質疑応答要旨
更新日: 2015年8月10日
2016年3月期 第1四半期決算説明電話会議(2015年7月31日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 今回の業績予想上方修正は、1Qの利益の上ぶれ分を上半期に乗せたとのことですが、電子機器の利益の上ぶれはどこからきているのですか?
- ボールベアリングの先行きに対して、今までは好調だった中、昨今はマクロ経済面でも自動車やエアコンでかなり生産調整が入っていると思いますが、7~9月以降はその影響をどのように見ていますか?
- ボールベアリングの生産面で、ピボットアッセンブリーの影響は気にしなくてよいですか?
- 2Qの機械加工品が差し引きで大きく増益になる修正計画になっていますが、1Qの営業利益100億円に対して2Qの113億円は狙えるのでしょうか?
- LEDバックライトの4~6月と7~9月の売上実績と計画、また損益面でうまくいっているのか、歩留まりを含めた状況のアップデートをください。
- 新モデルの立ち上げによる収益性の見通しは見えてきているのですか?
- 電子機器の営業利益は5億円くらい数字が上ぶれていますが、期初の予想を2Q以降は据え置いているのですか?
- 電子機器のLEDバックライトの4~6月の売上計画が350億円だったと思いますが、大手顧客向け新製品の立ち上げのなか、350億円に届いたのかどうか教えてください。
- 期初計画では、アッセンブリー部分の売上を500億円としていましたが、今はどう変わりましたか。また、台湾の競合会社がなかなか生産を立ち上げられず、しばらくはミネベアがほぼ100%供給という状態になりつつあると聞きましたが、シェアの前提が変わっているのではないですか?
- 2QのLEDバックライトの売上は3倍とまでは行かないまでも、仮に900億円として、どのくらいがアッセンブリー部分による売上ですか。または数量的に4~6月に対してどのくらい増えるのですか?
- 数量的には7~9月はどのくらい増える前提になっていますか?
- 収益が充分に出るという考えに近付いているのですか?
- ボールベアリングの外部販売数量のイメージとして7~9月、10~12月にどのくらいの水準を意識していますか?
- 需要が堅調な背景は、引き続き自動車の電装化の進展でアクチュエーターが増えていることや小型ボールベアリングの採用率が上がっていることなどで、一般的な外部環境とは違う強さになっている、ということに変わりはありませんか?
- 一般には自動車の生産は足踏み感、息切れ感があるように思っていますが、ミネベアではそうではないのですか?
- LEDバックライトの中国のお客様の足元の動きと、2Q以降の方向感について教えてください。
- ミネベアとしてはシェアを上げる努力をしていると思いますが、結果的にそうなっているのですか?
- 今年の売上増は、中国顧客は数量を伸ばして、北米顧客は新しいアッセンブリー部分で伸ばすという計画だったと思います。しかし、中国顧客が下ぶれて北米顧客はシェアアップが狙えて上ぶれとのことですので、通期では従来並みか、それとも北米分を上乗せできるのですか?
- 中国系スマホメーカー向けが10月から上がってくることの確度はどうですか?
- 1Qのベアリングの用途別売上高構成比率と伸び率を教えてください。
- PCが伸びているのはなぜですか?
- LEDバックライトの1Qの月次の売上を教えてください。
- これが7月以降、月次で上がっていくのですか?
- 中国スマホメーカー向けで、大手2社の秋モデルでかなりの受注を取ったと聞きましたが、これが10月から上がってくる背景の一つと考えてよいのですか?
- ハウジングフレームは社内で作る部品があるので利益が見込める、との話がありましたが、当初は売上は増えてもこの部分の利益は見込めないと言っていたと思いますが?
- 部品というのは、ハウジングフレームに使われる部品のことですか?
- 生産能力的には問題ないのですか?
- 期初には、減価償却費は今期がピークで来期以降は減っていくとのご説明だったと思いますが、減価償却費は今期がピークになる、というのは変わりませんか?
- ボールベアリングでは、内販が減少しているので、生産能力増強は様子を見ながらゆっくり検討するのですか?
- ピボットアッセンブリーの弱さが続くということですが、月次でどのように推移したのですか。ボールベアリングの内販も含めて教えてください。
- 純利益は営業利益よりも大きく上方修正していますが、どうしてですか?
- LEDバックライトの4~6月の売上が当初計画を下回ったこと、主に6月の計画値150億円から下ぶれしたのは、大手顧客の立ち上げが遅れたのが主因ですか、中国顧客向けの下ぶれですか?
- LEDバックライトの部品で利益が取れると言うのは、「LEDバックライトの既存事業による伸びが500億円、新しいアッセンブリー部分が500億円で、新しいアッセンブリー部分にはマージンが無い」という期初の見込みから、このアッセンブリー部分でもマージンが見込めるようになってきたということですか?
- 実効税率の低さは、2Q以降も1Q並みに続きますか?
- 為替の影響は1Qから2Qにかけてどのくらいのインパクトがありうるのですか?
ご質問と回答
- 今回の業績予想上方修正は、1Qの利益の上ぶれ分を上半期に乗せたとのことですが、電子機器の利益の上ぶれはどこからきているのですか?
- 電子機器は上ぶれと言っても、少々もの足りなかった感じがあります。その理由の一つはHDDスピンドルモーターで、売上利益とも減少しました。その分はLEDバックライトの利益が思ったほど落ち込まず、電子機器はそれなりの数字が出ましたが、本来ならばもう少し出せたと思っています。
- ボールベアリングの先行きに対して、今までは好調だった中、昨今はマクロ経済面でも自動車やエアコンでかなり生産調整が入っていると思いますが、7~9月以降はその影響をどのように見ていますか?
- ボールベアリングは、自動車やエアコンの先行きの話がありましたが、エアコンは季節性からピークアウトしています。自動車はお客様からの受注は欧州、中国、アメリカとも非常に好調としか言いようがありません。今のところ大きく崩れてくる要因はボールベアリングの販売では見えていません。2Qは欧米の夏休みの影響があると思いますが、7~9月も好調に推移すると見込んでいます。
- ボールベアリングの生産面で、ピボットアッセンブリーの影響は気にしなくてよいですか?
- 影響はあります。ピボットアッセンブリーの生産と販売が落ちているので、ボールベアリングの内販が落ちて、生産数量は少し下降気味です。その分だけ、残念ながら製造原価が上がりますが、一方でタイバーツが安く推移していて、ドルベースでの売上が増えていますので、為替で十分カバーできると思います。
- 2Qの機械加工品が差し引きで大きく増益になる修正計画になっていますが、1Qの営業利益100億円に対して2Qの113億円は狙えるのでしょうか?
- 内心では少し落ちるかと思いますが、その分は電子機器で十分カバーできると考えています。
- LEDバックライトの4~6月と7~9月の売上実績と計画、また損益面でうまくいっているのか、歩留まりを含めた状況のアップデートをください。
- 基本的には順調に来ています。ただし、中国系メーカーのスマホが減産しているのは事実です。一方、大手スマホメーカーは非常に好調で、これからというところです。大手スマホメーカーの新モデル向け製品は、ミネベアの生産ラインは完全に整備が終わり、これからは7、8、9月と月を追うごとに大幅な販売の増加が見込まれます。
- 新モデルの立ち上げによる収益性の見通しは見えてきているのですか?
- ほぼ見えてきました。なかなか歩留まりが上がらず苦労しましたが、6月後半からようやく大手客先向けLEDバックライトの歩留まりの改善が日を追うごとに進んできました。
- 電子機器の営業利益は5億円くらい数字が上ぶれていますが、期初の予想を2Q以降は据え置いているのですか?
- だいぶ上ぶれるとは思います。1QはHDDスピンドルモーターが減速した分を、買収したザルトリウスMT&Hの効果もあった計測機器と、LEDバックライトが好調で、十分にカバーしました。
- 電子機器のLEDバックライトの4~6月の売上計画が350億円だったと思いますが、大手顧客向け新製品の立ち上げのなか、350億円に届いたのかどうか教えてください。
- 1Qの売上は想像していたより少なく、310億円くらいでした。大手スマホメーカーの新モデル向け製品の生産立ち上げのスタートが遅れたためですが、逆に2Qは7月以降すごい勢いで伸びて行きます。3倍とは言わないまでも、非常に大きな伸びを見せると思います。
- 期初計画では、アッセンブリー部分の売上を500億円としていましたが、今はどう変わりましたか。また、台湾の競合会社がなかなか生産を立ち上げられず、しばらくはミネベアがほぼ100%供給という状態になりつつあると聞きましたが、シェアの前提が変わっているのではないですか?
- シェアは私どもに全て分かるわけではありません。ただし、お客さまからの要求数量は大きいため、それに合わせるために関係者は月月火水木金金という状態でがんばっています。それがそのまま7~9月の売上に反映していきます。アッセンブリー部分の上乗せによる500億円は、それなりに高い数字になると思います。アッセンブリー部分の部品の一部は我々でも作っていて、そこで利益も見込めるようになってきました。当初と考えが変わってきて、従来のLEDバックライト製品の利益と新しいアッセンブリー部分の利益と両方で計算できると考えています。
- 2QのLEDバックライトの売上は3倍とまでは行かないまでも、仮に900億円として、どのくらいがアッセンブリー部分による売上ですか。または数量的に4~6月に対してどのくらい増えるのですか?
- 900億円まではとても行きません。私どもはハウジングフレームと呼んでいますが、どれくらいになるかは申し上げられません。
- 数量的には7~9月はどのくらい増える前提になっていますか?
- 6月をベースとすると、7月は+70%、8月は+100%、9月は+200%というイメージです。
- 収益が充分に出るという考えに近付いているのですか?
- 非常に難易度の高い製品のため、あれだけ関係者が努力しているにも拘らず、まだ目標にしている歩留まりまでは届いていません。しかし、反対に難しければ難しいほど、競争上はそれだけミネベアには有利だと思っています。
- ボールベアリングの外部販売数量のイメージとして7~9月、10~12月にどのくらいの水準を意識していますか?
- 外販数量は、4月は1億5,000万個、5月は1億5,100万個で、6月には1億6,000万個と過去最高を更新しました。7月は1億5,300万から1億5,400万個、8月は1億4,500万個、9月は1億5,500万から1億6,000万個程度と見ています。それ以降は期初計画ベースの数字しかなく、確度が高いのは9月までです。
- 需要が堅調な背景は、引き続き自動車の電装化の進展でアクチュエーターが増えていることや小型ボールベアリングの採用率が上がっていることなどで、一般的な外部環境とは違う強さになっている、ということに変わりはありませんか?
- 今までたくさん売れていたのは、OA機器などのファンモーター向けでしたが、この2カ月ほどは自動車向けが増えて売上金額としては一番大きくなって来ています。欧州、アメリカや中国をはじめとするアジアでの自動車向けの売上は非常に堅調です。
- 一般には自動車の生産は足踏み感、息切れ感があるように思っていますが、ミネベアではそうではないのですか?
- 少なくとも欧米では自動車向けボールベアリングは非常に好調です。
- LEDバックライトの中国のお客様の足元の動きと、2Q以降の方向感について教えてください。
- 中国系スマホメーカー向けの売上は減っています。4~6月の段階で、1~3月対比で落ちています。7~9月も同じような状況が続くと思います。営業からの最新の見込みでは、10月くらいから上がってきて、11、12月で伸びていくと聞いています。
- ミネベアとしてはシェアを上げる努力をしていると思いますが、結果的にそうなっているのですか?
- そうです。しかし、私どもにとってはありがたいと言えばやせ我慢に聞こえるかもしれませんが、大手顧客向けが大忙しで、生産ラインの整備から従業員の手配まで大変な状態が続いていて、中国メーカー向けがもっと増えると対応しきれません。他のお客様向けが増えることは、会社全体としてはありがたいですが、今の程度がいいバランスではないかと思っています。
- 今年の売上増は、中国顧客は数量を伸ばして、北米顧客は新しいアッセンブリー部分で伸ばすという計画だったと思います。しかし、中国顧客が下ぶれて北米顧客はシェアアップが狙えて上ぶれとのことですので、通期では従来並みか、それとも北米分を上乗せできるのですか?
- 北米のお客様には季節性があり、中国のお客様にもあります。同じピークで来ると作りきれませんが、例年は欧米のクリスマスシーズンと中国の旧正月のピークが1~2カ月ずれます。ピークが若干ずれるのはミネベアにとってはありがたいことで、今回もそうなると通期としてはバランスの取れた収益が出せると思います。
- 中国系スマホメーカー向けが10月から上がってくることの確度はどうですか?
- わかりません。お客様との交渉の中での話で、お客様の最終商品への需要がどうなっていくのかはまだはっきりとは見えていません。
- 1Qのベアリングの用途別売上高構成比率と伸び率を教えてください。
- 構成比は自動車が18%、航空宇宙が33%、家電が4%、OAが7%、PCが4%、モーターが17%、その他が18%です。伸び率は前年同期比で自動車が+22%、航空宇宙が+18%、家電が+20%、OAが+36%、PCが+35%、モーターが+16%、その他が+14%です。前四半期比では自動車が-2%、航空宇宙が-6%、家電が+16%、OAが+19%、PCが+25%、モーターが-7%、その他+13%です。
- PCが伸びているのはなぜですか?
- 比率が4%と、数量がもともと小さいため、正確には分かりません。
- LEDバックライトの1Qの月次の売上を教えてください。
- 4月が100億円、5月が99億円、6月が110億円でした。
- これが7月以降、月次で上がっていくのですか?
- はい。
- 中国スマホメーカー向けで、大手2社の秋モデルでかなりの受注を取ったと聞きましたが、これが10月から上がってくる背景の一つと考えてよいのですか?
- おそらく秋モデルとは思いますが、まだ秋モデルかどうかははっきりしていません。我々としては北米向けが下がり気味、あるいは安定した時点で増えてくれればありがたいと考えています。
- ハウジングフレームは社内で作る部品があるので利益が見込める、との話がありましたが、当初は売上は増えてもこの部分の利益は見込めないと言っていたと思いますが?
- その部品そのものでは利益は出ないと思っています。しかし、部品の生産というのは、それだけを作っているのではありませんので、生産数量がものすごく上がれば、固定費が下がり、それ以外の部品で利益が増えます。
- 部品というのは、ハウジングフレームに使われる部品のことですか?
- そうです。基本的には射出成型の部品です。
- 生産能力的には問題ないのですか?
- 7月末現在、生産能力は全く問題ありません。
- 期初には、減価償却費は今期がピークで来期以降は減っていくとのご説明だったと思いますが、減価償却費は今期がピークになる、というのは変わりませんか?
- 事業部では、来年は生産がもっと増えると言っており、今期もまたある程度設備投資の追加が必要になるかもしれません。今期はタイのバンワで大きな工場を作り、そこでの設備投資を大掛かりに行いました。減価償却費は今期は相当大きくなる見込みです。
- ボールベアリングでは、内販が減少しているので、生産能力増強は様子を見ながらゆっくり検討するのですか?
- ボールベアリングは外販は好調ですが、ピボットアッセンブリー向けの内販が落ちているので、全体の数量としては伸びていません。その意味では内部での効率整備をもう一度やり直すことになります。
- ピボットアッセンブリーの弱さが続くということですが、月次でどのように推移したのですか。ボールベアリングの内販も含めて教えてください。
- 1Qのピボットアッセンブリーの販売数量は、4月は2,700万個、5月も2,700万個、6月は2,300万個で、6月の調整が非常に大きく、1Qの月平均は2,500万個でした。2Qは7月には2,600万個、8月は2,800万個、9月は2,700万個で、月平均は2,700万個と1Qより100万個増えていくため、ピボットアッセンブリーだけに関しては2Qのほうが損益的に回復すると思います。ボールベアリングの1Qの内販は、4月は8,100万個、5月は7,800万個、6月は6,700万個、月平均で7,500万個でした。2Qの見込みは7月、8月、9月とも7,000万個になっています。ピボットアッセンブリーは生産数量を販売数量よりも落としていますが、思っていたよりも2Qは数量ベースで改善してくるとみています。ここで調整が終われば、10月以降、内販の数は増やしていけると思っています。
- 純利益は営業利益よりも大きく上方修正していますが、どうしてですか?
- 1Qは実効税率が良くなり、思っていたよりも純利益が出ました。純利益が18億円程度増えたため、その上ぶれ分を反映して通期予想を480億円から500億円にしました。
- LEDバックライトの4~6月の売上が当初計画を下回ったこと、主に6月の計画値150億円から下ぶれしたのは、大手顧客の立ち上げが遅れたのが主因ですか、中国顧客向けの下ぶれですか?
- 両方あります。大手のお客様に対する遅れとは、私どもでの理由もありますが、他の部品サプライヤーでの理由もあります。
- LEDバックライトの部品で利益が取れると言うのは、「LEDバックライトの既存事業による伸びが500億円、新しいアッセンブリー部分が500億円で、新しいアッセンブリー部分にはマージンが無い」という期初の見込みから、このアッセンブリー部分でもマージンが見込めるようになってきたということですか?
- 部品を作るので、稼働率が大幅に上がってきます。稼働率が上がれば全体の単位当たり固定費が下がり、他の部品生産もコストが下がるので、当初見込んでいたよりも利益が増える可能性があるということです。新しいアッセンブリー部分の500億円の部分にもその効果があるということです。
- 実効税率の低さは、2Q以降も1Q並みに続きますか?
- 1Qは営業利益よりも経常利益が良く、税引き前利益も良くなりました。実効税率は当初25%くらいを見ていましたが、それよりも若干良く22.3%でした。2Q以降も約25%で計画しており、実効税率の改善が進めば当期純利益には有利に働くと見込まれます。
- 為替の影響は1Qから2Qにかけてどのくらいのインパクトがありうるのですか?
- 2Qの為替の影響がどれくらいあるかははっきりとは計算していません。ただ、今の為替の状況を見れば、マイナスには絶対にならずプラスの効果が見込まれます。