質疑応答要旨
更新日: 2017年8月9日
2018年3月期 第1四半期決算電話会議(2017年8月4日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 電子機器事業の上半期の売上計画を430億円上方修正していて、おそらく大部分がLEDバックライトと思いますが、もう少し詳細を教えてください。1Qに大手顧客の従来モデル向けが好調だったのか、新型モデル向けが早く来ているのか、その他の顧客向けが増加しているのか、あるいは実需ではなく価格設定が異なるなど、何が当初想定と異なったのか、説明をお願いします。
- LEDバックライトの売上計画を期初の1,843億円から今回2,207億円に修正したということは、数量ベースでそれだけ増加すると考えて良いでしょうか。これは大きな変化ですが、顧客の数量要求が期初の見込みより強くなっているという意味でしょうか。
- 1Qは従来モデルではなく新型モデルが増えたということですか。
- 大手顧客のスマホの数量見通しは期初からそれほど変わっていないと思っています。御社の売上計画にこれほどの変化があったということは、シェアが想定以上に上がったか、当初計画が相当慎重だったかでない限り、起こり得ないと思いますが、どのような状況でしょうか。
- ミツミ事業の上半期の売上計画が154億円上方修正されていますが、ゲーム機器向け、カメラ用アクチュエータ向け、その他向けなど製品別の内訳はどうなっていますか。また、営業利益については売上増に対してかなり大きく46億円の増加となる計画ですが、同様に、どの製品が最も貢献する見込みなのか教えてください。
- カメラ用アクチュエータは、期初計画に対して売上面はそれほど大きな変化はないものの、利益面では良くなっていくという理解で良いですか。
- ミツミ事業の売上は1Qから2Qにかけて481億円から607億円に増加する計画ですが、仮にこれがゲーム機器向けを主要因とするなら、2Qの売上はもっと上がっても良い気がします。何かキャパシティの制約などがあるのでしょうか。
- 1Qから2Qにかけて会社全体の売上は約500億円増加する計画になっていますが、一方で営業利益は約32億円の増加に留まっています。利益率が1Qから2Qに低下するのは、何らかの特別な理由があるのでしょうか。それとも、2Q計画を保守的に見積もっているのでしょうか。特に、電子機器事業の利益率が2Qに下がる背景について、説明をお願いします。
- カメラ用アクチュエータの生産性改善の進捗状況について説明をお願いします。従来モデルよりも新型モデル向けで、さらに生産性の改善が進むと期待してよいのでしょうか。
- 経営統合から6カ月が経過して、どのようなことがすでに実行済みで、どのようなことがまだ課題として残っていると認識していますか。
- 1Qの実効税率が18.4%と低いですが、ミツミ事業の税率が低いために連結ベースでも実効税率が低いと考えてよいでしょうか。2Q以降、もしくは今期、来期の実効税率の見通しについて説明をお願いします。
- 具体的にどの程度の実効税率を見込めばよいか、ヒントを教えてください。
- 2Qの計画にタイバーツ高の影響を一部勘案したとのことですが、下半期以降に関しては期初計画から変更がないため、仮にタイバーツが現在の水準で推移した場合は、そのマイナス影響が少し出る可能性があるという理解でよいでしょうか。
- 為替感応度については、従来開示してきた内容から大きく変わっていないですか。
- ミツミ事業の1Qの営業利益について、前四半期比での事業別の増減益の要因を教えてください。カメラ用アクチュエータは、数量的には前四半期比で減少、ゲーム機器は増加と推察していますが、それ以外の製品の動きがよく分からないので、もう少し分解して説明をお願いします。
- 実効税率について、繰越欠損金による税効果はどの程度継続すると想定していますか。それなりに金額が大きいと思うので、所定の期間内に使い切れない部分が出てくるのではないかと推察しますが、何年程度、税率が低い状況が続くと想定しているのか、教えてください。
- 基本的には繰越欠損金は全て使い切ると考えてよいですか。
- LEDバックライトについて、足元は好調ということですが、年後半にかけて有機ELへのシフトがかなり進むと思います。上半期は上振れで推移するとしても、下半期で逆に下振れ要因として効いてくる可能性があるのでしょうか。当初計画時点でそのようなことは織り込んでいるかもしれませんが、下半期の計画においてマイナスに作用してしまうかどうかの見通しについて、教えてください。
- LEDバックライトについて、スライド16に「来期もスマホ向けの出荷を見込む」という記述がありますが、本年5月に発表した中期事業計画において、来期については大手顧客の有機ELへのシフトが相当進むという前提であったと思います。今回のこのような記述をした背景に、従来の見解から何らかの変化があったのでしょうか。一部では、来期も液晶モデルが残るかもしれないという話もありますが、そのようなことを意識しているのでしょうか。
- カメラ用アクチュエータにおいて、生産性改善や品質向上が進んできた結果、顧客からの評価に変化はありますか。例えばシェア割りが改善する可能性があるのかどうか、教えてください。
- 新型モデル向けのカメラ用アクチュエータの量産に関して、現時点で特に障害となるような問題は発生していないでしょうか。
- 1Qの電子機器事業は前四半期比で約100億円の減収にもかかわらず、営業利益は約12億円の増益となっていますが、製品ごとの変動について教えてください。
- 1QのLEDバックライトの収益性が改善した要因の一つに、新型モデル向けの生産が開始して在庫が増加し、固定費を吸収していったことも影響しているのでしょうか。
- ボールベアリングの1Qの用途別構成比と前年同期比での伸び率を教えてください。
- ボールベアリングの外販数量が大きく伸びていますが、クーリエ便による出荷など、通常よりもコストがかかっているのではないかと推察します。今後出荷数量の増加とともに生産能力も上げていくことで、もう一段階収益性が改善していくと期待して良いでしょうか。
- ミツミ事業の売上高は、1Qから2Qにかけて481億円から607億円へ126億円増加する計画ですが、製品別の内訳はどうなっていますか。
- それらのどちらが、影響度は大きいでしょうか。
- 大手顧客向けOISでは、期初の売上計画から大きな変化はないと理解して良いでしょうか。
- ゲーム機器向けのキャパシティに問題はないということですが、当初想定から大きく需要が増加していると推察します。具体的にどのような取り組みをした結果、問題がない状態になっているのか教えてください。
- ボールベアリングの1Qの生産数量と内販数量、およびピボットアッセンブリーの生産数量と販売数量を教えてください。
ご質問と回答
- 電子機器事業の上半期の売上計画を430億円上方修正していて、おそらく大部分がLEDバックライトと思いますが、もう少し詳細を教えてください。1Qに大手顧客の従来モデル向けが好調だったのか、新型モデル向けが早く来ているのか、その他の顧客向けが増加しているのか、あるいは実需ではなく価格設定が異なるなど、何が当初想定と異なったのか、説明をお願いします。
- 主に、大手顧客向けのLEDバックライトの受注が非常に好調であるということが、ほぼ全ての要因です。価格等については特別の変化はありません。
- LEDバックライトの売上計画を期初の1,843億円から今回2,207億円に修正したということは、数量ベースでそれだけ増加すると考えて良いでしょうか。これは大きな変化ですが、顧客の数量要求が期初の見込みより強くなっているという意味でしょうか。
- 競合メーカーにどの程度のオーダーがあるかは認識していませんが、全てにおいて非常に強い引き合いを頂いていて、その生産が順調に立ち上がっています。
- 1Qは従来モデルではなく新型モデルが増えたということですか。
- 新型モデル向けも一部含まれていますが、それは2Q以降に大きく含まれてくると見込んでいます。
- 大手顧客のスマホの数量見通しは期初からそれほど変わっていないと思っています。御社の売上計画にこれほどの変化があったということは、シェアが想定以上に上がったか、当初計画が相当慎重だったかでない限り、起こり得ないと思いますが、どのような状況でしょうか。
- 繰り返しとなりますが、競合メーカーの数量について弊社では認識していません。仮に全体の数量に大きな変化がないとしたら、シェアの上昇があるのではないかと推察します。
- ミツミ事業の上半期の売上計画が154億円上方修正されていますが、ゲーム機器向け、カメラ用アクチュエータ向け、その他向けなど製品別の内訳はどうなっていますか。また、営業利益については売上増に対してかなり大きく46億円の増加となる計画ですが、同様に、どの製品が最も貢献する見込みなのか教えてください。
- 売上は、期初計画対比で全般的に増加すると見込んでいますが、特にゲーム機器向けが大きな要因です。営業利益については、ご説明を控えさせていただきます。
- カメラ用アクチュエータは、期初計画に対して売上面はそれほど大きな変化はないものの、利益面では良くなっていくという理解で良いですか。
- 中華圏向けでの若干のスローダウンによるマイナス影響を考慮しています。
- ミツミ事業の売上は1Qから2Qにかけて481億円から607億円に増加する計画ですが、仮にこれがゲーム機器向けを主要因とするなら、2Qの売上はもっと上がっても良い気がします。何かキャパシティの制約などがあるのでしょうか。
- キャパシティの制約はありません。基本的に、お客様のご要求に応じてきちんと作っていくことができると考えています。ゲーム機器およびカメラ用アクチュエータは、2Qに大きな需要増を見込んでおり、その準備を着々と進めています。
- 1Qから2Qにかけて会社全体の売上は約500億円増加する計画になっていますが、一方で営業利益は約32億円の増加に留まっています。利益率が1Qから2Qに低下するのは、何らかの特別な理由があるのでしょうか。それとも、2Q計画を保守的に見積もっているのでしょうか。特に、電子機器事業の利益率が2Qに下がる背景について、説明をお願いします。
- 2Q以降の為替前提に変更はありませんが、当社の主要な生産拠点であるタイでバーツがドルに対して若干強含んでいることを、2Qに一部織り込みました。それ以外に特別な要因はありません。
- カメラ用アクチュエータの生産性改善の進捗状況について説明をお願いします。従来モデルよりも新型モデル向けで、さらに生産性の改善が進むと期待してよいのでしょうか。
- 本年5月の決算説明会でもご説明させていただきましたが、2016年8月の業務支援契約の締結以降、当社マネジメントをはじめ様々な人員がミツミ事業の収益改善に取り組んでまいりました。結果として、例えばカメラ用アクチュエータにおいては生産性が1年前と比べ3倍にまで改善しています。新型モデルについては、これまで積み上げてきたノウハウを活用することで、さらなる改善を進めていけるものと考えています。
- 経営統合から6カ月が経過して、どのようなことがすでに実行済みで、どのようなことがまだ課題として残っていると認識していますか。
- まず、比較的短期間で改善が見込めるような領域については、例えば資材の共通購買や物流の統合などによる原価低減については、かなりの進捗があります。一方で、ミツミとの経営統合により当社の製品ポートフォリオが非常に充実してきており、今後は両社の技術を融合した複合製品の開発と商品化が大きな目標となります。この領域については、実際に結果が出てくるまでそれなりに期間を要するものであり、鋭意努力をしているところです。
- 1Qの実効税率が18.4%と低いですが、ミツミ事業の税率が低いために連結ベースでも実効税率が低いと考えてよいでしょうか。2Q以降、もしくは今期、来期の実効税率の見通しについて説明をお願いします。
- 当社グループは、本年から国内においてミツミグループの子会社を含めた連結納税制度の導入を開始しました。ミツミ事業の累積損失による税効果を勘案して、今後の実効税率は従来と比べて低い範囲内で収まっていくと推定しています。
- 具体的にどの程度の実効税率を見込めばよいか、ヒントを教えてください。
- 今期は、おおよそ20%を少し超える水準で着地すると想定しています。
- 2Qの計画にタイバーツ高の影響を一部勘案したとのことですが、下半期以降に関しては期初計画から変更がないため、仮にタイバーツが現在の水準で推移した場合は、そのマイナス影響が少し出る可能性があるという理解でよいでしょうか。
- はい。
- 為替感応度については、従来開示してきた内容から大きく変わっていないですか。
- 先のご説明のとおり、1Qの営業利益は前四半期比で為替変動による影響がマイナス14億円ありました。当社では売上に占めるドルの割合が70%を超えている一方、コスト面では様々な通貨の変動による影響を受けるため、誤解を避けるために、USドル1円でいくらというような試算はしていません。そのような中から推察して頂ければと思います。
- ミツミ事業の1Qの営業利益について、前四半期比での事業別の増減益の要因を教えてください。カメラ用アクチュエータは、数量的には前四半期比で減少、ゲーム機器は増加と推察していますが、それ以外の製品の動きがよく分からないので、もう少し分解して説明をお願いします。
- ミツミ事業の個別事業の損益については細かな数字を開示しない方針です。1Qはミツミ事業全般で改善しており、特に光デバイス事業と機構部品以外の7本槍の事業において、非常に大きな改善がみられたということでご容赦いただきたいと思います。
- 実効税率について、繰越欠損金による税効果はどの程度継続すると想定していますか。それなりに金額が大きいと思うので、所定の期間内に使い切れない部分が出てくるのではないかと推察しますが、何年程度、税率が低い状況が続くと想定しているのか、教えてください。
- 税務上の繰越欠損金の繰越期間は9年間となっていますが、繰延税金資産の計上可能期間は5年となっています。
- 基本的には繰越欠損金は全て使い切ると考えてよいですか。
- 申し訳ございませんが、現時点では確かなことは申し上げられません。
- LEDバックライトについて、足元は好調ということですが、年後半にかけて有機ELへのシフトがかなり進むと思います。上半期は上振れで推移するとしても、下半期で逆に下振れ要因として効いてくる可能性があるのでしょうか。当初計画時点でそのようなことは織り込んでいるかもしれませんが、下半期の計画においてマイナスに作用してしまうかどうかの見通しについて、教えてください。
- 現時点で、下半期がどうなるかという十分な情報は得られていませんが、上半期の好調部分が下半期で大きく後退するということは現時点では想定していません。
- LEDバックライトについて、スライド16に「来期もスマホ向けの出荷を見込む」という記述がありますが、本年5月に発表した中期事業計画において、来期については大手顧客の有機ELへのシフトが相当進むという前提であったと思います。今回のこのような記述をした背景に、従来の見解から何らかの変化があったのでしょうか。一部では、来期も液晶モデルが残るかもしれないという話もありますが、そのようなことを意識しているのでしょうか。
- 大変申し訳ございませんが、現時点ではその点に関するコメントは差し控えさせていただきたく思います。
- カメラ用アクチュエータにおいて、生産性改善や品質向上が進んできた結果、顧客からの評価に変化はありますか。例えばシェア割りが改善する可能性があるのかどうか、教えてください。
- 本年5月の決算説明会で貝沼からご説明させていただきましたが、当社ではシェア獲得のために価格を引き下げる意図はなく、「グッド・セカンド・サプライヤー」としての立ち位置で、お客様からのご要求にきちんと応じていく方針です。この方針のもとで、納期や品質面でお客様に評価いただけた場合に、結果としてそのようなことが起きることがあるかもしれませんが、現時点では想定していません。
- 新型モデル向けのカメラ用アクチュエータの量産に関して、現時点で特に障害となるような問題は発生していないでしょうか。
- 大手顧客向けモデルについては、生産性が大きく改善したこともあり、現場の士気も高く順調に立ち上げ準備が進んでいます。特段の問題があるとは認識していません。
- 1Qの電子機器事業は前四半期比で約100億円の減収にもかかわらず、営業利益は約12億円の増益となっていますが、製品ごとの変動について教えてください。
- モーター事業については堅調に推移しています。逆算すると、LEDバックライトが大きく改善しているとご推察できると思いますが、これは製造現場の中で様々なノウハウが積み上がり、生産性が改善してきているということです。
- 1QのLEDバックライトの収益性が改善した要因の一つに、新型モデル向けの生産が開始して在庫が増加し、固定費を吸収していったことも影響しているのでしょうか。
- LEDバックライトの在庫は通常の範囲内で推移しており、何か積み上げているものではありません。純粋に生産性の改善が収益性の改善につながったとご理解ください。
- ボールベアリングの1Qの用途別構成比と前年同期比での伸び率を教えてください。
- 構成比は自動車が20%、航空・宇宙が32%、家電が4%、オフィスオートメーションが6%、PC周辺機器が3%、モーターが17%、その他が17%です。伸び率は、自動車が+11%、航空・宇宙が△5%、家電が+21%、OAが+12%、PC周辺機器が△17%、モーターが+11%、その他が+6%、全体で+5%です。
- ボールベアリングの外販数量が大きく伸びていますが、クーリエ便による出荷など、通常よりもコストがかかっているのではないかと推察します。今後出荷数量の増加とともに生産能力も上げていくことで、もう一段階収益性が改善していくと期待して良いでしょうか。
- 機械加工品事業の1Qの営業利益は104億円ですが、ボールベアリングについては収益性が大きく改善しています。一方、ロッドエンド・ファスナーにおいては、大型航空機の生産減および防衛関連の需要減を中心に、減収減益で利益率も低下しています。ボールベアリングの在庫は依然として低い水準ではありますが、生産数量は引きあがってきており、収益力はかなり向上してきているとご理解いただければと思います。
- ミツミ事業の売上高は、1Qから2Qにかけて481億円から607億円へ126億円増加する計画ですが、製品別の内訳はどうなっていますか。
- 1Qと2Qにかけては、OISを中心とする光デバイスが需要期を迎えることに加え、ゲーム機器の増産を予定していることが主要因です。
- それらのどちらが、影響度は大きいでしょうか。
- ゲーム機器のほうが大きいと想定しています。
- 大手顧客向けOISでは、期初の売上計画から大きな変化はないと理解して良いでしょうか。
- 光デバイス全体としてはプラスの方向ですが、中華系スマホで一部減速があることを考慮しています。
- ゲーム機器向けのキャパシティに問題はないということですが、当初想定から大きく需要が増加していると推察します。具体的にどのような取り組みをした結果、問題がない状態になっているのか教えてください。
- 数量は増加し、製品そのものも従来製品とは変わってきていますが、過去から培ったノウハウが製造現場に積み上がっていて、様々な工夫をしています。具体的なことは申し上げられませんが、今回の新製品に向けて、固有に必要な設備の増強は必要ですが、全体として特段の問題はないとご理解いただければと思います。
- ボールベアリングの1Qの生産数量と内販数量、およびピボットアッセンブリーの生産数量と販売数量を教えてください。
- ボールベアリングの生産数量と内販数量は、それぞれ4月が2億5,000万個と8,500万個、5月が2億6,700万個と8,800万個、6月が2億6,700万個と8,700万個です。ピボットアッセンブリーの生産数量と販売数量は、それぞれ4月が3,000万個と2,500万個、5月が3,000万個と2,900万個、6月が2,900万個と2,500万個です。