2025年
2025年4月24日
ミネベアミツミ株式会社
ミネベアミツミの極小ボールベアリング、
世界初の機械式腕時計型メトロノーム『テンポ・ルバート』に15個使用
ミネベアミツミ株式会社(本社:長野県、代表取締役会長CEO:貝沼 由久、以下 ミネベアミツミ)の世界最小ボールベアリング*と極小ボールベアリングが、このたびスイスの国際時計博物館(Musée International d'Horlogerie)に収蔵された岡田 樂(がく)制作の世界初の機械式腕時計型メトロノーム*2「テンポ・ルバート」に、計15個採用されましたのでお知らせいたします。

「テンポ・ルバート」

「テンポ・ルバート」の拡大写真
「テンポ・ルバート」は、世界初*2の機械式腕時計型のメトロノームです。時計型のメトロノームとしては、これまで懐中時計サイズの機械式型、クォーツタイプの腕時計型は存在していましたが、歯車やゼンマイ、テンプといった機械式腕時計に利用される基本構造を応用することで、史上初の機械式腕時計型のメトロノームとしてテンポ・ルバートは誕生しました。
このテンポ・ルバートには、機械式腕時計型のメトロノームとしての不可欠な軸受けとして、時計業界で一般的に使用されるルビーボールを使用した軸受けではなく、すべてミネベアミツミ製のボールベアリングを使用しています。
15個のうち13個は、調速機構や巻上機構、アンクル軸、BPM(テンポ)調整部品としてミネベアミツミの極小ボールベアリング(DDL-310、外径3.0mm、内径 1.0mm、幅1.0mm)を使用しています。たとえば、調速機構は、ベゼルを通して直接手の力が加わるため高負荷にも耐えられる設計が求められます。そのため、極小サイズでありながら最大限に内径を大きくした荷重に強い軸受けが必要であることから、ミネベアミツミのDDL-310が採用されました。
また、テンポ・ルバートに採用されているボールベアリングの残りの2個は、振り子の軸としてアンクルの左右の動きにともなって針にかかるトルクの影響を受けず、軸が横にぶれないように支える高精度な極小ボールベアリングが必要です。これらの設計要求に対応できることから、針の軸の上下には、ミネベアミツミの世界最小ボールベアリング(DDL-004、外径1.5mm、内径 0.5mm、幅0.65mm)が採用されています。
* ミネベア 外径1.5mmボールベアリングが、世界最小の量産可能なスチール製ボールベアリングとしてギネス世界記録™に認定されました
- *2 東京時計精密調べ
サイズ | :外径 | 1.50 mm |
---|---|---|
内径 | 0.50 mm | |
幅(厚さ) | 0.65 mm | |
生産場所 | :日本(軽井沢本社工場) |
サイズ | :外径 | 3.00 mm |
---|---|---|
内径 | 1.00 mm | |
幅(厚さ) | 1.00 mm | |
生産場所 | :日本(軽井沢本社工場) |
GAKU 「テンポ・ルバート」 概要
音楽用語のテンポ・ルバートは、演奏中の場の空気感や気持ちに合わせ自由にテンポを変えるという意味で、今回の作品ではベゼルを回すことで自由にテンポ(BPM)を変えることができます。2025年4月には、スイス最大の時計博物館である国際時計博物館(スイス ラ=ショー=ド=フォン)へ収蔵されました。
仕様
- 8時位置のプッシュボタン:メトロノームのスタートとストップ
- ベゼル 右回転:BPMを高くする・ゼンマイの巻き上げ
- ベゼル 左回転:BPMを低くする(ベゼル両方向とも行き止まり有り)
使用方法
- プッシュボタンでスタート・ストップをおこない、ベゼルを回しBPMを合わせる。
- BPMの合わせ方は、高い方から低い方へ左回転で合わせる。
スペック
機能 | メトロノーム |
---|---|
駆動方式 | 手巻(ベゼル右回転) |
ムーブメント | Cal. TempoRubato (5石+15ボールベアリング、パワーリザーブ30分、毎時7,200~14,400振動(BPM120~240)) |
ケース径 | 39.5mm |
ケース厚 | 13.0mm |
ケース素材 | ステンレススチール(316L) |
ケースバック | シースルーバック |
風防 | サファイアクリスタルガラス |
ストラップ素材 | カーフレザー |
防水性 | 日常生活防水 |
- ※ 現時点で発売予定無し。
岡田 樂について
2002年 北海道生まれ。2025年3月専門学校 ヒコ・みづのジュエリーカレッジ インスティテュートコース(ウォッチメーカー製作)卒業。
卒業制作として「テンポ・ルバート」を制作。同年4月、スイスの国際時計博物館(Musée International d'Horlogerie)に収蔵された。現在は自身のブランドの立ち上げを目指し、時計製作に没頭。趣味はジャズドラム。
幼少期よりジャズドラムに熱中し、高校時代にはジャズドラマーを志したこともあったが、当時、同郷の先輩のドラムの実力を目の当たりにし断念。
「メカ的なもの」に関心があった背景もあり、高校卒業後ヒコ・みづのジュエリーカレッジに進学し時計の制作に軸足を移す。
そして、自らのアイデンティティであるリズムを刻む、ドラマーに不可欠なメトロノームを卒業制作として制作。
1年間かけて、プロトタイプとして設計・制作した『テンポ・ルバート』は、本人が大好きな機械部品であるボールベアリングを多数取り入れることで、全体のデザインの調和、動き、美しさ、メトロノームの機能を、この小さな空間に完成させた。
このたび、ユニークな機構を開発し、それを腕時計サイズまで小型化したことが評価され、学生の卒業制作としては稀なことに、スイスの国際時計博物館に収蔵。
そして、2026年にメトロノーム付き機械式腕時計の完成に向け、制作を進行している。
ミネベアミツミについて
ミネベアミツミは、世界シェアNo.1*製品である、機械の回転をスムーズにするミニチュア・小径ボールベアリング(軸受)や、1直リチウムイオン電池用保護ICなどをはじめとする、超精密加工技術を代表するコア技術を中心に、半導体、モーター、センサーなど、様々な機械・電子部品を手がける相合(そうごう)**精密部品メーカーです。当社の超精密技術は、エアコン・掃除機・ドライヤー、ゲーム機などの家電製品、スマートフォン・パソコンなどの情報機器、自動車・航空・宇宙製品、そして医療機器など、幅広い分野で使用され、目に見えないところで皆様の生活をお支えしております。
* ミネベアミツミ調べ
- ** 相合:総合ではなく、相い合わせることを意味する造語。
当社グループのあらゆるリソースを掛け合わせ、相乗効果により新たな価値を創造する。
報道関係お問い合わせ先 | ミネベアミツミ株式会社 広報・IR室 Phone: 03-6758-6703 Fax: 03-6758-6718 E-mail: koffice@minebeamitsumi.com |
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ベアリングの販売関係お問い合せ先 | ミネベアミツミ株式会社 ベアリング統括部 Phone: 03-6758-6772 |
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。