環境負荷物質削減の取り組み  過去掲載分(2013年)

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基本的な考え方

工場からの流出、放出を発端とする水質汚濁、大気汚染や土壌汚染などは、周辺の地域社会にとって脅威になります。ミネベアグループでは、地域との共存が事業活動において不可欠であるとの考えから、環境負荷物質の削減に取り組んでいます。

2012年度の取り組み結果

ミネベアグループでは、各国、各地域の環境法令を遵守するために、法令基準を上回る自主基準を設け、日々の監視を行っています。2012年度は、環境法令や自主基準に違反するような事象はありませんでした。さらに、工場からの漏えいや異臭、騒音、振動などの異常がないか確認する環境パトロールをすべての工場で実施し、周辺地域へ与える影響についても監視しています。

また、2012年度は当社グループで使用する化学物質とその使用量を効率的に管理するためのデータベースを新たに構築し、運用を開始しました。

事業所における取り組み

工場排水の浄化

画像:藤沢工場の排水処理

藤沢工場の排水処理

ミネベアグループでは、排水を河川に放流する際、工場保有の排水処理設備で使用済みの廃水を基準値内まで浄化しています。また、各国および所在地域の法令に従って、排水中のpH※1 (ピーエッチ)、COD※2(化学的酸素要求量)、BOD※3(生物化学的酸素要求量)、SS※4(懸濁物質量)、ノルマルヘキサン抽出物質※5(油分)などを定期的に測定し、自主的に工場排水の監視を行っています。

2012年度、各工場の監視項目に異常は見られませんでした。また、これらに関係する苦情も寄せられていません。

  • ※1 pH(ピーエッチ):酸性かアルカリ性かを示す尺度。pH7が中性。7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強い。
  • ※2 COD(化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を酸化剤によって酸化するのに消費される酸素量。BOD測定と比べ短時間に測定できるが、信頼性は劣る。CODは一般的に海、湖沼への排水管理に用いられる。
  • ※3 BOD(生物化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を微生物が分解するときに必要とする酸素量。BODが大きいほど水質は悪い。
    測定に数日を要する。BODは一般的に河川への排出水監視に用いられる。
  • ※4 SS(懸濁物質量):水中に浮遊している物質の量。数値が大きいほど水質汚濁が著しい。
  • ※5 ノルマルヘキサン抽出物質:水に含まれる発揮しにくい油や洗剤などを、ノルマルヘキサンという薬品で抽出した物質。当報告書では鉱油量を表す。

廃棄物処理場の視察(日本、タイ、中国 ほか)

各工場、事業所から排出される廃棄物には、それぞれの工場、事業所内で再使用、再利用が難しいものがあります。こうした廃棄物は廃棄物処理業者に委託し、処分しています。

ミネベアグループでは、信頼できる処理業者を選定し、処分を委託するとともに、定期的に処分場に赴き、その処理、管理状態などの視察もしています。廃棄物の処理工程において、土壌、水質、大気などへの環境汚染を引き起こさないよう、今後も処理業者と協力し、取り組んでいきます。

画像:廃棄物処理業者の視察

廃棄物処理業者の視察

画像:タイの廃棄物処分業者の視察

タイの廃棄物処分業者の視察

画像:中国の廃棄物処分業者の視察

中国の廃棄物処分業者の視察

工場排水ゼロシステムの運用(タイ、中国)

画像:工場排水ゼロシステム

工場排水ゼロシステム

ミネベアグループには製品の加工工程で大量の水を使用する工場があり、排水の削減に取り組んでいます。工場で使用された水は、各国各地域の環境法令基準値以下まで浄化され、放流されますが、それでも地域周辺への環境影響はゼロとは言えません。そこで、ミネベアグループでは水使用量の多いタイ、中国の工場において「工場排水ゼロシステム」を導入し、放流する工場排水とその環境影響のゼロ化に取り組んでいます。

このシステムでは、従来、浄化・放流していた排水をさらに浄化し、全量を工場内の使用水に戻すことで、排水をなくします。現在、「工場排水ゼロシステム」はタイのバンパイン工場、アユタヤ工場、中国の上海工場、西岑工場で導入しています。

画像:バンパイン工場の工場排水ゼロシステム

バンパイン工場の工場排水ゼロシステム

画像:西岑工場の工場排水ゼロシステム建屋

西岑工場の工場排水ゼロシステム建屋

PRTR物質の管理(日本)

日本国内の各事業所はPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)に基づき、PRTR対象物質の取扱量、移動量を管理しています。

2012年度の報告実績

(単位:トン)
物質番号 物質名 取扱量 排出量 移動量
大気 水域 埋立て 廃棄物
31 三酸化アンチモン 1.07 0 0 0 0.054
71 塩化第二鉄 5.00 0 0 0 0
309 ニッケル化合物 0.90 0 0.02 0 0.33
384 1-ブロモプロパン 22.85 19.55 0 0 1.50
438 メチルナフタレン 4.66 0.02 0 0 0
合計 34.48 19.59 1.88

油流出防止訓練の実施(日本)

画像:軽井沢工場で行われた油流出防止訓練

軽井沢工場で行われた
油流出防止訓練

軽井沢工場では年3回行う防災訓練の際に、漏洩事故を防ぐために、油の流出を想定した訓練を実施しています。防災訓練では、地震発生を知らせる放送を合図に、油流出防止対策専門チームの構内パトロールや災害対策本部への無線連絡、油の流出防止のための油吸着材利用の実地訓練など、実際の災害時をシミュレーションしながら訓練を実施しています。

緊急事態対応訓練の実施(中国)

中国の上海工場、西岑工場で化学物質の漏出を想定した緊急事態対応訓練を実施しています。

両工場の環境安全委員会では、万が一、化学物質が漏れた場合でも適切な処置を取ることで人的被害を最小限に抑え、環境汚染を起こさないようにするために、年1回、各製造部門の危険化学品取扱者、危険化学品納入業者、危険廃棄物回収業者、清掃業者を対象に対応訓練を実施しています。

2012年度の訓練には、製造部門58名、外部業者11名、社内清掃業者4名の73名が参加し、環境安全委員会の化学物質管理部会と、所轄の消防局の指導の下、危険化学品が漏れた場合の吸着材での拡散防止処置の実地訓練、人的被害が発生した場合の処置方法、緊急連絡方法の説明を行いました。

画像:上海ミネベアで実施された緊急時対応訓練

上海ミネベアで実施された緊急時対応訓練

今後の目標・課題

ミネベアグループは、引き続き国内外の環境法令を遵守した事業活動を行うとともに、過去に発生させた環境汚染について、浄化作業を進めていきます。

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