質疑応答要旨
更新日: 2015年11月10日
2016年3月期 第2四半期決算説明会(2015年11月5日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- LEDバックライトの売上は、期初計画では2,520億円と前年比で約1,000億円の増収で、そのうち半分は新しい工程であるアッセンブリー部分による単価上昇、残りの半分は中国と韓国スマホメーカー向け出荷の増加だったと思いますが、今回売上計画を2,880億円に引き上げた内訳は単価要因なのか、シェア要因なのか、それともお客様の変化なのか、どのように変わったのか教えてください。
- 部品購入単価以外の部分の計画数値は引き上げたのですか、それとも引き下げたのですか?
- 少なくなった部分は納入シェアや価格要因ではなく、遅れた部分だけ予想から引いたのですか?
- 部品購入単価以外の部分は中国系スマホメーカーも含めて全体の見込みを下げたのですか?
- LEDバックライトの減価償却費が下がるとのことですが、来年の設備投資額と減価償却費のイメージはどうなっていますか?
- 全社ベースで、どの程度減価償却費が下がるのか教えてください。
- LEDバックライトの戦略について、設備投資が一巡して下がっていく局面というのは製品ライフサイクル的には真ん中より後半と考えるのが一般的と思います。その中でミネベアは量産力やコスト競争力などの力技で勝っていく一方で、LEDバックライトの技術変化や薄型化の製品が広がる余地などの面での競争力で売上を伸ばすのもあり得なくは無いと思います。これから何を重視して競争していくのですか?
- LEDバックライトで、今回なぜ一部モデルの立ち上げが遅れ、どのような形で解決したのですか?また、競争環境に影響はないということですが、10~12月期と1~3月期の巻き返しは本当に実現するのでしょうか?
- 相性を改善するために部品の修理が進んで、数量が出てくるようになっているのですか?
- LEDバックライトの立ち上げ遅れやNHBBでの品質問題など、上半期における一時的な損失のそれぞれの営業利益への影響額はどの程度ですか?
- 上半期から下半期にかけて電子機器の営業利益が約100億円の増益計画になっていますが、LEDバックライトを中心とした売上増に伴う限界利益の上乗せによるのですか?
- 9月の営業利益が70億円を超えたということですが、10~12月期と1~3月期の利益のバランスについて、10~12月期はLEDバックライトが本格化して200億円台前半、1~3月期は百数十億円で、下半期として386億円という組み立てですか?
- LEDバックライトで「相性が悪い」というとノイズの発生を想像しています。前倒して生産していた部分があると思いますが、その前倒しのすべての修正が終わって9月末の段階では出荷できる状態になっているのですか?それともまだ手直しをしなければならない状態なのですか?
- 自分の理解では、7月末頃まではミネベアのLEDバックライトだけが顧客から認定されていて、突然8月初旬になって競合他社の製品も入ってくるという話になり、さらに競合他社の出荷数量が増えてミネベアが遅れたという経緯だったと思います。その背景は、どちらかのモデルにおいて組み立てを始めたところ想定していなかった何らかの相性の問題が発生したため、バックアップとして競合他社の製品が入って来たというものです。しかし、ミネベアはこの問題をすでに解決して立ち上げてきたので、今は当初の予定通り高品質なミネベアの製品がどんどん入っているという理解で良いですか?
- 10~12月はシェアが上がると理解してよいのですか?
- 7~9月の調整額が前四半期比で減っていますが、下半期は56億円と増えているのはなぜですか?
- 9月、10月、11月のボールベアリングの内部販売数量とピボットアッセンブリーの販売数量を教えてください。
- ボールベアリングの9月の外部販売数量が1億6,300万個と記録的に高い水準ですが、特筆すべき用途や新しい用途はありますか?
- LEDバックライトの売上は9月、10月、11月とどのように伸びていくのでしょうか?
- LEDバックライトにおいて、今年は新しいアッセンブリー部分の為に特別な生産設備を用意したと思いますが、来年アッセンブリーが不要となるような事態が起きる可能性は、償却期間を短縮していることもあって、心配する必要はないのか、それともリスクとして考慮すべきなのでしょうか?
- ベアリングの7~9月期の用途別構成比と前年同期比の伸び率をください。
- 薄型LEDの共同開発とは、例えば射出成型を使わないなど、現状の製造方法を大きく変えるようなことでしょうか?
- 今期のLEDバックライトの出荷ピークはいつになりますか?
- 下半期には上半期にあったような一時的費用は無いのでしょうか?
ご質問と回答
- LEDバックライトの売上は、期初計画では2,520億円と前年比で約1,000億円の増収で、そのうち半分は新しい工程であるアッセンブリー部分による単価上昇、残りの半分は中国と韓国スマホメーカー向け出荷の増加だったと思いますが、今回売上計画を2,880億円に引き上げた内訳は単価要因なのか、シェア要因なのか、それともお客様の変化なのか、どのように変わったのか教えてください。
- 期初計画発表時は、アッセンブリー部分に関わる外部からの購入部品の単価が漠然としかわかっていませんでした。そのため、今回は実際の購入価格との違いを中心に売上見込みを修正しました。
- 部品購入単価以外の部分の計画数値は引き上げたのですか、それとも引き下げたのですか?
- 部品購入単価以外の部分は、特定機種で立ち上げが遅れたため、当初計画より少なくなっています。
- 少なくなった部分は納入シェアや価格要因ではなく、遅れた部分だけ予想から引いたのですか?
- 客先での納入シェアはわかりかねます。競合他社のことはなおさらですが、競合他社の売上から推測する限り、シェアが大きく変わったとは考えていません。
- 部品購入単価以外の部分は中国系スマホメーカーも含めて全体の見込みを下げたのですか?
- そうです。中国系スマホメーカー向けの需要は当初思ったほどではなく後ろ倒しになり、想定したほどの数量は出ていません。
- LEDバックライトの減価償却費が下がるとのことですが、来年の設備投資額と減価償却費のイメージはどうなっていますか?
- 現時点では来期は今までのような大きな設備投資は必要では無いと考えています。
- 全社ベースで、どの程度減価償却費が下がるのか教えてください。
- 来期の設備投資金額にもよりますが、少なくとも数十億円単位で下がる見込みです。
- LEDバックライトの戦略について、設備投資が一巡して下がっていく局面というのは製品ライフサイクル的には真ん中より後半と考えるのが一般的と思います。その中でミネベアは量産力やコスト競争力などの力技で勝っていく一方で、LEDバックライトの技術変化や薄型化の製品が広がる余地などの面での競争力で売上を伸ばすのもあり得なくは無いと思います。これから何を重視して競争していくのですか?
- イメージとして、来期、再来期のモデルはある程度力技勝負になると思います。これまでのミネベアの加速償却の強みを生かして強靭な体質で戦うのが最初のステージです。次のステージは、これまでもそうでしたが液晶と有機ELの戦いです。有機ELが優勢かと思えば液晶がまた浮上してきます。それは技術が伸びているからです。これからより高精細な4K画質のスマホをより薄く作るためにはLED素子だけでなくLEDバックライトも薄くしなければなりません。私は今の4K画質用LEDバックライトはまだまだ厚いと思っています。いままで培ってきた金型技術などを駆使して、最初からまた4K画質用LEDバックライトの薄型化に向けて取り組むことになります。このように、同じような技術的な挑戦が繰り返されます。技術に終わりはありません。
- LEDバックライトで、今回なぜ一部モデルの立ち上げが遅れ、どのような形で解決したのですか?また、競争環境に影響はないということですが、10~12月期と1~3月期の巻き返しは本当に実現するのでしょうか?
- なぜ遅れたかというと、部品の製造ではLEDバックライトに限らず、例えばベアリングやモーターでも「仕様は指示通りに作ったが、他の部品と組み合わせた時に相性が合わない」ということはありえます。今回、相性がピタッとは合いませんでしたが、合わせるための努力をして、今はその問題は全くありません。競争関係は正確にはわかりかねますが、お客様から頂いている内示数量は事業計画に沿った数字になっているため、お客様の最終製品は売れているのだろうと推測しています。
- 相性を改善するために部品の修理が進んで、数量が出てくるようになっているのですか?
- 修理ではありません。製造工程を変えるなどの対応をしています。
- LEDバックライトの立ち上げ遅れやNHBBでの品質問題など、上半期における一時的な損失のそれぞれの営業利益への影響額はどの程度ですか?
- 上半期の営業利益では、2Qを中心に当初の見込みと比べて機械加工品で約15億円、電子機器ではモーターと計測機器のプラスで一部相殺し約15億円のマイナス要因がありました。
- 上半期から下半期にかけて電子機器の営業利益が約100億円の増益計画になっていますが、LEDバックライトを中心とした売上増に伴う限界利益の上乗せによるのですか?
- 大きな要因はその通りです。さらにモーターの収益が向上することと、計測機器が想定以上に好調に推移していくと見ているためです。
- 9月の営業利益が70億円を超えたということですが、10~12月期と1~3月期の利益のバランスについて、10~12月期はLEDバックライトが本格化して200億円台前半、1~3月期は百数十億円で、下半期として386億円という組み立てですか?
- 10~12月期の営業利益は200億円を超える想定としています。
- LEDバックライトで「相性が悪い」というとノイズの発生を想像しています。前倒して生産していた部分があると思いますが、その前倒しのすべての修正が終わって9月末の段階では出荷できる状態になっているのですか?それともまだ手直しをしなければならない状態なのですか?
- 出荷を開始しています。手直しの費用は、今後はもう発生しません。
- 自分の理解では、7月末頃まではミネベアのLEDバックライトだけが顧客から認定されていて、突然8月初旬になって競合他社の製品も入ってくるという話になり、さらに競合他社の出荷数量が増えてミネベアが遅れたという経緯だったと思います。その背景は、どちらかのモデルにおいて組み立てを始めたところ想定していなかった何らかの相性の問題が発生したため、バックアップとして競合他社の製品が入って来たというものです。しかし、ミネベアはこの問題をすでに解決して立ち上げてきたので、今は当初の予定通り高品質なミネベアの製品がどんどん入っているという理解で良いですか?
- 他社のことはわかりかねますが、推測としては良い線かもしれません。
- 10~12月はシェアが上がると理解してよいのですか?
- 繰り返しになりますが、我々には競合他社がどれだけ出荷しているかは正確には分かりませんので、納入シェアはわかりかねます。昨年は競合他社がうまく作れなかったことが我々にもある程度わかっていましたが、今年の場合は競合他社は実際に生産しています。推測するだけです。
- 7~9月の調整額が前四半期比で減っていますが、下半期は56億円と増えているのはなぜですか?
- これは本社経費で細かい数字の積み重ねが多く、特筆すべき大きな要素はありませんが、一部の経費で見直しをして第2四半期に減らしたものはあります。
- 9月、10月、11月のボールベアリングの内部販売数量とピボットアッセンブリーの販売数量を教えてください。
- ボールベアリングの内部販売数量は、9月が6,900万個、10月が7,300万個、11月見込みは7,600万個となっています。ピボットアッセンブリーの販売数量は9月が3,000万個、10月が2,700万個、11月見込みが2,800万個となっています。
- ボールベアリングの9月の外部販売数量が1億6,300万個と記録的に高い水準ですが、特筆すべき用途や新しい用途はありますか?
- サーバー用ファン、ATM、自動車向けなどを中心に力強い需要が続いており、ドローン向けもほとんどミネベアのボールベアリングになっています。特定の新しい用途が出てきて伸びているわけではなく、満遍なく伸びています。
- LEDバックライトの売上は9月、10月、11月とどのように伸びていくのでしょうか?
- 9月が330億円、10月が365億円、11月は400億円を超えると見込んでいます。
- LEDバックライトにおいて、今年は新しいアッセンブリー部分の為に特別な生産設備を用意したと思いますが、来年アッセンブリーが不要となるような事態が起きる可能性は、償却期間を短縮していることもあって、心配する必要はないのか、それともリスクとして考慮すべきなのでしょうか?
- 今のところその可能性はほとんど無いと認識しています。新しい生産ラインをつくって今の生産ラインを全部捨てるようなことは想定していません。
- ベアリングの7~9月期の用途別構成比と前年同期比の伸び率をください。
- 用途別構成比は自動車18%、航空・宇宙33%、家電4%、OA6%、PC・周辺機器4%、モーター17%、その他19%となっています。前年同期比の伸び率は、自動車+20%、航空・宇宙+13%、家電+27%、OA+33%、PC・周辺機器+52%、モーター+16%、その他+13%です。
- 薄型LEDの共同開発とは、例えば射出成型を使わないなど、現状の製造方法を大きく変えるようなことでしょうか?
- これはLED素子を薄型でもっと強力なものにしていく必要があるということです。それに付随して、薄型LEDバックライトとして光学シートも組み込んで、3社でできるだけ薄型でより高精細な4K画質を実現できる製品を作っていく必要があるということです。今は未だ出来ていませんが、このようにして技術は常に有機ELと戦っています。どちらが勝つのかわかりませんが、我々としてはただ手をこまねいているのではなく、いつもやっているということです。
- 今期のLEDバックライトの出荷ピークはいつになりますか?
- 現時点の計画では11月がピークでなだらかに下っていきます。ただ、中国系スマホメーカー向けなどで後ろ倒しになっている部分もあります。
- 下半期には上半期にあったような一時的費用は無いのでしょうか?
- 想定していません。