質疑応答要旨
更新日: 2018年11月9日
2019年3月期 第2四半期決算説明会(2018年11月7日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 電子機器事業は、前回計画と比べて売上は通期で100億円引き上げ、利益は10億円引き上げとなっていますが、その理由を教えてください。メディアでは、下半期の一部ハイエンドスマホについて様々な観測が出ていますが、今回どのように織り込んでいるのですか。また、ミツミ事業では通期計画は据え置きになっていますが、上半期の半導体の一過性費用を下半期にどのように挽回するのかを含め、組み立てを教えてください。
- LEDバックライトは、そもそも期初の想定が慎重過ぎたということですか。
- 前回1Qの決算電話会議で、ベアリングの「踊り場」的なご説明がありましたが、今回、3Qの売上計画が落ちています。この踊り場や、今の業界の調整は、どのぐらいの深さだと感じていますか。先ほどのご説明では、来期にまた10%くらいの数量増は可能ということですが、何が今見えているのか、ご説明をお願いします。
- スライド18の「収益力の向上」という表現について、これは売上や数量が3Qに多少下がっても、利益額もしくは利益率は上がるという理解でいいですか。
- 1Q決算説明会資料で、2Qの外販は2億1,200万個の計画に対して、実績は2億600万個ということですが、顧客の在庫調整を含めて、下半期に向けて上がるもの、下がるものを整理してください。
- ミツミ事業の売上の見通しを100億円下げたにも関わらず、利益は据え置いた理由を教えてください。
- 電子機器事業の利益計画は据え置きとなっていますが、正直なところ、LEDバックライトの数量は厳しいのではないかと感じています。今回、利益計画が据え置かれたのは、前回計画の価格想定が保守的だったということでしょうか。
- 今回の為替前提変更について、従来計画比では利益的にかなりプラスに効くような変更になっていると思います。その上で、あまり利益予想を変えられていないということは、スマートフォンのリスクやゲームなどの不確定要因をある程度織り込んだものが今回の業績予想であるという理解でよいでしょうか?
- 2Q実績について、電子機器とミツミのところで「期ずれ」という表現をされていましたが、それはお客さま側の生産のタイミングがずれたということでしょうか、それとも社内の個別内部要因として何か影響があったということでしょうか?
- ボールベアリングについて、株式市場では、全体的なピークアウトのような動きの中でどれぐらいダウンサイドがあるのかと懸念していると思います。御社からご覧になったときに、下がる可能性があるものは全体の中でどれぐらいの割合を占めていますか?
- ベアリングの在庫について、説明のなかで述べられていた「エア代が2,000万円ぐらいまで落ちる」状況を適正化とすると、今の生産と需要のギャップ状況では適正化にどれくらいの時間を要する状況ですか。
- 結論として、よほどのスローダウンがない限りは心配しなくていいということですか。
- チャイナ・プラス・ワンについてもう少しお聞かせください。これはベアリング以外の製品も含めた全体的な話だと思うのですが、可能な範囲で結構ですので、今、お客さんからどういう対応を求められているのかについて教えてください。
- ミツミ事業について、米中の関税問題の影響はありますか。
- 特に今回の2Q、3Qのところについては、かなりかさの張るものもあると思いますが、そういったものについてはいかがでしょうか?
- 来期以降のバックライトの需要について、もし何かアップデートがありましたらお願いします。
- これまでのご説明と、トーンはそれほど変わっていないという理解でよろしいですか。
- バックライトのある電子機器で、2Qに期ずれがあったとのご説明がありましたが、御社の生産性・歩留まりは、2Qはどのような状況で、3Qに向けてどういった見通しを持たれていますでしょうか。バックライトが手に入らないというような報道もあったかと思いますので、状況を確認させていただけないでしょうか。
- ミツミ事業の電子部品やスマホ関連についてはいかがですか。
- 電子機器の2Q売上実績が上振れ、通期売上見通しを100億円上げている点について、当初の計画からどのように変更されているのか確認させてください。価格だけの変更なのか、あるいは旧モデルがたくさん売れて、新モデルは売れていないといった想定を置かれているのか、確認させていただけないでしょうか。
- 営業利益の調整額について、上半期が65億円に対し、2Qはユーシンとの経営統合のための費用がかさんでいるかとは思うのですが、下半期には110億円となっております。これについて、何か見えている費用があるのか、あるいはスマートフォンやゲームのリスクのためのバッファーという考え方なのか、確認させてください。
- 差し支えなければ、その環境対策費用の規模感などを、ご教示いただけないでしょうか。
- ボールベアリングの生産能力について、月産3億1,500万個までの増産時期と、さらにそれを超えて増産する計画および時期について、ご説明をお願いします。
- その先についてはいかがでしょうか?
- ミツミ事業のカメラアクチュエータについて、2Q新製品の実績がどうだったのか、また下半期にミツミ全体の売上が減る中で利益が増えるのは、このカメラアクチュエータが3Qから大きく増えていくからではないかと推測していますが正しいでしょうか?11月中旬に差し掛かる中で、どのような実績が出てきているのかも含めて、ご説明をお願いします。
- 3Q、4Qの季節性については、現時点ではどのように見ていますか。
ご質問と回答
- 電子機器事業は、前回計画と比べて売上は通期で100億円引き上げ、利益は10億円引き上げとなっていますが、その理由を教えてください。メディアでは、下半期の一部ハイエンドスマホについて様々な観測が出ていますが、今回どのように織り込んでいるのですか。また、ミツミ事業では通期計画は据え置きになっていますが、上半期の半導体の一過性費用を下半期にどのように挽回するのかを含め、組み立てを教えてください。
- LEDバックライトについては、1Qではまだあまり始まっていなかったというところから、いまはおおよそ足元の状況が見えてきており、ご指摘のような変化を織り込んだとご理解ください。
ミツミ事業については、地震による影響額10億円が2Qに含まれており、それ以外にも3Qに少し織り込んでいるものがありますが、全体的な収益が伸びていることもあり、乗り越えていけるものと考えています。何か特定の理由があるものではありません。
- LEDバックライトは、そもそも期初の想定が慎重過ぎたということですか。
- そのようにご理解いただいて結構です。
- 前回1Qの決算電話会議で、ベアリングの「踊り場」的なご説明がありましたが、今回、3Qの売上計画が落ちています。この踊り場や、今の業界の調整は、どのぐらいの深さだと感じていますか。先ほどのご説明では、来期にまた10%くらいの数量増は可能ということですが、何が今見えているのか、ご説明をお願いします。
- まず前回のご説明は、「踊り場が来てくれれば楽になる」という主旨でしたが、一部では「踊り場がきた」と解釈されてしまっていました。
ベアリング自体は、先ほど申し上げたとおり、非常に堅調で今後も全く心配はしていません。ただ、仮想通貨や、中国を中心とした設備投資へのセンチメントなどの影響を多少受けているのは事実だと思います。ただ、自動車の電動化が進んでいるのは紛れもない事実で、サーバー等の設置は待ったなしで来る問題だと考えています。踊り場が来るかどうかというのは分かりませんが、ヨーロッパでは先月は1.5カ月分の受注がきており、非常にブッキングは強いと考えています。したがって、大局的には心配する必要はないと考えています。
- スライド18の「収益力の向上」という表現について、これは売上や数量が3Qに多少下がっても、利益額もしくは利益率は上がるという理解でいいですか。
- はい。利益率はすでに上がっています。ベアリングだけでなく、ロッドエンド・ファスナーも利益率を上げていると、ご理解いただければと思います。
- 1Q決算説明会資料で、2Qの外販は2億1,200万個の計画に対して、実績は2億600万個ということですが、顧客の在庫調整を含めて、下半期に向けて上がるもの、下がるものを整理してください。
- 需要が落ちていくものは、基本的に見えていません。分母が3億個ですから、500万個程度の差というのは、誤差の範囲内と認識しています。今はとにかくキャパシティをきちっと持って、これから最も大きくけん引していく自動車と冷却用ファンに対しての体制を整えて、在庫も持っておくということだと思います。
- ミツミ事業の売上の見通しを100億円下げたにも関わらず、利益は据え置いた理由を教えてください。
- 売上については、機構部品やスマホなど様々な変化がある中で、1Q、2Qの実績と3Q、4Qのバランスの間で調整したというものです。
- 電子機器事業の利益計画は据え置きとなっていますが、正直なところ、LEDバックライトの数量は厳しいのではないかと感じています。今回、利益計画が据え置かれたのは、前回計画の価格想定が保守的だったということでしょうか。
- 価格についてのコメントは差し控えさせていただきますが、昨年までのモデルとは収益構造が大きく異なります。したがって、去年までのように、これだけ売れたらこのくらいの利益が上がるだろうという想定の額と比べると、新しいスマホによる業績へのインパクトは少なくて済んでいます。ただ、為替の余力は少し厳しくなるなということで、110円にさせていただきました。
- 今回の為替前提変更について、従来計画比では利益的にかなりプラスに効くような変更になっていると思います。その上で、あまり利益予想を変えられていないということは、スマートフォンのリスクやゲームなどの不確定要因をある程度織り込んだものが今回の業績予想であるという理解でよいでしょうか?
- 特定のお客さまの状況についてはコメントする立場にはありませんので、それと為替との関係についてはコメントできませんが、今のご指摘で大きな違和感はないと思っております。
- 2Q実績について、電子機器とミツミのところで「期ずれ」という表現をされていましたが、それはお客さま側の生産のタイミングがずれたということでしょうか、それとも社内の個別内部要因として何か影響があったということでしょうか?
- 基本的にはお客さまのご事情という理解です。
- ボールベアリングについて、株式市場では、全体的なピークアウトのような動きの中でどれぐらいダウンサイドがあるのかと懸念していると思います。御社からご覧になったときに、下がる可能性があるものは全体の中でどれぐらいの割合を占めていますか?
- 大きなベアリングと小さなベアリングを同様に考えられている方が多くいらっしゃるのですが、実際には全く別物です。過去に産業機械等が減速したときには、当社のベアリングは全然減りませんでした。アプリケーションが違うこと、大量に使う新しいアプリケーションが出てくることから、何かが減速するようなことがあってもそれをオフセットしてきています。ものすごく景気が悪化した場合は別の話になりますが、今の状況では、それほど特徴的な落ちを示すものはないと考えていただいてよいかと思います。
- ベアリングの在庫について、説明のなかで述べられていた「エア代が2,000万円ぐらいまで落ちる」状況を適正化とすると、今の生産と需要のギャップ状況では適正化にどれくらいの時間を要する状況ですか。
- どこに在庫を持っていくかというのは市場をよく見ながら考えなくてはいけないと思います。
経験から言うと、最高で3カ月という状況がありましたが、それでも景気が上向くとすぐにはけてしまいましたので、私がこの会社に入って以来、ベアリングの在庫を処分したということは、経験がありません。
また、現在は月に約3億個作っていますから、仮に月に3億個売れているとして、3カ月分の在庫というと約9億個になります。それはちょっと多いだろうと思いますが、2カ月ぐらいまでは持っておいてもよいのではないかと考えています。現在の生産と販売の差は1,000万個ぐらいしかありませんので、まだあと1年ぐらい現在の状況が続いても問題ないと思っています。
特に最近の自動車向け、ファンモーター向けのベアリングにおいては、当社の生産性改善とファンモーター需要のピークが偶然一致していたことから全部供給することができましたが、これは在庫がなかったらできなかったことです。生産性改善と在庫がなかったら、絶対に供給することはできませんでしたので、「サーバーが作れなくて大変だ」という話になっていたと思います。
われわれの強さは、需要が落ちてきたときも怯まずにきちっと対応しておくというところで、それが競争力の源泉であると思います。ことにボールベアリングではそれが重要だと、ベアリングの責任者にも言っております。
- 結論として、よほどのスローダウンがない限りは心配しなくていいということですか。
- そのように思います。
- チャイナ・プラス・ワンについてもう少しお聞かせください。これはベアリング以外の製品も含めた全体的な話だと思うのですが、可能な範囲で結構ですので、今、お客さんからどういう対応を求められているのかについて教えてください。
- 一番分かりやすい例は、中国でアセンブリ等をされている米国企業で、ほとんどの製品が今回の関税の対象になっています。今日、中間選挙が終わり、これから変わるのか、変わらないのかは分かりませんが、このトレンドが続くと、本当に生産地を変えていかなくてはいけないお客さまが多いと思います。
ベアリングについては、メキシコを経由して米国に入るものもあることから、影響を受けたお客さま全部が当社へ来て、「25%高くなったからミネベアミツミから買いたい」と言うことはないと思いますが、実際に「見積もりを出してほしい」と言ってきているお客様もいらっしゃいます。
当社の特徴として、余剰キャパを持ったオペレーションをしていることから、カンボジアなどにはまだまだ受け入れ態勢がありますので、そうした需要に対してはこちらにシフトしていくという形になります。お客さまもまだ見極め・スタディを始めたところですので、皆さまに数字でお示しできるには、まだあと6カ月ぐらいかかるのではないかなと思います。
- ミツミ事業について、米中の関税問題の影響はありますか。
- ミツミ事業はすごく幅が広いですので、実際にアセンブリで移転を指示されたお客さまの製品もありますが、お客さまの温度差もありますので、一概には言えません。
- 特に今回の2Q、3Qのところについては、かなりかさの張るものもあると思いますが、そういったものについてはいかがでしょうか?
- かさの張るものは、まだ具体的な動きはないです。
- 来期以降のバックライトの需要について、もし何かアップデートがありましたらお願いします。
- 個人的な見解としてはなくならないと思っています。
- これまでのご説明と、トーンはそれほど変わっていないという理解でよろしいですか。
- 全然変わっていません。
- バックライトのある電子機器で、2Qに期ずれがあったとのご説明がありましたが、御社の生産性・歩留まりは、2Qはどのような状況で、3Qに向けてどういった見通しを持たれていますでしょうか。バックライトが手に入らないというような報道もあったかと思いますので、状況を確認させていただけないでしょうか。
- 詳しい話はできませんが、歩留まりに問題はありません。
- ミツミ事業の電子部品やスマホ関連についてはいかがですか。
- 全く問題ないです。
- 電子機器の2Q売上実績が上振れ、通期売上見通しを100億円上げている点について、当初の計画からどのように変更されているのか確認させてください。価格だけの変更なのか、あるいは旧モデルがたくさん売れて、新モデルは売れていないといった想定を置かれているのか、確認させていただけないでしょうか。
- 2Q売上実績が想定よりあった点については、当初のガイダンスが少しコンサバに見過ぎたのかと思います。見通しにおけるモデル構成については、いろいろなケースが起こり得ると思っていますが、現時点では期初の想定が大きく変更になるということは想定しておりません。
- 営業利益の調整額について、上半期が65億円に対し、2Qはユーシンとの経営統合のための費用がかさんでいるかとは思うのですが、下半期には110億円となっております。これについて、何か見えている費用があるのか、あるいはスマートフォンやゲームのリスクのためのバッファーという考え方なのか、確認させてください。
- 下半期には、積極的にM&Aをやっていくという前提の中で、いろいろな経費を見込んでおります。前提としては今回の事案だけではないということ、また下半期には、一部環境対策の特殊費用を見込んでいることから、少し増えているということになっております。
- 差し支えなければ、その環境対策費用の規模感などを、ご教示いただけないでしょうか。
- マグニチュードはそれほど大きな話ではありません。
- ボールベアリングの生産能力について、月産3億1,500万個までの増産時期と、さらにそれを超えて増産する計画および時期について、ご説明をお願いします。
- 3億1,500万個というのは、今、オンゴーイングでやっています。
前回増産時は、生産性改善も行ったうえに納期を非常に縮めたために費用が高くなってしまったので、今回は投資を抑制、価格を下げて機械を導入できるようにしています。
機械が入り始めてくるのが来年の半ばぐらいからですので、3億1,500万個体制になるのは、来年の終わりから再来年にかけてになるかと思います。
- その先についてはいかがでしょうか?
- 現時点では考えておりませんが、3億3,500万個体制までは既存の工場に入るという報告を受けています。本当にこれでは間に合いそうもない、というトレンドが出てきた場合には新工場を建てないと対処できないと思いますが、今のところそこまでの兆候は出ていないと思います。
- ミツミ事業のカメラアクチュエータについて、2Q新製品の実績がどうだったのか、また下半期にミツミ全体の売上が減る中で利益が増えるのは、このカメラアクチュエータが3Qから大きく増えていくからではないかと推測していますが正しいでしょうか?11月中旬に差し掛かる中で、どのような実績が出てきているのかも含めて、ご説明をお願いします。
- カメラアクチュエータについての状況はご指摘のとおりで、3Qにかけての盛り上がりに向けた対応をしているところです。実績も付いてきています。
今後は北米のお客さまに加えて、中華圏のお客さまの商談の話もありますので、きちんと対応していきたいと思っています。
- 3Q、4Qの季節性については、現時点ではどのように見ていますか。
- いろいろな変化点があるかと思いますが、現時点では3Qがピークで、4Qに少しスローダウンしていくと見込んでおります。