質疑応答要旨
更新日: 2021年8月6日
2022年3月期 第1四半期決算説明電話会議(2021年8月4日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- ボールベアリングの能力増強を発表しましたが、来年以降の需要動向について何か変化を感じていますか。3カ月前は下半期の反動減の可能性も議論されていたと思いますが、足元では意外と下半期も強いのではないかという見方も出てきています。
- 下半期のボールベアリングの見通しは引きあがっているのですか。
- ミツミ事業の上半期の営業利益を20億円引き上げていますが、どのような内訳でしょうか。また、修正計画は保守的でしょうか。
- カメラアクチュエータについて、5月の説明会では今期売上を前年比で倍増させる計画でしたが、現時点で見通しに変化はありますか。可能であれば顧客別に解説をお願いします。
- 上半期のみ上方修正して下半期は見直しされていませんが、下半期が上半期よりさらに強くなるポテンシャルはありますか。それとも下半期に何か考慮するべきリスクがあるのですか。
- 1Qの特殊要因とその金額のイメージを教えてください。
- ユーシンでドアハンドルの大型案件をファーストベンダーとして獲得できた背景や理由について教えてください。
- 10年間で1,000億円というのは、御社のビジネスとしての金額ですか。
- ミツミ事業の2Qの売上、利益の計画が弱いように感じますが、背景について教えてください。
- 機構部品が保守的な数字になっているのは、半導体不足との関連がありますか。
- ユーシン事業の営業利益が1Qから2Qにかけて大きく増益となる理由を教えてください。
- 車載製品が2Qに改善する背景を教えてください。
- 機械加工品の1Qの利益率がコロナ前の2020年3月期の水準を超えてきていますが、コスト構造などどのような要因で改善できたのか教えてください。また、今後も利益率をさらに上げる余地はあるのでしょうか。
- ユーシン事業について、欧州地域での構造改革の進捗状況と、来期の営業利益100億円の目標についての見方を教えてください。
- 1Qのモーターの利益が前四半期並みということですが、売上は比較的伸びていることを考えると原材料価格の影響などがあったということでしょうか。また、その場合は2Q以降どのように対応していくのか教えてください。
ご質問と回答
- ボールベアリングの能力増強を発表しましたが、来年以降の需要動向について何か変化を感じていますか。3カ月前は下半期の反動減の可能性も議論されていたと思いますが、足元では意外と下半期も強いのではないかという見方も出てきています。
- 技術的なトレンドとして、自動車のEV化や電装化によりミニチュア・小径ボールベアリングの個数は構造的に増えていきます。現実として足元の需要は大きく引き上がってきています。
従前からベアリングはCAGR 8%程度で成長するとご説明しており、今回の設備投資はそれに則したかたちで実施するものです。業界のフロントランナーとして、絶えず供給力をきちんと身に付けながら前に進むことが重要だと理解しています。
- 下半期のボールベアリングの見通しは引きあがっているのですか。
- 厳密な見直しはしていませんが、手応えはかなりあります。
- ミツミ事業の上半期の営業利益を20億円引き上げていますが、どのような内訳でしょうか。また、修正計画は保守的でしょうか。
- 上半期の上方修正の大部分は半導体で、光デバイス等も引き上げています。2Qについては直近の入手可能な情報に基づいて修正しているため、そこに大きなバッファーがあるものではないと認識しています。
- カメラアクチュエータについて、5月の説明会では今期売上を前年比で倍増させる計画でしたが、現時点で見通しに変化はありますか。可能であれば顧客別に解説をお願いします。
- 主要顧客向けは、上半期の見込みは想定より強く、足元の生産も順調に立ち上がっています。主要顧客以外については、中華圏のハイエンドスマホ向けで上半期は少し下振れる見込みです。これらを合わせた上半期と通期の見通しに変化はありません。
また、下半期に主要顧客以外のビジネス機会を獲得していく方針に変更はありません。
- 上半期のみ上方修正して下半期は見直しされていませんが、下半期が上半期よりさらに強くなるポテンシャルはありますか。それとも下半期に何か考慮するべきリスクがあるのですか。
- 現時点では下半期の方が強くなると想定しています。
一部自動車メーカーで9月から増産に転じると報じられているように、全体として回復が後ろ倒しになっています。特に4Qは様々なものの後ろ倒しが解消していく過程で、通常の季節性より強くなるのではと感じています。
例えば機械加工品の売上は1Q:441億円、2Q:469億円に対して下半期は修正していないため3Q:420億円、4Q:420億円としていますが、足元の需要動向から2Qに対して3Qが下がっていくことは想定しづらいと考えます。むしろ、当初2Qで想定されていたものが3Q、4Qに後ろ倒しされていると認識しています。モーターも同様で、全体的にそのような傾向があると思っています。
11月の時点で状況を見定めた上で、正確な予想をお示ししたいと考えます。
- 1Qの特殊要因とその金額のイメージを教えてください。
- プラス側では電子デバイスにおける過年度の費用回収で10億円強の収益がありました。マイナス側ではユーシン事業で退職金制度の統合に伴う引当金の積み増しのため約4億円の費用がありました。ネットすると10億円弱程度のプラスとなります。
- ユーシンでドアハンドルの大型案件をファーストベンダーとして獲得できた背景や理由について教えてください。
- 詳細は申し上げられませんが、低価格品から撤退し高付加価値品に注力するという基本方針に沿ったものであるとご認識いただければと思います。
お客様にユーシンをお選びいただいた理由については、ミネベアミツミとして自動車関連での品質改善を含めた様々な実績を重ねていることや、アジアを含むグローバルな供給体制などといった要素をご評価いただいたものと認識しています。
- 10年間で1,000億円というのは、御社のビジネスとしての金額ですか。
- 途中で2社目の参入があれば減る可能性がありますが、現状ではそのように想定しています。
- ミツミ事業の2Qの売上、利益の計画が弱いように感じますが、背景について教えてください。
- ミツミ事業は1Qから2Qにかけて売上高は255億円、営業利益は34億の増益を見込んでいます。そのうち半導体は高い利益水準が続く見込みです。光デバイスは2Qから新機種の立ち上げで大幅な増益を見込んでいます。機構部品については保守的な数字としています。
- 機構部品が保守的な数字になっているのは、半導体不足との関連がありますか。
- 申し訳ございませんが、当社はコメントする立場にはありません。
- ユーシン事業の営業利益が1Qから2Qにかけて大きく増益となる理由を教えてください。
- 今期からユーシン事業に移管された旧ミツミ事業の車載製品が1Qは少し苦戦しましたが、2Qには改善を見込んでいるためです。
- 車載製品が2Qに改善する背景を教えてください。
- ユーシン事業は、ミツミ事業から移管された車載製品も含めティア1という位置づけとなります。お客様の生産調整はユーシン事業にはそのまま影響しますが、これは当社の他の事業とは異なります。詳細は申し上げられせんが、お客様によっては既にリカバリープランが出てきているため、大幅な収益改善につながると考えています。
- 機械加工品の1Qの利益率がコロナ前の2020年3月期の水準を超えてきていますが、コスト構造などどのような要因で改善できたのか教えてください。また、今後も利益率をさらに上げる余地はあるのでしょうか。
- ミニチュア・小径ベアリングの個別の利益率は開示していませんが、数量が戻ってくると非常に高くなります。一方で、航空機関連の利益率はそこまでは高くありません。そのため、航空機が戻ってきたときは利益率だけを見ると下押し要因になります。
現在ベアリングはコストが一番安いところに集中して投資しているため、利益率は一段と高くなっていくと思います。新しい国に進出し、土地を取得して一からトレーニングを施す方法もありますが、今はバンパインの多目的工場への投資や、既に建物があるところに詰めていくという形の投資をしています。そのため利益率は大きく上がっており今後も続くと思います。ただし、そこだけに注目していただくのではなく、航空機が戻ってきて利益率の下押し要因があっても機械加工品全体では非常に高い利益率を保っていくと考えていただければと思います。
- ユーシン事業について、欧州地域での構造改革の進捗状況と、来期の営業利益100億円の目標についての見方を教えてください。
- 半導体不足が解消して欧州事業のお客様が作り込める状況になったときの実力値が大体70億円と考えており、それに300名の人員削減と低価格品をなくすことで100億円になるイメージです。構造改革の方は現時点では予定どおりに進捗しています。
- 1Qのモーターの利益が前四半期並みということですが、売上は比較的伸びていることを考えると原材料価格の影響などがあったということでしょうか。また、その場合は2Q以降どのように対応していくのか教えてください。
- 当社のモーターは小型のため同業他社に比べ原材料価格の影響は相対的に少ないと推測されるものの、1Qは銅を中心に相応の影響を受けています。年間では数十億円のコスト増となるイメージです。これに対しては、操業度の上昇やお客様との価格調整など複合的な施策を打っており、3Q、4Qに効果が出てくる見込みです。