2015年
(2015年10月掲載)
ステークホルダーとともに成長を目指す
このようにマイオニックが培ってきた80年近い歴史は、従業員をはじめとするステークホルダーとともに積み重ねてきたものです。特に、社会貢献活動や環境問題への対応など、さまざまな人と手を取り合ったCSR活動は、マイオニックの発展において大きな役割を果たしてきました。
そのことへの認識を強めつつ、時代とともに変化する社会からの要請に応えるため、2011年1月、マイオニックは新たなビジョンを策定しました。企業成長にフォーカスしていた従来の視点を超えて、お客様や従業員とともに発展していくことの重要性を盛り込みました。
この新ビジョンに合わせ、従業員にとって魅力的な企業づくりを目指した推進プロジェクトも発足しました。人口約2万人の小さな街であるロイトキルヒ市で事業継続の上で課題となってきたのが、高い能力を有する従業員をいかに確保するかということでした。そのため、このプロジェクトでは地元の方々から「働きたい職場」として認知されることを目標に、地域の一員でもある従業員の満足度を高めるとともに、地域貢献活動にも力を入れることで地域から支持される企業を目指しました。
さまざまな取り組みを積極的に行うだけでなく、活動の成果を計る仕組みとして、世界49カ国で「働きがいのある会社」の評価を行う「Great Place to Work® Institute」の調査を2年に一度受けています。この調査からのフィードバックを生かし改善に取り組んだ結果、2014年9月にはアルゴイ地方の「働きがいのある会社」の1社(第3位)として表彰されたほか、85%の従業員から「会社に満足している」との回答を得ることができました。
また、ビジョン浸透のためには、経営陣だけでなく、従業員自身の主体的な取り組みが不可欠です。プロジェクトに従業員の積極的な参加を促したことにより、最終的に全従業員がビジョンに対して理解を深めることができました。その象徴として、全員の署名が入ったビジョンが工場入口に掲げられ、マイオニックの組織文化として溶け込んでいます。
従業員の署名が入ったビジョン
ステークホルダーの声に丁寧に答え、魅力的な企業となることを目指しています
新たに策定したビジョンは全社に確実に浸透し、さまざまな議論をする際にも一つのよりどころとなっています。「Great Place to Work® Institute」の調査でも、回を重ねるごとに「働きがいのある会社」として評価が上がり、現在ではドイツ全体(対象企業全600社)でも130位にまで達しています。順位を上げることが私たちの目的ではありませんが、調査を基にした現状分析により、一歩一歩取り組みが進展してきたことには達成感を覚えます。
また、従業員や地域、お取引先様などステークホルダーとの直接的な対話も大切にしています。長年勤める従業員からは、意見交換の度に会社への誇りの声を聞くことができ、こうしたステークホルダーのマイオニックへの想いを発展させることこそが私たちのCSRの核心ではないかと感じています。