2025年
2025年9月22日
ミネベアミツミ株式会社
ミネベアミツミの特製ルビーボール・ボールベアリングが大塚ローテック製腕時計「9号」に採用されました
このたび、ミネベアミツミ株式会社(本社:長野県、代表取締役会長CEO:貝沼 由久、以下 ミネベアミツミ)の特製ルビーボール・ボールベアリングと世界最小ボールベアリング*が、国産時計ブランド 大塚ローテックの機械式腕時計「9号」に採用されました。

9号

ルビーボール・ボールベアリング
「大塚ローテック」は、「時計界のアカデミー賞」と呼ばれているジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2024のチャレンジ部門(3,000スイスフラン以下の時計部門)でグランプリを受賞した、現代の名工*2である片山 次朗氏の国産時計ブランドです。
大塚ローテックが2025年9月22日に発表した「9号」は、片山氏がモジュールだけでなくベースムーブメントから手がけた自社製ムーブメントを搭載した腕時計です。アワーストラインキング、トゥールビヨンなどの複雑機構を、縦44ミリ、横30ミリのスクエアケースに収めています。
時刻表示は、文字盤の右半分に配置された畜光ブロックによって下から照らされています。上のディスクが時、下のディスクが分です。正時になるとアワーストライキングが作動し、文字盤左のパイプラインのようなゴングをハンマーがたたきます。アワーディスクの中心軸、アワーストライキングのハンマー可動軸にはミネベアミツミが「9号」のために開発した特製ルビーボール・ボールベアリングが採用されています。
今回、「9号」に採用された世界最小ボールベアリングと特製ルビーボール・ボールベアリングは、アワーストライキングやトゥールビヨンといった複雑機構の心臓部で、精密で滑らかな動きを支える重要な役割を担っています。
特にこの特製ルビーボール・ボールベアリングは、時計の伝統的な部品素材であるルビーと現代の超精密技術を融合させた革新的な部品です。ルビーの輝きはその芸術性に加えて機構のアクセントとなり、ルビー固有の硬度と滑らかさがベアリングの摩耗を極限まで抑制します。また、温度変化にも強く、複雑な機構に長期的な精度と信頼性をもたらします。伝統に新たな価値を与える発想と、それを超精密部品として形にするミネベアミツミの技術力が、本作の独創性を支えています。
* ミネベア 外径1.5mmボールベアリングが、世界最小の量産可能なスチール製ボールベアリングとしてギネス世界記録™に認定されました(2015年8月31日付け当社プレスリリース)
ミネベアミツミの極小ボールベアリングについて
ミネベアミツミの祖業であり原点であるボールベアリングは、70年以上自社内で磨き続けている超精密加工技術に支えられています。ナノメートルオーダーの加工寸法を自在に制御し加工精度を常に維持できるよう、加工用刃物、治工具、生産設備から環境面への配慮、先端加工技術開発にいたるまで社内で完結しています。
また、世界最小ボールベアリングと特製ルビーボール・ボールベアリングの製造は、研削から最終工程の組み立てまで、社内でも限られた技術者により、手作業で製造しています。
こうした超精密加工技術と垂直統合生産システムは、他社にはないミネベアミツミの強みのひとつです。

ミネベアミツミの軽井沢本社工場

ボールベアリングを手組みで製造する様子(写真は、軽井沢本社工場)
サイズ | :外径 | 1.50 mm |
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内径 | 0.50 mm | |
幅(厚さ) | 0.65 mm | |
生産場所 | :日本(軽井沢本社工場) |
サイズ | :外径 | 2.50 mm |
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内径 | 1.00 mm | |
幅(厚さ) | 0.70 mm | |
生産場所 | :日本(軽井沢本社工場) |

新開発の特製ルビーボール・ボールベアリング(写真の1目盛りは0.5mm)
大塚ローテック「9号」 概要
機能 | ジャンピングアワー、リワインディングミニッツ、トゥールビヨン、アワーストライキング、パワーリザーブインジケーター |
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駆動方式 | 手巻 |
ムーブメント | 自社製ムーブメント Cal. SSGT (手巻、30石+5ボールベアリング、毎時18,000振動、パワーリザーブ約40時間) |
ケース径 | 縦44mm、横30mm |
ケース厚 | 厚み最大13mm |
素材 | サファイアクリスタル+ステンレススチール(316L) |
ケース仕上げ | ヘアライン仕上げ |
ケースバック | ソリッドバック |
防水性 | 日常生活防水 |
ストラップ素材 | カーフレザー |
ラグ幅 | 26mm |
球軸受け | DEL-008(2個)、DDL-004(2個) *特製ルビーボール・ボールベアリングDEL-008 (大塚ローテック機械式腕時計9号向け特注・特製ベアリング) |
生産国 | 日本 |
税込価格 | 17,600,000円 *1年保証 |
大塚ローテックついて
現代の名工・片山次朗氏が2012年に創業した日本の腕時計ブランドです。全ての時計は片山氏指揮のもと自社で製作しています。片山次朗氏はカーデザイナー、プロダクトデザイナーとして活動をしていましたが、インターネットオークションで卓上旋盤を手に入れたことをきっかけに2008年より時計製作を開始しました。2012年より販売を始めるまでになりました。代表作の一つである「6号」は2024年、「時計界のアカデミー賞」と呼ばれるジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ(GPHG)のチャレンジ部門(3,000スイスフラン以下の時計部門)におけるグランプリを獲得しました。
ミネベアミツミについて
ミネベアミツミは、世界シェアNo.1*製品である、機械の回転をスムーズにするミニチュア・小径ボールベアリング(軸受)や、1直リチウムイオン電池用保護ICなどをはじめとする、超精密加工技術を代表するコア技術を中心に、半導体、モーター、センサーなど、様々な機械・電子部品を手がける相合(そうごう)**精密部品メーカーです。当社の超精密技術は、エアコン・掃除機・ドライヤー、ゲーム機などの家電製品、スマートフォン・パソコンなどの情報機器、自動車・航空・宇宙製品、そして医療機器など、幅広い分野で使用され、目に見えないところで皆様の生活をお支えしております。
* ミネベアミツミ調べ
- ** 相合:総合ではなく、相い合わせることを意味する造語。
当社グループのあらゆるリソースを掛け合わせ、相乗効果により新たな価値を創造する。
報道関係お問い合わせ先 | ミネベアミツミ株式会社 広報・IR室 Phone: 03-6758-6703 Fax: 03-6758-6718 E-mail: koffice@minebeamitsumi.com |
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ベアリングの販売関係お問い合せ先 | ミネベアミツミ株式会社 ベアリング統括部 Phone: 03-6758-6772 |
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。