決算サマリー
更新日: 2023年5月12日
2023年3月期通期(2022年4月1日~2023年3月31日)の概況
2023年3月期通期のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和により、個人消費が回復し、景気の緩やかな持ち直しの動きが見られました。米国経済は、雇用や個人所得が増加している一方、インフレーション抑制のため金利の引き上げを継続しており、景気の上昇幅は限定的となりました。欧州経済は、ウクライナ問題によるロシアからの天然資源の供給減の影響で、資源価格は高止まりしており、依然として先行きは不透明な状況が続いています。中国経済は、ゼロコロナ政策による行動制限の解除に伴って、経済活動の正常化が進む一方、不動産市場を中心に景気は低迷しており、先行きが不透明な状況が続いています。東南アジアにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和を背景に、景気は回復傾向となりました。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は1兆2,922億300万円と前年同期に比べ1,680億6,300万円(15.0%)の増収となりました。営業利益は1,015億2,200万円と前年同期に比べ93億8,600万円(10.2%)の増益、税引前利益は961億2,000万円と前年同期に比べ53億3,200万円(5.9%)の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は770億1,000万円と前年同期に比べ80億7,500万円(11.7%)の増益となり、いずれも過去最高益を更新しました。
なお、2022年9月16日付で本多通信工業株式会社を子会社化、2023年1月27日付でミネベア アクセスソリューションズ株式会社(同日付で株式会社ホンダロックより社名変更)を子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同社を連結対象に組み入れています。上記には、統合日以降の同社の損益に加えて、ミネベア アクセスソリューションズ株式会社との企業結合手続により発生した負ののれん257億2,800万円が含まれています。
2023年3月期通期(2022年4月1日~2023年3月31日)のセグメント別業績
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
2023年3月期第1四半期より、会社組織変更を行った結果、「その他」と「調整額」で一部区分を変更しています。前期のセグメント情報は、会社組織変更後の区分に基づき作成したものを開示しています。
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品です。
主力製品であるボールベアリングは自動車生産台数の回復に伴う自動車部品の需要増加、ロッドエンドベアリングは航空機関連の需要回復により売上高は増加しました。また、ピボットアッセンブリーは需要が減少したことにより、売上高が減少しました。
この結果、2023年3月期通期の売上高は1,973億円と前年同期に比べ198億3,000万円(11.2%)の増収となり、営業利益は429億5,100万円と前年同期に比べ27億6,600万円(△6.1%)の減益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品です。
主に、液晶用バックライトの採用機種の減少、HDD用スピンドルモーターの需要が減少したことにより、売上高は減少しました。
この結果、2023年3月期通期の売上高は3,662億7,500万円と前年同期に比べ47億4,800万円(△1.3%)の減収となり、営業利益は9億2,200万円と前年同期に比べ206億3,900万円(△95.7%)の減益となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品及びスマート製品が主な製品です。
主に、カメラ用アクチュエータの光デバイスが好調に推移したことにより、売上高は増加しました。
なお、本多通信工業株式会社の取得に伴い、ミツミ事業に同社の損益が含まれています。
この結果、2023年3月期通期の売上高は5,304億6,400万円と前年同期に比べ1,013億4,800万円(23.6%)の増収となり、営業利益は427億4,000万円と前年同期に比べ8億9,400万円(2.1%)の増益となりました。
ユーシン事業
ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品が主な製品です。
自動車生産台数の回復に伴い自動車部品の需要が増加したことにより、売上高は増加しました。
なお、ミネベア アクセスソリューションズ株式会社の取得に伴い、ユーシン事業に同社の損益及び負ののれん発生益が含まれています。
この結果、2023年3月期通期の売上高は1,946億9,900万円と前年同期に比べ491億2,200万円(33.7%)の増収となり、営業利益は223億200万円と前年同期に比べ215億7,000万円の増益となりました。
その他事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品です。
2023年3月期通期の売上高は34億6,500万円と前年同期に比べ25億1,100万円(263.0%)の増収、営業損失は12億9,000万円と前年同期に比べ4,900万円の改善となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等61億300万円を調整額として表示しています。この調整額には、旧東京本部ビル売却に伴う固定資産売却益130億1,600万円が含まれています。前年同期の調整額は163億8,100万円でした。
2023年3月期通期(2022年4月1日~2023年3月31日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
2023年3月期末における総資産は1兆3,039億6,700万円となり、前期末に比べ1,997億7,500万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加です。
負債は6,606億5,800万円となり、前期末に比べ979億100万円の増加となりました。その主な要因は、社債及び借入金の増加です。
なお、資本は6,433億900万円となり、親会社所有者帰属持分比率は48.5%と前期末比0.3ポイント減少しました。
キャッシュ・フローの状況
2023年3月期末における現金及び現金同等物の残高は1,446億7,100万円となり、前期末に比べ189億1,700万円減少しました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、440億9,300万円の収入(前期は784億1,700万円の収入)となりました。これは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,062億7,500万円の支出(前期は636億500万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、378億7,500万円の収入(前期は255億4,700万円の支出)となりました。これは、主に長期借入れによる収入、社債の発行による収入等によるものです。
2023年5月11日に発表しました「2023年3月期通期(2022年4月1日~2023年3月31日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。