質疑応答要旨
更新日: 2022年12月9日
2023年3月期 第2四半期決算説明会(2022年11月2日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 2Qの為替予約による影響についてご教示ください。また、下半期の業績予想達成に向けて、為替はどのように想定していますか?
- 下半期も為替予約の影響は続くのでしょうか?
- 半導体について、スライド26ではかなり受注・受注残が落ちているように見えますが、来期に向けてどのような前提で見ていますか?
- 経営統合した本多通信工業のソフトウェアエンジニアが加わることで、売上・利益につながるような具体的な成果、製品群などがあれば紹介していただけますか?
- ミツミ事業について、下半期は上半期に対して増収増益の見通しですが、カメラアクチュエーター、ゲーム、アナログ半導体、コネクタの4つの主力製品についての足下の状況・下半期の見通しを教えてください。また、経営統合した本多通信工業、ミネベアコネクト(旧住鉱テック)が今期の業績に与える影響を教えて下さい。
- ミツミ事業で3Qから4Qに売上・利益が減少するのはほぼカメラアクチュエーターの季節性によるものとの理解で正しいでしょうか?
- セグメント別の営業利益予想では電子機器のみ下方修正とされていますが、これはHDD向けモーターの不振が主な要因なのでしょうか。LEDバックライトについてはどのように想定していますか?
- ボールベアリングの月次の販売実績と見通しを教えてください。
- アナログ半導体の下半期から来期にかけての目線について教えてください。スライド26を拝見すると、現状レベルから切り下がるリスクを感じますが、大丈夫でしょうか?中期的な方向性についての懸念はないかと思いますが、循環的な変動で株価が動くこともあるかと思いますので確認させてください。
- モーターについて教えてください。HDD向けモーターの落ち込みが相当大きいと思われますが、それでも売上規模がある程度保たれていることから、他の部分が増えているのではないかと考えています。それを牽引している自動車を中心とした新規案件の立ち上がりについて、従来の想定からの変化が生じていることはありますか?
- スライド26は、ミネベアミツミの半導体事業の受注、業界の受注、どちらを表しているでしょうか?また、受注が落ち込む中で、価格・稼動率の見通しをどのように見ればよいでしょうか?
- 機械加工品について、ベアリングの内販は2Qから下半期にかけて若干減少するというご説明がありましたが、営業利益が下半期に増加する要因を教えてください。稼働率の維持、為替の影響、航空機の回復などによるものになりますか。
ご質問と回答
- 2Qの為替予約による影響についてご教示ください。また、下半期の業績予想達成に向けて、為替はどのように想定していますか?
- 為替予約はドル円、ドルバーツで実施しており、期初想定はドル円115.00円、ドルバーツ33.05に対し、2Q実績はドル円135.52円、ドルバーツ35.70となりました。
第2四半期の営業利益は、為替の影響はプラス84億円、為替予約の影響はマイナス30億円と試算しています。結果として、為替予約の影響がなかったと仮定した場合の営業利益は294億円と試算しています。
ドル円の為替予約は、半導体の一部、航空機関連に影響がありましたが、各事業の収益が好調であったため、全体としての影響は限定的なものとなりました。ドルバーツについては、タイが生産の中心であるモーター事業に影響がありました。スライド9でお示ししたように、モーターの営業利益について、為替予約の影響がマイナス18億円ありました。為替予約の影響がなかったと仮定した場合の営業利益は51億円だったと試算しています。
また、下半期の為替レートは1ドル140円を想定しています。モーター以外には円安効果を見込むものの、想定に対して強く伸びていない分野(自動車向けのベアリングなど)も考慮し、東京本部売却益を除いた営業利益は1,020億円のままで据え置きとしています。セグメント別では、電子機器では下方修正、好調のミツミ事業を上方修正しています。
- 下半期も為替予約の影響は続くのでしょうか?
- 下半期も為替予約はしており、業績予想は為替予約の影響も踏まえた数字をお示ししています。
- 半導体について、スライド26ではかなり受注・受注残が落ちているように見えますが、来期に向けてどのような前提で見ていますか?
- アナログ半導体の市場成長率は上方修正されており、またIGBTなどの成長分野が当社のドライバーになると考えています。また、来期には滋賀工場が立ち上がり、出荷量も増えていくこともご認識いただければと思います。
- 経営統合した本多通信工業のソフトウェアエンジニアが加わることで、売上・利益につながるような具体的な成果、製品群などがあれば紹介していただけますか?
- 例えば自動車向け部品において、従前は自社では対応できなかったECUユニットなどを、自社で対応できるようになります。これにより、自動車メーカーに対する我々の存在感を高めることができ、それが成長ドライバーになると考えています。
- ミツミ事業について、下半期は上半期に対して増収増益の見通しですが、カメラアクチュエーター、ゲーム、アナログ半導体、コネクタの4つの主力製品についての足下の状況・下半期の見通しを教えてください。また、経営統合した本多通信工業、ミネベアコネクト(旧住鉱テック)が今期の業績に与える影響を教えて下さい。
- ミツミ事業の売上は3Q1,680億円、4Q1,178億円、下半期2,858億円、通期5,100億円、営業利益は3Q170億円、4Q102億円、下半期272億円、通期520億円と想定しています。
カメラアクチュエーターは、今期の生産ピークは3Qになり、これが業績を牽引すると考えています。ゲームは、お客様の販売が堅調なことから、当社の生産も堅調に推移することを見込んでいます。アナログ半導体は依然として好調ですが、業績予想としては保守的に見積もっています。
コネクタ事業では、9月16日から本多通信工業を連結子会社化し、2Qから業績に含まれています。下半期は、本多通信工業の公表数字を踏まえ、10億弱の利益貢献を見込んでいます。ミネベアコネクトは、現時点では業績予想に含まれておらず、数字は今後精査してまいります。
- ミツミ事業で3Qから4Qに売上・利益が減少するのはほぼカメラアクチュエーターの季節性によるものとの理解で正しいでしょうか?
- カメラアクチュエーター、ゲームの2つが要因となります。
- セグメント別の営業利益予想では電子機器のみ下方修正とされていますが、これはHDD向けモーターの不振が主な要因なのでしょうか。LEDバックライトについてはどのように想定していますか?
- モーターについては期初想定約3,000億円に対して、2,755億円に売上高を下方修正しています。上海ロックダウンで4月に一部のモーターが影響を受けましたが、直近では工場でもフル稼働状態に戻り、HDD向けモーター以外には大きな懸念事項はございません。HDD向けモーターについては、主要顧客別に販売・生産に多少濃淡があり、例年に比べ、今期は在庫調整などの影響が多少大きくなると見込んでいます。HDD市場で落ち込みが激しいのは、いわゆるPC向けなどの「レガシー」といわれる領域になっています。当社の主要市場であるデータセンター向けなどの「マスキャパシティ」の分野は、一部中国などで落ち込みはあるものの、全体としては成長していくと想定しています。在庫調整が終われば、来期以降は大きな問題にはならないと考えています。
バックライトについては、北米向けの生産は、少し伸び悩んでいるのが足下の状況です。来期以降についても、スマートフォン関連のLEDバックライトの事業機会はしっかりと確保されております。車載用につきましては、クラスターパネルなどで、OLEDとの対比で液晶が見直されつつあり、来期は成長することが期待できると思っています。ただし、予想においては保守的に見ています。
- ボールベアリングの月次の販売実績と見通しを教えてください。
- 7月から順に100万個単位で、外販数量は245、244、264、内販数量は52、47、47となりました。10月以降は、外販数量は239、249、255と見ており、2Qと比べると若干下がる想定となっています。内販数量は、38,41,37と見ています。
内販については、HDD向けピボットの減速を想定しています。また、車載、データセンターについては減少というよりも想定よりも伸びないという状況、その他家電などは従前よりもまだ水準が低いという状況で、四半期単位でみると若干数量が下がって見えるということです。
- アナログ半導体の下半期から来期にかけての目線について教えてください。スライド26を拝見すると、現状レベルから切り下がるリスクを感じますが、大丈夫でしょうか?中期的な方向性についての懸念はないかと思いますが、循環的な変動で株価が動くこともあるかと思いますので確認させてください。
- スライドでは、底を打ったら立ち上がりが早いという特徴をお示ししています。
受注がしっかり入っていますし、トレンドを踏まえて落ちることはないと見ています。年度内は大丈夫だと見ています。また、これから滋賀工場に設備が入ってIGBTの生産を開始しますし、そのオーダーも入っていますので来期も成長できると考えています。
- モーターについて教えてください。HDD向けモーターの落ち込みが相当大きいと思われますが、それでも売上規模がある程度保たれていることから、他の部分が増えているのではないかと考えています。それを牽引している自動車を中心とした新規案件の立ち上がりについて、従来の想定からの変化が生じていることはありますか?
- 変わっていません、自動車用モーターは順調に立ち上がっています。
HDD向けも、減少している部分がローエンドであり、利益影響は限定的です。HDDは半導体不足やサプライチェーン分断の際にBCP在庫が積み上げられた反動が出ている状況かと思いますので年内は調整が続くと思いますが、ハイエンドは来年以降徐々に回復してくると見ています。
- スライド26は、ミネベアミツミの半導体事業の受注、業界の受注、どちらを表しているでしょうか?また、受注が落ち込む中で、価格・稼動率の見通しをどのように見ればよいでしょうか?
- スライド26は、当社のエイブリックの実績となります。これまでの状況は、受注量の山・谷の繰り返しになっています。これをご覧いただくと、今は谷にあるように見えるかもしれませんが、このサイクルが繰り返されることを踏まえ、アナログ半導体については「心配ご無用」であることをお示ししています。
価格につきましては、当社は半導体のニッチマーケットにフォーカスしており、平均単価は切り上がったままとなっています。電池保護ICはコモディティ的な製品もありますが、非常に高いマーケットシェアを維持していることから、価格を下げずしっかりコントロールできています。稼働率につきましても、一部メンテナンス目的などで投入を落としている部分はありますが、IGBTなどの需要は非常に強く、基本的に高い稼働を維持しています。
- 機械加工品について、ベアリングの内販は2Qから下半期にかけて若干減少するというご説明がありましたが、営業利益が下半期に増加する要因を教えてください。稼働率の維持、為替の影響、航空機の回復などによるものになりますか。
- ベアリングの稼働率については、基本的にフル稼働を継続することを想定しています。来期以降の外部環境に不透明感はありますが、例えば自動車のモデルチェンジによるコンテンツグロースなど、今後の需要増加にそなえ、戦略的に在庫を積み増すことが適切と考えています。
為替については、モーターほどの為替予約の影響はありませんので、恩恵を見込んでいます。
航空機については、為替の恩恵もありますが、非常に強い引き合いがあります。特に欧州の航空機メーカーの生産レートは引き上がっており、航空機向けベアリング、ロッドエンド両方で回復を見込んでいます。
これらを踏まえ、通期で営業利益510億円という数字は達成可能と考えています。