決算サマリー
更新日: 2016年8月5日
2017年3月期第1四半期(2016年4月1日~2016年6月30日)の概況
2017年3月期第1四半期の世界経済は、米国では、足取りは鈍いものの穏やかな景気拡大が続いており、新興国経済は、中国での不良債権問題や一部業種での過剰生産能力の問題などの構造問題は依然克服されていないものの、一時の最悪期を脱しつつあります。一方で、欧州、アジア及び中近東地域の情勢不安に起因する世界的な地政学リスクの高まりに加えて、6月下旬の英国国民投票でのEU離脱の結果を受けて、為替市場は大きく変動し、株価も大幅に下落いたしました。足許ではやや落ち着きをみせているものの、当面は消費マインドや企業収益の悪化などを通じて、景気は下振れしやすい状況にあります。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は1,202億8,800万円と前年同期比71億300万円(△5.6%)の減収となりました。営業利益は69億7,100万円と前年同期比55億4,100万円(△44.3%)の減益、経常利益は72億5,500万円と前年同期比56億1,700万円(△43.6%)の減益となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、タイ子会社での現地国税当局との訴訟結果を受け過年度分の法人税等20億4,300万円を計上したこと等により、31億7,600万円と前年同期比68億8,200万円(△68.4%)の減益となりました。
2017年3月期第1四半期(2016年4月1日~2016年6月30日)のセグメント別業績
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社の主力製品であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び自動車用と航空機用のねじです。主力製品であるボールベアリングは、全ての市場における需要が高まる中で販売数量は増加しましたが、円高により売上は微減となりました。なお、自動車向けでは、省エネ、安全装置用のニーズ拡大による需要増もあり引き続き好調に推移しています。ロッドエンドベアリングも堅調に推移しており、また、ピボットアッセンブリーも、HDD市場が縮小する中、ほぼ前年同期並みの販売数量を確保できましたが、それぞれ円高の影響もあり売上は微減となりました。
この結果、2017年3月期第1四半期の売上高は392億700万円と前年同期比17億6,700万円(△4.3%)の減収となりました。営業利益は104億100万円と原価低減が進み前年同期比4億4,500万円(4.5%)の増益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)、精密モーター及び特殊機器が主な製品です。液晶用バックライトは、世界的にスマートフォン市場が低迷する中、売上が大きく低下しました。センシングデバイスは、堅調に推移しました。HDD用スピンドルモーターは市場縮小の影響を受けましたが、売上は堅調に推移しました。他方、ステッピングモーターをはじめとする他のモーターでは、堅調に推移したものの、円高の影響を受け売上は微減となりました。
この結果、2017年3月期第1四半期の売上高は809億1,100万円と前年同期比54億円(△6.3%)の減収となりました。営業利益は4億3,200万円と前年同期比51億7,600百万円(△92.3%)の減益となりました。
その他事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品です。2017年3月期第1四半期の売上高は1億6,900円と前年同期比6,400万円(60.6%)の増収、営業損失は1,600万円と前年同期比2,500万円の改善となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等38億4,600万円を調整額として表示しています。前年同期の調整額は30億1,000万円でした。
2017年3月期第1四半期(2016年4月1日~2016年6月30日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な資産運用、設備投資の抑制及び有利子負債の削減等に取り組んでいます。
2017年3月期第1四半期における総資産は4,513億9,500万円となり、前期末に比べ80億3,200万円の減少となりました。負債は2,362億1,600万円となり前期末に比べ147億6,200万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の増加によります。純資産は2,151億7,800万円と前期末に比べ227億9,500万円減少し、自己資本比率は46.1%と前期末に比べ4.1ポイント減少しました。
キャッシュ・フローの状況
2017年3月期第1四半期における現金及び現金同等物の残高は340億1,300万円となり、前期末に比べ48億7,100万円の増加となりました。また、前年同期末比47億1,100万円の増加となりました。
2017年3月期第1四半期の各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動では、税金等調整前四半期純利益、売上債権及び仕入債務の増加、たな卸資産の減少並びに減価償却費等により178億9,900万円の収入となり、前年同期に比べ72億9,300万円の増加となりました。投資活動では、有価証券及び有形固定資産の取得等により199億9,700万円の支出となり、前年同期に比べ65億3,200万円の支出の増加となりました。また、財務活動では、短期借入金の借入及び配当金の支払等により92億5,000万円の収入となり、前年同期に比べ134億100万円の支出の減少となりました。
2016年8月2日に発表しました「2017年3月期第1四半期(2016年4月1日~2016年6月30日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。