン抽出物質※5などを定期的に測定し、自主的に工場排水の監視を行っています。

  • ※1 pH(ピーエッチ):酸性かアルカリ性かを示す尺度。pH7が中性。7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強い。
  • ※2 COD(化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を酸化剤によって酸化するのに消費される酸素量。BOD測定と比べ短時間に測定できるが、信頼性は劣る。CODは一般的に海、湖沼への排水管理に用いられる。
  • ※3 BOD(生物化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を微生物が分解するときに必要とする酸素量。BODが大きいほど水質は悪い。
    測定に数日を要する。BODは一般的に河川への排出水監視に用いられる。
  • ※4 SS(懸濁物質量):水中に浮遊している物質の量。数値が大きいほど水質汚濁が著しい。
  • ※5 ノルマルヘキサン抽出物質:水に含まれる発揮しにくい油や洗剤などを、ノルマルヘキサンという薬品で抽出した物質。当報告書では鉱油量を表す。

海外工場の環境パトロールの実施(タイ、中国、マレーシア、カンボジア)

ミネベアミツミグループでは、日本のグループ環境管理部メンバーが定期的に海外工場を訪問し、現地の環境管理メンバーと合同で環境パトロールを実施しています。

2017年度は、タイ、中国、マレーシア、カンボジアの各工場で合同の環境パトロールを実施しました。

一部の廃棄物置き場において若干の管理不足が確認されましたが、パトロール後、即日改善されました。

画像:タイ・ロッブリ工場の危険物倉庫

タイ・ロッブリ工場の危険物倉庫

画像:中国・上海工場の雨水側溝確認

中国・上海工場の雨水側溝確認

画像:マレーシア工場の屋外廃棄物置き場

マレーシア工場の屋外廃棄物置き場

画像:カンボジア工場の屋外廃棄物置き場

カンボジア工場の屋外廃棄物置き場

廃棄物処理場の視察(日本、タイ、中国ほか)

各工場、事業所から排出される廃棄物には、それぞれの工場、事業所内でリユース、リサイクルが難しいものがあります。こうした廃棄物は廃棄物処理業者に委託し、処分しています。

ミネベアミツミグループでは、信頼できる処理業者を選定し、処分を委託するとともに、定期的に処分場に赴き、その処理、管理状態などの視察もしています。廃棄物の処理工程において、土壌、水質、大気などへの環境汚染を引き起こさないよう、今後も処理業者と協力し、取り組んでいきます。

タイ工場では、2017年8月に汚泥などの埋め立て処分を行うGENCO社のRatchanburi工場を視察しました。

工場排水ゼロシステムの運用(タイ、中国)

ミネベアミツミグループには製品の加工工程で大量の水を使用する工場があり、排水の削減に取り組んでいます。工場で使用された水は、各国各地域の環境法令基準値以下まで浄化され、放流されますが、それでも地域周辺への環境影響はゼロとは言えません。そこで、当社グループでは水使用量の多いタイ、中国の工場において「工場排水ゼロシステム」を導入し、放流する工場排水とその環境影響のゼロ化に取り組んでいます。

このシステムでは、従来、浄化・放流していた排水をさらに浄化し、全量を工場内の使用水に戻すことで、排水をなくします。現在、「工場排水ゼロシステム」はタイのバンパイン工場、アユタヤ工場、中国の上海工場、西岑工場で導入しています。

画像:バンパイン工場の排水ゼロシステム

バンパイン工場の排水ゼロシステム

画像:西岑工場の工場排水ゼロシステム建屋

西岑工場の工場排水ゼロシステム建屋

PRTR物質の管理(日本)

日本国内の各事業所はPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)に基づき、PRTR対象物質の取扱量、移動量を管理しています。

2016年度の報告実績

(単位:トン)
物質番号 物質名 取扱量 排出量 移動量
大気 水域 埋立て 廃棄物 下水道
71 塩化第二鉄 3.1 0 0 0 0 0
384 1-ブロモプロパン 14.8 13.3 0 0 0.6 0
438 メチルナフタレン 1.8 0.01 0 0 0 0
合計 19.7 13.31 0.6

BCP訓練と廃油流出防止訓練の実施(日本)

2017年9月、軽井沢工場として16回目となるBCP訓練が実施されました。当日は、地震が発生した際に、廃油流出の被害を最小限に抑えるための訓練を行いました。

訓練の想定

  • 松本市で震度6強の地震発生、首都直下型地震と南海トラフ地震も同時発生。
  • 軽井沢工場で震度6弱を想定。
  • 工機工場から火災発生。
  • 油流出

など

画像:軽井沢工場のBCP訓練と油流出防止訓練の様子
画像:軽井沢工場のBCP訓練と油流出防止訓練の様子
画像:軽井沢工場のBCP訓練と油流出防止訓練の様子
画像:軽井沢工場のBCP訓練と油流出防止訓練の様子

軽井沢工場のBCP訓練と油流出防止訓練の様子

化学品漏洩時対応訓練の実施(中国)

中国の上海工場、西岑工場で化学品の漏出を想定した緊急事態対応訓練を実施しています。両工場の環境安全委員会では、万が一、化学物質が漏れた場合でも適切な処置を取ることで人的被害を最小限に抑え、環境汚染を起こさないようにするために、年1回、各生産部門の危険化学品取扱者、危険化学品納入業者、危険廃棄物回収業者、清掃業者を対象に対応訓練を実施しています。

2017年度は4月19日にて上海工場で26名が参加して訓練を実施しました。また4月20日には西岑工場でも37名が参加して訓練を行いました。訓練では環境安全委員会の化学物質管理部会と、所轄の消防局の指導の下、危険化学品が漏れた場合の吸着材での拡散防止処置の実地訓練、人的被害が発生した場合の処置方法、緊急連絡方法を指導しました。

画像:西岑工場の化学品漏洩対応訓練の様子
画像:西岑工場の化学品漏洩対応訓練の様子

西岑工場の化学品漏洩対応訓練の様子

今後の課題・目標

ミネベアミツミグループは、引き続き国内外の環境法令を遵守した事業活動を行うとともに、過去に発生させた環境汚染について、対策を進めていきます。

2018年7月20日にプレス発表した通り、当社は岩手県にある旧一関工場の土壌浄化対策を2011年中に完了していましたが、この度建屋解体に備えてあらためて調査を行ったところ、敷地内の一部に環境汚染物質が残っていることが判明しました。当社は、この問題につき、直ちに対策工事を実施することを決定しました。

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