質疑応答要旨
更新日: 2007年2月13日
2007年3月期 第3四半期決算説明電話会議(2007年2月1日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 第3四半期の電子機器セグメントは、スピンドルモーターが赤字、情報モーターが横ばい、スピーカーが悪化、エレクトロデバイスが横ばいで、キーボードが若干改善とのことでしたが、営業利益が6億円減少した中で、キーボードの増益への寄与は大きくなかったように思うのですが。
- それでは、電子機器セグメントは6億円の営業利益の減少のうち、かなりの部分をスピンドルモーターが占めていて、それに加えて多少スピーカーの悪化があったという理解でよろしいでしょうか。
- 下期業績予想より第3四半期の実績を差引くと、第4四半期の電子機器セグメントの営業利益見込みは11億円という計算になりますが、その内訳を教えてください。
- 営業利益予想値を達成するには第4四半期のハードルが高くなってしまいましたが、スピンドルモーターの販売数量の第3四半期実績及び第4四半期の想定はそれぞれどの程度ですか。
- この数量が達成できれば、収支均衡以上になりますか。
- 情報モーターのもう一段の改善の効果はすぐに出るものですか。
- 中間期発表後の話では、キーボードの3月における単月黒字の達成は難しいとのことでしたが、数ヶ月前と比べて自信が出てきたということですか。
- タイバーツの影響は第2四半期から第3四半期にかけて、実額で利益面にどの程度影響がありましたか。
- 事業を行うからには利益を出さないと意味がないというのが御社の以前からの方針であったと思いますが、キーボード事業が収支均衡になった後、来年度もハイエンドに絞り込んで引き続き事業を行うという方向性に変化はないですか。
- 第3四半期におけるボールベアリングの販売個数は月平均1億7,800万個とのことでしたが、社内販売及び社外販売の内訳を教えてください。
- 以前よりピボットアッシーの在庫調整が行われていたと思いますが、その状況は第4四半期も続きますか。
- ボールベアリングの社外販売は第2四半期と比べて減少しているようですが、その背景は何ですか。
- ボールベアリングの第4四半期の販売数量の見込みはどの程度ですか。
- 第4四半期にかけてボールベアリングの利益は改善してくると見てよいですか。
- ピボットアッシーの第3四半期における月産販売実績及び第4四半期の見込みを教えてください。
- 以前話を聞いた際には、第3四半期の販売数量はもう少し多かったように思うのですが。
- 機械加工品セグメント合計の利益は、第4四半期は第3四半期と比較して改善すると見ていてよろしいいでしょうか。
- 先ほどの説明の中で海外における税還付という話がありましたが、どのような内容ですか。
- スピンドルモーター1月の受注状況、2月の見通しを教えてください。
- スピンドルモーターはどのタイプが増えていますか。
- 来期のスピンドルモーターの第1四半期、第2四半期にかけての立ち上がり具合はどの程度の販売数量をイメージしていますか。
- 2.5インチHDDスピンドルモーターにおける販売数量の第3四半期実績と第4四半期の見通しを教えてください。
- 3月から新しく承認が下りたモデルが入ってくるということですが。
- その新しいタイプの2.5インチの納入先は、以前納入していた1社ですか。それとも、別の客先ですか。
- 新しい2.5インチモデルの立ち上げコストがかかって第4四半期に収益性が圧迫されるリスクはありますか。それとも2.5インチは収益性が高いので、収益貢献すると考えておくのが正しいですか。
- スピーカーは以前からマーケットとしては比較的厳しい分野と言われる中、事業を続けてきたわけですが、今回赤字になった背景を教えてください。また、今後のスピーカー事業に対する考え方に変化はありましたか。
- キーボードは月ごとに良くなっているという話でしたが、どれくらい改善していますか。3月の収支均衡への可能性を感じられるような定量的な説明をお願いします。
- キーボードは、12月の実績は収支均衡にかなり近づきましたか。
- 中間決算発表後に第3四半期のスピンドルモーターの計画を月平均490万台としていましたが、実績は月平均450万台でした。その中で、2.5インチは月平均20万台程度まで減少したとのことですが、どのような背景によって計画より減少したのですか。
- 2.5インチの減少は、同じモデルが減産になったわけではなく、新しいモデルへの承認が遅れたと理解してよいですか。
ご質問と回答
- 第3四半期の電子機器セグメントは、スピンドルモーターが赤字、情報モーターが横ばい、スピーカーが悪化、エレクトロデバイスが横ばいで、キーボードが若干改善とのことでしたが、営業利益が6億円減少した中で、キーボードの増益への寄与は大きくなかったように思うのですが。
- キーボードの改善幅はまだ大きくありませんが、月次でみると月を追って改善しています。
- それでは、電子機器セグメントは6億円の営業利益の減少のうち、かなりの部分をスピンドルモーターが占めていて、それに加えて多少スピーカーの悪化があったという理解でよろしいでしょうか。
- 結構です。
- 下期業績予想より第3四半期の実績を差引くと、第4四半期の電子機器セグメントの営業利益見込みは11億円という計算になりますが、その内訳を教えてください。
- スピンドルモーターは通期での黒字化を図りたいと考えております。第1四半期は収支均衡で、第2四半期は2.5インチが増加したため改善が進みました。第3四半期は残念ながら赤字になってしまったので、第4四半期で黒字に回復し、通期で黒字を達成したいと考えております。そのキーとなるのは全体の生産販売数量、2.5インチの数量になると思いますが、1月の実績を見た限りでは好調であったように思います。
また、情報モーターの収益は安定してきましたが、もう一段上を目指して取り組んでいきたいと考えております。第4四半期に振動モーターとDCブラシ付きモーターのもう一段のリストラを計画していますので、更に改善が進むと考えております。
キーボードは月ごとに改善の効果が出てきていますので、着実に構造改革を実施することによって3月に収支均衡が達成できると考えております。
その他に、マイナス要因としてはライティングデバイスがあります。季節的要因によりどうしても12月から2月までは落ち込みますが、その影響が今期も同様にありましたので、このあたりを最小限に抑えるというのが一つのポイントになるかと思います。
また、スピーカーの収益が改善していたのですが、第3四半期で赤字になってしまったので、このあたりを梃入れして十分な利益を達成したいと考えております。
- 営業利益予想値を達成するには第4四半期のハードルが高くなってしまいましたが、スピンドルモーターの販売数量の第3四半期実績及び第4四半期の想定はそれぞれどの程度ですか。
- 第3四半期は販売数量が月平均約450万台でした。第4四半期は月平均500万台超と想定しております。
- この数量が達成できれば、収支均衡以上になりますか。
- 固定費が大きいので、やはり数量が増えることによる増収効果は大きいと思います。
- 情報モーターのもう一段の改善の効果はすぐに出るものですか。
- 2月に更なる構造改革を予定しており、3月には効果が出るのではないかと思います。また、受注環境が非常に好調なので、情報モーターに関する懸念材料はないと考えております。
- 中間期発表後の話では、キーボードの3月における単月黒字の達成は難しいとのことでしたが、数ヶ月前と比べて自信が出てきたということですか。
- 中間発表の際は、構造改革が2ヶ月程遅れているとお話しましたが、ここにきて順調に削減が進んでいる状況です。2月に中国の旧正月がありますので、その間にラインの編成替えを完了し、きちんと整った状態で3月の生産をスタートできれば、3月における収支均衡は達成できると考えております。また、不採算モデルの削減が進んで平均単価が確実に上がってきている上に、生産の減少に伴って金型や不要資産の除却を進めており、これまで発生していた減価償却費や人件費が大幅に減少してきているので、その相乗効果が出ればきちんと黒字が出せると考えております。
- タイバーツの影響は第2四半期から第3四半期にかけて、実額で利益面にどの程度影響がありましたか。
- 当社の場合、売上の約半分はUSドル建てですが、他にも日本円やユーロ、それぞれの国の通貨も関係するので、タイバーツのみで計算するのは困難です。発生する費用も輸入材料のため外国通貨で入り、タイバーツだけではなく様々な通貨で発生しますが、一定の条件下で計算すると第2四半期から第3四半期にかけて通貨変動の影響額が全社でマイナス5億円程あったと思います。円安はプラス効果ですが、当社の主要生産拠点である中国の人民元やタイのバーツ高はマイナス要素です。
- 事業を行うからには利益を出さないと意味がないというのが御社の以前からの方針であったと思いますが、キーボード事業が収支均衡になった後、来年度もハイエンドに絞り込んで引き続き事業を行うという方向性に変化はないですか。
- その基本姿勢に変化はありません。
- 第3四半期におけるボールベアリングの販売個数は月平均1億7,800万個とのことでしたが、社内販売及び社外販売の内訳を教えてください。
- 社内販売が月平均6,400万個、社外販売が月平均1億1,400万個でした。
- 以前よりピボットアッシーの在庫調整が行われていたと思いますが、その状況は第4四半期も続きますか。
- ピボットアッシー部門が持っているボールベアリングの在庫を削減していましたが、それもほぼ終わりに近づいていますので、第4四半期は社内販売が増えていくと考えております。
- ボールベアリングの社外販売は第2四半期と比べて減少しているようですが、その背景は何ですか。
- 社外販売個数は第2四半期が月平均1億2,000万個、第3四半期は月平均1億1,400万個でしたので、だいぶ減少しました。12月の欧米におけるクリスマス休暇が大きく影響しました。また、PC用ファンモーター向けで在庫調整が12月に若干あったように思います。
- ボールベアリングの第4四半期の販売数量の見込みはどの程度ですか。
- 社外販売は月平均1億1,800万個から1億2,000万個の間位に回復すると考えております。社内販売は月平均6,500万個から6,600万個程度を見込んでおります。
- 第4四半期にかけてボールベアリングの利益は改善してくると見てよいですか。
- よいと思います。機械加工品の利益は第2四半期から第3四半期にかけて3億円ほど減少しましたが、ボールベアリングとロッドエンドの売上が12月に伸びなかったことが影響しました。
- ピボットアッシーの第3四半期における月産販売実績及び第4四半期の見込みを教えてください。
- 販売数量は第2四半期に月平均2,200万個程度だったのですが、第3四半期は月平均2,300万個と少し増加傾向にあります。第4四半期はほぼ横ばいもしくは月平均2,400万個近くまでいくかもしれないと考えております。
- 以前話を聞いた際には、第3四半期の販売数量はもう少し多かったように思うのですが。
- 10月、11月は好調でしたが、12月に在庫調整がありました。
- 機械加工品セグメント合計の利益は、第4四半期は第3四半期と比較して改善すると見ていてよろしいいでしょうか。
- よいと思います。この分野にはあまり大きな不安材料はないと見ています。
- 先ほどの説明の中で海外における税還付という話がありましたが、どのような内容ですか。
- 所得税の還付が10億円程ありました。配当金に伴う所得税還付がシンガポールで発生したのですが、それがなければ第3四半期の税率は38%程度となりました。
- スピンドルモーター1月の受注状況、2月の見通しを教えてください。
- 1月はまだ完全に集計しきれていませんが、速報ベースで月平均550万台強の販売がありました。
- スピンドルモーターはどのタイプが増えていますか。
- 2.5インチはまだそれほど増えていませんが、3.5インチのデスクトップ用、ハイエンド用、サーバー用が増加しました。参入が遅れていた新しいタイプの2.5インチも承認活動が終わり3月頃から生産販売が増えていくと思いますので、特別な問題がおきない限り、第4四半期に月平均500万台を達成する確率は高いと考えております。
- 来期のスピンドルモーターの第1四半期、第2四半期にかけての立ち上がり具合はどの程度の販売数量をイメージしていますか。
- 2.5インチの数量が増加するのは確実と思います。少なくとも第4四半期の数字に上乗せされていくものと考えております。
- 2.5インチHDDスピンドルモーターにおける販売数量の第3四半期実績と第4四半期の見通しを教えてください。
- 第3四半期は全体で月平均450万台でしたがそのうちの5%程度が2.5インチでした。第2四半期は10%以上ありましたので、数量は半分以下になりました。第4四半期においては、1月はまだ多くないのですが、2月、3月と増えていきます。全体の数も増えますので5から10%の間くらいまで回復できればと考えております。
- 3月から新しく承認が下りたモデルが入ってくるということですが。
- 1月から既に入っています。その数が徐々に増えていくとお考えください。
- その新しいタイプの2.5インチの納入先は、以前納入していた1社ですか。それとも、別の客先ですか。
- 数量は多くなかったのですが、第3四半期から既に2社目にも納入していました。第4四半期後半から本格的に増えていくということです。
- 新しい2.5インチモデルの立ち上げコストがかかって第4四半期に収益性が圧迫されるリスクはありますか。それとも2.5インチは収益性が高いので、収益貢献すると考えておくのが正しいですか。
- 初期コストは最初の1ヶ月ほどは発生するかもしれませんが、第3四半期に既に生じておりますので、第4四半期に大きく初期コストが発生することはないと思います。むしろ、数量増加による部品部門でのプラス効果の方が大きいと考えております。
- スピーカーは以前からマーケットとしては比較的厳しい分野と言われる中、事業を続けてきたわけですが、今回赤字になった背景を教えてください。また、今後のスピーカー事業に対する考え方に変化はありましたか。
- スピーカーはどうしても季節的要因によって左右されます。私どものスピーカーは、オーディオ向け、カースピーカー向け、パソコン向け、マイクロスピーカーの4部門に分かれており、オーディオ向けやパソコン向けはクリスマス商戦が終わると低迷しますが、今期はそれが少し早めであったように思います。赤字といっても大きな赤字ではないので十分に立て直せると考えております。前期も赤字でしたが、それ以前から赤字であったことを考えると、大きな改善が進んだと思いますので、もう一段更に改善できるとこのような季節要因も乗り越えられるような体質になるのではないかと考えております。
- キーボードは月ごとに良くなっているという話でしたが、どれくらい改善していますか。3月の収支均衡への可能性を感じられるような定量的な説明をお願いします。
- 10月、11月はそれほど大きく改善していませんでしたが、12月に大きく改善しました。現在、固定資産除却処理等をいろいろ行っていますので、ノーマルな状態ではなく特殊要因が入り組んでおり、これが実態とは言い切れません。ただ、費用の削減具合や平均単価の推移を見ると確実に改善が進んでいます。
- キーボードは、12月の実績は収支均衡にかなり近づきましたか。
- まだ収支均衡ではありませんが、損失は1億円以下の水準まで回復しました。
- 中間決算発表後に第3四半期のスピンドルモーターの計画を月平均490万台としていましたが、実績は月平均450万台でした。その中で、2.5インチは月平均20万台程度まで減少したとのことですが、どのような背景によって計画より減少したのですか。
- 2.5インチも3.5インチも新しいモデルに切り替わっていきますが、私どもの新しいタイプの2.5インチは開発が遅れたことにより、お客様からの承認および生産開始時期が遅れました。
- 2.5インチの減少は、同じモデルが減産になったわけではなく、新しいモデルへの承認が遅れたと理解してよいですか。
- はい。そのようにお考えください。