質疑応答要旨
更新日： 2012年8月6日
2013年3月期 第1四半期決算説明電話会議（2012年7月31日）
注：内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 機械加工品事業について、グラフ上の過去の四半期と比較すると、2013年3月期第1四半期は、売上高・営業利益共に過去最高となっている一方で、営業利益率は2011年3月期の第1四半期・第2四半期に比べ低いようです。その理由をどのように考えるべきでしょうか？
- 数量効果の効きやすいボールベアリングやピボットアッセンブリーについては、営業利益率で過去最高に近い水準まで行っているのでしょうか？
- 回転機器事業での第1四半期の営業損失5億円について、収益貢献をしている製品、赤字となっている製品など、内訳についてご説明ください。
- 月次ベースでは、HDDスピンドルモーターは4～6月は改善方向になっているのでしょうか？
- 「７ミリ厚2.5インチHDDは3ブランドへ供給する予定」と5月の説明会で伺いましたが、数量は増えていますか？
- ７ミリ厚2.5インチHDD向けピボットのボールベアリングは、すべて内製されていますか？
- ナワナコン工場とロジャナ工場は9月に完全復旧するとのお話でしたが、以前の6月の復旧予定が少し後ろ倒しになっているのでしょうか？
- 電子機器事業のLEDバックライトについて、タブレット向けのLEDバックライトは4月から出荷開始し、足元ではフル生産とのことですが、貴社にとっては慣れていない中型サイズであることにより、歩留まりに問題はありませんか？
- エレクトロデバイスは、5月から黒転したとのことでしたが、4月の赤字額が大きかったため、5月・6月の黒字で赤字をカバーしきれず、第1四半期では若干の赤字が残ったという理解でよろしいでしょうか？
- エレクトロデバイスの第2四半期以降での売上見通しは、いかがでしょうか？
- 第3四半期、第4四半期についても前四半期比で増加してくる見込みですか？
- ピボットアッセンブリーの第1四半期の月平均の販売数量と今後の見込みを教えてください。
- 8月以降の回復の確度はいかがでしょうか？
- ボールベアリングの月平均の外販数量の実績と見通しについて教えてください。
- 第3四半期、第4四半期以降のボールベアリング外販数量の想定は？
- 第1四半期ではマイナス8億円の異常稼動損が特別損失に計上されましたが、第2四半期以降でも同様の特別損失が計上される見込みでしょうか？
- 今回、業績予想は変更されませんでしたが、ハイテク市況が厳しくなっているなかで、下半期に向けての見通しはいかがでしょうか？
- 下半期の見通しの考え方について解説を頂けませんでしょうか？
- スマートフォンの新モデル向けLEDバックライトの数量推移に関して、第2四半期の数量想定とピーク時期のタイミングについて、ご示唆ください。
- 10月の想定はいかがでしょうか？
- 生産台数の予測が下がっている話を各方面より耳にしますが、いかがでしょうか？
- スマートフォンの新モデル向けのスケジュールは既に遅れていますが、これ以上の後ろ倒しは無いとの理解でしょうか？
ご質問と回答
- 機械加工品事業について、グラフ上の過去の四半期と比較すると、2013年3月期第1四半期は、売上高・営業利益共に過去最高となっている一方で、営業利益率は2011年3月期の第1四半期・第2四半期に比べ低いようです。その理由をどのように考えるべきでしょうか？
- 円高、特にユーロ安の影響もあり、航空機向けのロッドエンドベアリングの営業利益率が以前より落ちているのは事実です。売上の増加に伴い、為替変動による影響は克服しつつありますが、依然、営業利益率の改善には至っておりません。
- 数量効果の効きやすいボールベアリングやピボットアッセンブリーについては、営業利益率で過去最高に近い水準まで行っているのでしょうか？
- ボールベアリングについてはまだです。タイのバンパインに新しい工場を建設し、ボールベアリングの新しい生産ラインを立上げようとしているので、この固定費増加により営業利益率が少し足を引っ張られている面があります。
- 回転機器事業での第1四半期の営業損失5億円について、収益貢献をしている製品、赤字となっている製品など、内訳についてご説明ください。
- ファンモーター、振動モーター、DCブラシ付モーターは赤字となっております。一方、情報モーターの内、ステッピングモーターとDCブラシレスモーターは黒字です。コンパクトデジタルカメラのオートフォーカス機能に使われる小型のステッピングモーターであるマイクロアクチュエーターについては、コンパクトデジタルカメラの需要がスマートフォンに食われていることにより市場が縮小しており、売上が伸びず、赤字となっております。カンボジア工場への生産移管を進めており、コスト競争力をあげる取り組みをしておりますが、損益改善にはもう少し時間がかかるものと見ています。HDDスピンドルモーターにおいては、タイ洪水で被災した工場の固定費を特別損失に振り分けている特殊要因のため営業利益は大きな黒字ですが、この特殊要因を含んでも黒字基調になってきています。
- 月次ベースでは、HDDスピンドルモーターは4～6月は改善方向になっているのでしょうか？
- そうです。生産数量が順調に増加しているほか、7ミリ厚2.5インチHDD向けやエンタープライズ向けなどハイエンドでの数量が順調に増加しており、損益が改善しています。
- 「7ミリ厚2.5インチHDDは3ブランドへ供給する予定」と5月の説明会で伺いましたが、数量は増えていますか？
- 全体の数量は増えています。
- 7ミリ厚2.5インチHDD向けピボットのボールベアリングは、すべて内製されていますか？
- 7ミリ厚2.5インチHDD向けのボールベアリングは100％内製しています。
- ナワナコン工場とロジャナ工場は9月に完全復旧するとのお話でしたが、以前の6月の復旧予定が少し後ろ倒しになっているのでしょうか？
- ロジャナ工場では、HDDスピンドルモーター向けのアルミダイキャスト製品であるベースプレートを生産しております。キャスティングの設備はほぼ入っていますが、その後の仕上げ工程の設備がまだ完全に入っていない状況です。9月の下旬までにはすべての機械が揃って完全復旧となる見込みです。
- 電子機器事業のLEDバックライトについて、タブレット向けのLEDバックライトは4月から出荷開始し、足元ではフル生産とのことですが、貴社にとっては慣れていない中型サイズであることにより、歩留まりに問題はありませんか？
- 4月には出荷を開始しましたが、実際の出荷数量は数万単位でしかありません。5月は当社の生産能力の40%程度、6月は70%程度で推移し、7月は90％程度の出荷数量を見込んでおります。このサイズの製品の大量生産の経験がなかったので確かに最初は苦労した面もありましたが、生産性、歩留まりは改善しております。
- エレクトロデバイスは、5月から黒転したとのことでしたが、4月の赤字額が大きかったため、5月・6月の黒字で赤字をカバーしきれず、第1四半期では若干の赤字が残ったという理解でよろしいでしょうか？
- エレクトロデバイスの約90％がLEDバックライト事業の売上となりますが、LEDバックライト事業については、第1四半期で黒字化を果たしています。残り10%の売上は、インバーターや医療機器関係の製品等によるものですが、こちらはまだ赤字となっています。医療機器関係は、今後の伸びが見込まれる10年単位でのビジネスであり、これから年を追うごとにアイテム数が増えることにより黒字を計上できるもの捉えていますが、現状は初期段階であることから十分な売上が出ておらず、赤字となっています。
- エレクトロデバイスの第2四半期以降での売上見通しは、いかがでしょうか？
- 第2四半期では130～140億円程度のエレクトロデバイスの売上を想定しており、第3四半期ではさらに増加するものと見ております。
- 第3四半期、第4四半期についても前四半期比で増加してくる見込みですか？
- LEDバックライトについては1月が端境期で、どうしても毎年落ちてしまうといった季節性があります。第3四半期がピークとなり、第4四半期は少し売上が減少する見込みです。
- ピボットアッセンブリーの第1四半期の月平均の販売数量と今後の見込みを教えてください。
- 第1四半期の販売数量は、平均で月40百万個程度となりました。4月と5月は4,200～4,300万個程度でしたが、6月は3,600万個と大幅な調整となり、平均では月4,000万個程度の販売となりました。7月は約3,500万個とほぼ横ばいとなり、あまり改善していない認識です。8月、9月はそれぞれ4,200万個の販売を計画しており、第2四半期での月平均の販売数量は4,000万個を見込んでおります。第3四半期は、第2四半期比で10％程度の増加を想定しております。
- 8月以降の回復の確度はいかがでしょうか？
- 直近でのお客様からのフォーキャストの確認をしておりますので、今のところは上記のように推移するものと想定しています。
- ボールベアリングの月平均の外販数量の実績と見通しについて教えてください。
- 第1四半期での月次平均の販売数量は12,900万個でした。第2四半期は12,600万個と第1四半期よりも300万個程度減少する想定ですが、欧米や日本での夏休みの影響による通常の季節性です。
- 第3四半期、第4四半期以降のボールベアリング外販数量の想定は？
- 第3四半期は夏休みの影響が無くなり月13,200万個程度、第4四半期は月13,400万個の販売数量を想定しております。
- 第1四半期ではマイナス8億円の異常稼動損が特別損失に計上されましたが、第2四半期以降でも同様の特別損失が計上される見込みでしょうか？
- HDDスピンドルモーターでの異常稼動による特殊コストを特別損失に下ろしておりますが、第2四半期では3～4億円出るものと想定しております。下半期については、被災した工場が完全復旧することにより発生しない見込みです。
- 今回、業績予想は変更されませんでしたが、ハイテク市況が厳しくなっているなかで、下半期に向けての見通しはいかがでしょうか？
- 現時点では、通期予想は達成できると考えております。上半期では第1四半期の営業利益37億円から第2四半期の57億円への営業利益計画へ20億円の改善が必要となりますが、4～6月の月ベースでの損益の改善を踏まえると十分達成できると見ております。
回転機器事業では、情報モーターを含め改善が進んでおりますので、5億円程度の営業損益改善により第2四半期での収支均衡は十分に見込めます。電子機器事業では、LEDバックライト事業での大幅な増収に加え、計測機器で自動車向けの売上が増える見込みであり、合計で7～8億円程度の営業損益改善が見込まれます。機械加工品事業では、ピボットアッセンブリーは横ばいとなり、ボールベアリングの外販は多少減るものの、航空機市場向けのロッドエンド・ファスナーでの損益改善などにより、第1四半期の75億円を超える営業利益を計上することが可能であると思います。以上を踏まえると、第2四半期は、第1四半期に比べて20億円程度の損益改善は十分可能と考えています。
- 下半期の見通しの考え方について解説を頂けませんでしょうか？
- 下半期には、さらに一段と損益が改善する見込みです。機械加工品事業の営業利益はさらに増加することに加え、HDD市場は第3四半期には拡大すると考えておりますので、HDDスピンドルモーターでの損益改善も進むものと想定しています。LEDバックライト事業の利益もさらに拡大していく見込みですので、下半期の営業利益計画139億円は達成可能と考えています。
- スマートフォンの新モデル向けLEDバックライトの数量推移に関して、第2四半期の数量想定とピーク時期のタイミングについて、ご示唆ください。
- スマートフォンの新モデル向けには、7月からLEDバックライトを出荷開始しております。数量については正確には開示できませんが、今後の傾向としては、8月は7月の約2倍、9月は8月比の1.5倍を見込んでおり、11月がピークとなるものと想定しております。
- 10月の想定はいかがでしょうか？
- 10月は9月比で2倍程度を想定しています。
- 生産台数の予測が下がっている話を各方面より耳にしますが、いかがでしょうか？
- 我々の情報では、スマートフォンの新モデルの生産台数見通しの引き下げは無いものと認識しています。
- スマートフォンの新モデル向けのスケジュールは既に遅れていますが、これ以上の後ろ倒しは無いとの理解でしょうか？
- スマートフォンについては、そのように認識しています。
