決算サマリー
更新日: 2019年5月9日
2019年3月期通期(2018年4月1日~2019年3月31日)の概況
2019年3月期通期のわが国の経済は、上半期では個人消費及び企業収益が堅調に推移し緩やかな回復がみられましたが、期後半にかけて米中貿易摩擦を発端とした景況感の悪化、世界経済の減速による輸出の減少等、先行きへの不透明感が高まりました。米国経済は、米中通商問題の悪化等による影響を受けましたが、雇用情勢の改善等を背景に、景気は堅調に推移しました。欧州経済は、ブレグジットに伴う混乱への懸念から企業活動が停滞し、ユーロ圏の景気は悪化しました。アジア地域においては、中国経済は、米中貿易摩擦の激化による輸出減少、さらには国内設備投資の落ち込み等により、景気は減速しました。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は8,847億2,300万円と前年同期に比べ33億900万円(0.4%)の増収となり、創業以来の過去最高を更新しました。営業利益は720億3,300万円と前年同期に比べ31億3,100万円(4.5%)の増益、税引前利益は713億2,100万円と前年同期に比べ44億6,600万円(6.7%)の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は601億4,200万円と前年同期に比べ98億1,600万円(19.5%)の増益となりました。
2019年3月期通期(2018年4月1日~2019年3月31日)のセグメント別業績
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品です。主力製品であるボールベアリングは、自動車向けでの省エネや安全装置用のニーズ拡大、ファンモーター向け需要増等により、外販数量は23億4,700万個と過去最高を更新し、売上は増加しました。ロッドエンドベアリングは、中小型機市場での受注が好調に推移したことにより、売上は増加しました。一方、ピボットアッセンブリーは、当社の市場シェアは堅調に推移しましたが、HDD市場規模縮小を受け、販売数量、売上ともに減少しました。
この結果、2019年3月期通期の売上高は1,883億2,400万円と前年同期に比べ118億9,700万円(6.7%)の増収となり、営業利益は477億5,000万円と前年同期に比べ67億4,300万円(16.4%)の増益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)、精密モーター及び特殊機器が主な製品です。ステッピングモーターをはじめとするモーターでは、自動車向けを中心に堅調に推移し、売上は増加しました。一方、液晶用バックライトは、スマートフォン需要の減速に伴い、売上は減少しました。
この結果、2019年3月期通期の売上高は3,872億9,300万円と前年同期に比べ645億8,600万円(△14.3%)の減収となり、営業利益は169億2,200万円と前年同期に比べ71億7,400万円(△29.8%)の減益となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品が主な製品です。カメラ用アクチュエータ、ゲーム機器等の機構部品、スイッチ、保護IC等スマートフォン向け製品、アンテナ、通信モジュール、コネクタ等のほぼ全ての製品で堅調に推移しました。
この結果、2019年3月期通期の売上高は3,084億2,300万円と前年同期に比べ560億800万円(22.2%)の増収となり、営業利益は222億8,200万円と前年同期に比べ22億1,300万円(11.0%)の増益となりました。
その他事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品です。
2019年3月期通期の売上高は6億8,300万円と前年同期に比べ900万円(△1.3%)の減収、営業損失は3億8,600万円と前年同期に比べ4億2,100万円の改善となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等145億3,500万円を調整額として表示しています。前年同期の調整額は154億6,300万円でした。
2019年3月期通期(2018年4月1日~2019年3月31日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでいます。
2019年3月期通期における総資産は7,421億2,700万円となり、前年同期に比べ385億6,900万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物、有形固定資産です。
2019年3月期通期における負債は3,348億6,700万円となり、前年同期に比べ54億7,000万円の減少となりました。その主な要因は、未払法人所得税等です。
なお、資本は4,072億6,000万円となり、親会社所有者帰属持分比率は53.9%と前年同期比3.3ポイント増加しました。
キャッシュ・フローの状況
2019年3月期通期における現金及び現金同等物の残高は1,224億3,200万円となり、前年同期に比べ336億5,500万円増加しました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,007億2,200万円の収入(前年同期は922億100万円の収入)となりました。これは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増減等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、541億9,000万円の支出(前年同期は548億5,300万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、133億3,400万円の支出(前年同期は270億2,600万円の支出)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出、配当金の支払等によるものです。
2019年5月8日に発表しました「2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。