質疑応答要旨
更新日: 2014年2月18日
2014年3月期 第3四半期決算説明会(2014年2月4日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- ボールベアリングの外販数量を、10-12月の月毎の推移と1-3月の見通しについて教えてください。御社から見て更なる景気回復の兆しが見えているのか感触はどうですか?
- LEDバックライトの収益性は季節性がかなり大きく出ていますが、1-3月に下がるとして、回復するのには7-9月まで待たなくてはならないですか?来期に向かって1-3月、4-6月と、どのように改善方向に向かっていくのですか?
- LEDバックライトの売上増加はシェア拡大によるものですか、それとも需要が強いのですか?
- 電子機器セグメントは2Qから3Qにかけて売上高で15億円、営業利益で8億円改善しています。先ほどモーターで収益改善したとのコメントがありましたが、そのほかの主要サブセグメントの収益状況を教えて下さい。また修正計画で電子機器セグメントの4Qの予想が売上高の減少に対して、利益の減少がかなり大きくなっているのは、多少保守的な要素が大きいのですか?減るとしたらどういうところが減るのでしょうか?
- ボールベアリングの3Q用途別売上高構成比率、来期の需要の見方、御社の取り組みについて教えて下さい。
- 来期にむけて4,000億円の売上が視野に入ってきたと説明されている中で、今期修正後売上予想と比べて300億円の売上の積み増しになりますが、営業利益率についての考え方はどうですか?
- グループ従業員数は3Q末に前四半期比1,000人ほど減っており、カンボジアが半数を占めています。こういった従業員数減少の背景と、今後の売上拡大に対する人員の考え方を教えて下さい。
- LEDバックライトの売上が12月に思ったほど下がらず、1月が好調だったとのことですが、それは大手顧客への売上が予想より落ちなかったためですか、それとも顧客層の広がりによるものですか、教えて下さい。
- 機械加工品セグメントは3Qから4Qへ向けて売上は増加し利益は横ばいの予想となっていますが?
- ボールベアリングの例年の季節性を教えてください。過去に遡ると1-3月は10-12月に対して通常どうでしょうか?今回は季節はずれの強さなのか、それとも10-12月に対して1-3月は常に強いのでしょうか?
- 1-3月の特長で欧州が強いなど地域的な特長はありますか?
- LEDバックライトで4-6月から新しいモデルが立ち上がってくる際に、今のモデルから何か変化があるのですか、そして顧客層の拡大では大手二社以外の拡大の寄与が結構あるのですか、教えて下さい。
- 新しい顧客で一番活発なのは中国メーカーなのでしょうか?その製品は大手2社と比べて違うところがあるのでしょうか?ちょっと厚かったりするのですか?
- モーターの収益が3Qに上振れたということですが、具体的にどこが良かったのでしょうか?また社長が来年度を考えた時に、改善の伸びしろがあり自信が有るところ、そしてまだ対策が必要なところがあれば教えて下さい。
- LEDバックライト売上は来期最低800億円から1,000億円と言われましたが、カンボジア工場増設で1,000億円の売上に対して十分なのでしょうか?
ご質問と回答
- ボールベアリングの外販数量を、10-12月の月毎の推移と1-3月の見通しについて教えてください。御社から見て更なる景気回復の兆しが見えているのか感触はどうですか?
- ボールベアリングの販売数量は、10月外販が1億3,700万個、内販が8,600万個、合計販売数量2億2,300万個、11月は外販が1億3,800万個、内販が8,500万個、合計販売数量2億2,300万個、12月は外販が1億3,300万個、内販が8,200万個、合計販売数量2億1,500万個です。12月は欧米の数量がクリスマス休暇で減少しましたが、アジアでその分をカバーしました。1-3月の予想はまた足元で上昇してきています。当初、1月は外販1億3,800万個、内販8,600万個と見ていました。旧正月の関係で香港がまだ完全には集計出来ていませんが、今のところ1月は外販1億4,000万個、内販8,800万個、合計2億2,800万個となるかと思います。2月の予想は外販1億3,300万個、内販8,600万個、合計2億1,900万個、3月は、外販1億4,300万個と過去最高を更新し、内販8,600万個、合計2億2,900万個と予想しています。
私どもはベアリングを一番の景気指標として見ています。1月も予想に反して受注が1億4,000万個を超えており、1-3月は思ったより需要が強い印象です。色々な要素があるでしょうが、一つは客先で日本の消費税増税前の駆け込み需要に対応して生産を増やしているということもあるでしょう。一方で欧州では自動車関係が絶好調で過去最高の受注でした。現在が世界景気回復の過程にあることは、少なくともデータから見ると間違いないでしょう。
- LEDバックライトの収益性は季節性がかなり大きく出ていますが、1-3月に下がるとして、回復するのには7-9月まで待たなくてはならないですか?来期に向かって1-3月、4-6月と、どのように改善方向に向かっていくのですか?
- LEDバックライトも思ったより強い受注です。もちろん1-3月は季節性で売上が落ちるでしょうが、当初の想定を上回っていけると思います。4-6月は新機種向けの出荷が始まるので、今年は間違いなく顧客への納入は拡大していくでしょう。
全社ベースでは1月の月間売上はかなりの数値になる模様で、今期の全社営業利益300億円は確実に達成できるでしょう。総合的に見て今のところ世界景気は底堅いのではないでしょうか。
- LEDバックライトの売上増加はシェア拡大によるものですか、それとも需要が強いのですか?
- その両方です。シェアも拡大しているし、需要も薄型高級スマホ向けはかなりの強さがあります。今、設備投資しているカンボジア工場は第2工場の3分の2程度をLEDバックライトに当てようと計画していましたが、これだけでは間に合わず、第2棟全部をLEDバックライト向けにしないと需要に追いつけない状況です。
- 電子機器セグメントは2Qから3Qにかけて売上高で15億円、営業利益で8億円改善しています。先ほどモーターで収益改善したとのコメントがありましたが、そのほかの主要サブセグメントの収益状況を教えて下さい。また修正計画で電子機器セグメントの4Qの予想が売上高の減少に対して、利益の減少がかなり大きくなっているのは、多少保守的な要素が大きいのですか?減るとしたらどういうところが減るのでしょうか?
- 電子機器セグメントは2Qから3Qにかけて8億円の増益となっていますが、モーターとそれ以外のライティングデバイス等の部分はほぼ同じくらいの増益と考えてください。4Qの悪化は主にLEDバックライト関連が大幅に減収となるためです。ただし昨年と違い、エレクトロデバイスの売上の落ち方は2割減程度にとどまると見ています。モーターも売上は減少するでしょう。加えて、モーターの残材処理の影響を売上原価で3億円くらい見込んでいます。
- ボールベアリングの3Q用途別売上高構成比率、来期の需要の見方、御社の取り組みについて教えて下さい。
- 10-12月期のベアリング用途別売上高構成比率は自動車向け17%、航空機27%、家電4%、OA機器7%、PC周辺機器4%、モーター15%、その他25%です。((2014年2月18日)10-12月期のベアリング用途別売上高構成比率が違っておりましたので、下記の通り修正しました。自動車向け13% → 17%、航空機22% → 27%、家電3% → 4%、OA機器5% → 7%、PC周辺機器28% → 4%、モーター11% → 15%、その他18% → 25%。)
ベアリングが非常に好調に推移しており、来期も市場環境が大きく変わらなければ順調に行くと思います。ミネベアは2011年、ベアリングの新しい工場をタイに作りました。そこにまだオープンスペースがあり、月産2,000万個ほどの生産設備を設置できるため、少なくとも来期はそれで増産対応できると考えています。
かつてタイで洪水が起きた時にピボットを増産する必要が高まりました。しかし想定通りには需要が続かず、自社製機械の組立をとりやめ、一旦倉庫保管とした経緯があります。今はそれをまた組み立て、据付を始めました。それほど現在は需要が強いのです。景気も良いのですが、高級品向けのベアリングの需要が増える傾向も見られます。欧州での好調の主体は車です。高級車が売れればもっとベアリングが入ります。中国でもより高級な車が売れると、より精密な部品が必要となり、当社のベアリングが入ってくるでしょう。ベアリング需要は世の中が豊かになると正比例して増えるというのは私の持論ですが、それをまさに証明しているのではないかと考えています。
- 来期にむけて4,000億円の売上が視野に入ってきたと説明されている中で、今期修正後売上予想と比べて300億円の売上の積み増しになりますが、営業利益率についての考え方はどうですか?
- 来期の売上高計画については、3月に事業計画を最終決定します。為替、景気動向など外部要因が今と大きく変わらないのであれば、昨年11月にお話した4,000億円が視野に入ってきているという考えは変わりません。営業利益率については社長就任時に目標とした10%を、四半期ベースでは今回達成できました。ローラーコースターのような景気変動がなく、コンスタントに売上数量が上がっていく状況では当然10%を目指したいと思います。簡単には達成できませんが、そういう目線を持ちながら、その時のあらゆる状況を勘案して3月に事業計画を作り、皆さんに5月には発表したいと考えています。
- グループ従業員数は3Q末に前四半期比1,000人ほど減っており、カンボジアが半数を占めています。こういった従業員数減少の背景と、今後の売上拡大に対する人員の考え方を教えて下さい。
- 従業員については、1月から3月は季節的に売上が落ちる時期であり、人員も余剰気味となります。給与水準が低い地域では流動性が高くなる傾向がありますが、当社としては自然減に対して補充しないという形で、季節性に対応しています。
- LEDバックライトの売上が12月に思ったほど下がらず、1月が好調だったとのことですが、それは大手顧客への売上が予想より落ちなかったためですか、それとも顧客層の広がりによるものですか、教えて下さい。
- LEDバックライトの売上が12月にほとんど下がらなかった理由は大手顧客の好調と、顧客層が広がったことの両方です。1月はさすがに下がっており、2月も下がる見込みです。これは新しい機種への切り替えで生産調整、在庫調整の影響があるためです。例年は5割くらい下がりますが、今年は2割くらいの減少で済みそうです。3月頃からは上っていくでしょう。通常は5月から本格的に立ち上がりますが、一ヶ月くらい早くなれば非常にありがたいと思います。
- 機械加工品セグメントは3Qから4Qへ向けて売上は増加し利益は横ばいの予想となっていますが?
- 機械加工品の営業利益予想は先ほど述べた直近の見込数量よりも、もっと前の段階の計画数量に基づいていますので、当然売上が予想よりも増えれば利益も増えていきます。
- ボールベアリングの例年の季節性を教えてください。過去に遡ると1-3月は10-12月に対して通常どうでしょうか?今回は季節はずれの強さなのか、それとも10-12月に対して1-3月は常に強いのでしょうか?
- 3月は期末ということもあり売上は増えますが、1月、2月は若干売上が落ちます。季節性からいうと2Q、3Qが一番好調で、4Qは少し落ちるのが例年の流れです。ただ前期は2Q、3Qがあまりにも悪かったため、4Qは回復基調でずっと上がってきました。そのまま一段、二段と水準が上がっているというのが現状です。
- 1-3月の特長で欧州が強いなど地域的な特長はありますか?
- 今、欧州の需要は、特に自動車向けを中心にして非常に強いと感じます。12月のクリスマス休暇の反動で1月は増えている感じがします。ですから1月だけ見るとアメリカも欧州も強いのですが、2月もそれほど下がる見込みではないですし、3月もさらに増える予想ですので全体的な景況は底堅く推移していると思います。
一つの理屈で全体は説明しきれないですね。季節性の中にも色々な要素がありますが、当社もシェアを上げようと拡販努力している面もあり、それがヨーロッパで顕著に現れているようで、複合的に考えざるを得ないと思います。
- LEDバックライトで4-6月から新しいモデルが立ち上がってくる際に、今のモデルから何か変化があるのですか、そして顧客層の拡大では大手二社以外の拡大の寄与が結構あるのですか、教えて下さい。
- ずいぶん前から申し上げているように顧客層はかなり拡大しています。中国メーカーの薄型高級スマホにはほぼすべて当社の製品が入っていると言ってよいのではないかと思います。導光板を薄く、しかも精密に大量に作れるというのはまさに競争力です。そこは我々が今のところは勝ち続けており、拡販ができています。4月から6月については色々な理由がありますが、多くのお客様では4月から6月に新モデルが立ち上がるので、変化を伴うのは一般的だと思います。
- 新しい顧客で一番活発なのは中国メーカーなのでしょうか?その製品は大手2社と比べて違うところがあるのでしょうか?ちょっと厚かったりするのですか?
- 客先情報の詳細は申し上げられませんが、薄型高級スマホには当社の薄い導光板が必要だということです。あとはお客様の動きを見ていただければよいのではないでしょうか。
- モーターの収益が3Qに上振れたということですが、具体的にどこが良かったのでしょうか?また社長が来年度を考えた時に、改善の伸びしろがあり自信が有るところ、そしてまだ対策が必要なところがあれば教えて下さい。
- 2Qから3Qへ向けてモーターの損益改善で最も大きく改善したのは、ファンモーター、ステッピングモーターを含む情報モーターと、海外モーター部門と呼んでいるヨーロッパで作っている自動車向けモーターなどが2Q後半より黒字転換し、利益が増加しているのが大きいと思います。
来期まだまだだなという部門は特にありません。外部環境が同じだという前提の下ですが、ある程度デコボコはあっても来期も改善していくと思います。
- LEDバックライト売上は来期最低800億円から1,000億円と言われましたが、カンボジア工場増設で1,000億円の売上に対して十分なのでしょうか?
- LEDバックライトの来期売上高計画の公式見解は800億円で、今日現在変えるつもりは有りません。3月期末が終わって5月の決算発表時に来年度計画を発表しますが、現在言えるのは、これだけの投資もしましたから800億円はいけるだろうということです。利益は今の競争力からいうと当然それなりのものを期待しています。
一方で、1,000億円の生産能力を設けますと申し上げたことはありません。来期は1,000億円の売上になるかも知れないとはポロッと言いましたが、その時の投資額で間に合うとは申し上げていません。LEDバックライトはそれくらいの競争力があるということを伝えたかっただけです。