環境負荷物質削減の取り組み  過去掲載分(2012年)

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基本的な考え方

工場からの流出、放出を発端とする水質汚濁、大気汚染や土壌汚染などは周辺の地域社会にとって脅威になります。ミネベアグループでは、地域との共存が事業活動において不可欠であるとの考えから、環境負荷物質の削減に取り組んでいます。

2011年度の取り組み結果

ミネベアグループでは、各国、各地域の環境法令を遵守するために、法令基準を上回る自主基準を設け、日々の監視を行っています。2011年度は環境法令や自主基準に違反するような事象はありませんでした。さらに、工場からの漏洩や異臭、騒音、振動などの異常がないか確認する環境パトロールをすべての工場で実施し、周辺地域へ与える影響についても監視しています。

また、2011年度は当社グループで使用する化学物質使用量を効率的に管理するために、新たに使用する化学物質についてデータベースを構築しました。データベースは2012年度に運用開始する予定です。

事業所における取り組み

工場排水の浄化

ミネベアグループでは、排水を河川に放流する際、工場保有の排水処理設備で使用済みの廃水を基準値内まで浄化しています。また、各国および所在地域の法令に従って、排水中のpH※1(ペーハー)、COD※2(化学的酸素要求量)、BOD※3(生物化学的酸素要求量)、SS※4(懸濁物質量)、ノルマルヘキサン抽出物質※5(油分)などを定期的に測定し、自主的に工場排水の監視を行っています。

2011年度、各工場の監視項目に異常は見られませんでした。また、これらに関係する苦情も寄せられていません。

  • ※1 pH(ペーハー):酸性かアルカリ性かを示す尺度。pH7が中性。7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強い。
  • ※2 COD(化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を酸化剤によって酸化するのに消費される酸素量。BOD測定と比べ短時間に測定できるが、信頼性は劣る。CODは一般的に海、湖沼への排水管理に用いられる。
  • ※3 BOD(生物化学的酸素要求量):水中の有機物(汚れ)を微生物が分解するときに必要とする酸素量。BODが大きいほど水質は悪い。測定に数日を要する。BODは一般的に河川への排出水監視に用いられる。
  • ※4 SS(懸濁物質量):水中に浮遊している物質の量。数値が大きいほど水質汚濁が著しい。
  • ※5 ノルマルヘキサン抽出物質:水に含まれる発揮しにくい油や洗剤などを、ノルマルヘキサンという薬品で抽出した物質。当報告書では鉱油量を表す。

廃棄物、リサイクル処分場の定期視察(日本、タイ、中国、他)

画像:浜松工場従業員による処分場視察の様子

浜松工場従業員による処分場視察の様子

各工場、事業所から排出される廃棄物には、それぞれの工場、事業所内で再使用、再利用が難しいものがあります。こうした廃棄物は廃棄物処理業者に委託し、処分しています。

ミネベアグループでは、信頼できる処理業者を選定し処分を委託するとともに、定期的に処分場に赴き、その処理、管理状態などを視察しています。廃棄物の処理工程において、土壌、水質、大気などへの環境汚染を引き起こさないよう、今後も処理業者と協力し、取り組んでいきます。

一関工場の土壌浄化完了

画像:土壌浄化を完了した一関工場

土壌浄化を完了した一関工場

ミネベアグループでは、かつてVOC(揮発性有機化合物)の塩素系有機溶剤により、土壌や地下水の汚染を起こした事業所があります。汚染のあった工場や跡地では、当社グループの責任において浄化作業を進めています。

一関工場でも同様の汚染が確認されていましたが、これまで自主的に浄化作業に取り組み、2011年10月に浄化を完了し、一関保健所および一関市に対して浄化完了報告を行いました。

PRTR対象物質の管理(日本)

日本国内の各事業所はPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)に基づき、PRTR対象物質の取扱量、移動量を管理しています。

2011年度の報告実績

(単位:トン)
物質番号 物質名 取扱量 排出量 移動量
大気 水域 埋立て 廃棄物
71 塩化第二鉄 4.99 - - - -
309 ニッケル化合物 1.19 - 0.03 - 0.75
384 1-ブロモプロパン 25.88 24.54 - - 1.34
438 メチルナフタレン 4.28 0.02 - - -

化学物質漏洩時の対策訓練(浜松工場)

画像:浜松工場危険物倉庫の訓練の様子

浜松工場危険物倉庫の訓練の様子

化学物質の漏洩事故は事業活動における大きなリスクとなります。こうした万一の事故に備えて、浜松工場では2011年10月に化学物質管理専門部会が中心となり、化学物質が漏洩した場合を想定した対策訓練を実施しました。

緊急時対策用として常備されている液体吸収材を用いた化学物質の流出防止や使用後の液体吸収材の適正な処置方法、化学物質が引火した場合の消化方法などを的確に速やかに実施できるよう、日頃の訓練により備えています。

緊急事態対応訓練(中国)

画像:化学物質漏洩時の応急処置訓練の様子

化学物質漏洩時の応急処置訓練の様子

上海工場、西岑工場にて化学物質の漏出を想定した緊急事態対応訓練を実施しました。

両工場の環境安全委員会では、万が一、化学物質が漏れた場合でも適切な処置を取ることで人的被害を最小限に抑え、環境汚染を起こさないようにするために、年1回、各製造部門の危険化学品取扱者、危険化学品納入業者、危険廃棄物回収業者、清掃業者を対象に対応訓練を実施しています。

2011年度の訓練には、製造部門58名、外部業者11名、社内清掃業者4名の73名が参加し、環境安全委員会の化学物質管理部会と、所轄の消防局の指導の下、危険化学品が漏れた場合の吸収体での拡散防止処置の実地訓練、人的被害が発生した場合の処置方法、緊急連絡方法の説明を行いました。

今後の目標・課題

ミネベアグループは、引き続き国内外の環境法令を遵守した事業活動を行うとともに、過去に発生させた環境汚染について、浄化作業を進めていきます。

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