2021年
2021年10月12日
一般財団法人 日本気象協会
ミネベアミツミ株式会社
日本気象協会とミネベアミツミ、スマートライティングデータを活用した
気象情報の予測精度向上に関する新たな取り組みを開始
~スマートシティソリューションの展開を目指し、複数地域での実証実験を実施~
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)とミネベアミツミ株式会社(本社:長野県北佐久郡、代表取締役 会長兼社長執行役員:貝沼 由久、以下「ミネベアミツミ」)は、「スマートライティング※1」のデータを活用し、気象情報の予測精度向上を図る取り組みを連携して進めています。このたび2020年度に続く取り組みとして、日射量・太陽光発電出力予測の精度向上に関する新たな実証実験を開始しました。今年度は実証対象地域を拡大し、2021年9月から2022年3月までの期間にて検討を行います。
実証実験の概要
日本気象協会とミネベアミツミが連携する取り組みのひとつとして、2020年度に引き続き、2021年9月から2022年3月にかけて「令和3年度日射量予測精度向上に関する実証分析」での実証実験(以下、「本実証実験」)を実施します。これは、環境省が公募した「令和3年度屋外照明のスマートライティング化・ゼロエミッション化に係る調査検討委託業務」について、代表事業者である株式会社三菱総合研究所から受託したものです。
2020年度に同様の枠組みにて実施した実証実験※2では、ミネベアミツミが独自開発した「無線機能付き高効率LED道路灯(写真1)」と各種センサーを組み合わせたスマートライティングから得られたデータを用いて日射量予測精度向上の可能性を検証しました。その結果、得られたセンシングデータを日射量予測に用いることで、一定の精度改善効果を確認しました。
本実証実験では2020年度からの取り組みを継続し、観測期間を長期化させた場合のスマートライティングの照度データから日射量への変換式の高度化等を検討することで、日射量推定の有効性や既存の日射量計への代替可能性を検証します。併せて、2か所の自治体様のご協力を得て、地域内の複数地点で日射量または照度の面的な観測を行い、得られたセンシングデータを日射量予測に活用することによる予測精度の改善効果について検証します。
本実証実験の概要(日本気象協会実施分・2021年度)
写真1:無線機能付き高効率LED道路灯
背景
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、我が国ではCO2を排出しない再生可能エネルギーの主力電源化が進められています。特に近年導入が進んでいる太陽光発電は、気象により出力が大きく変動することから、電力の需給バランスの安定化を図るうえで、あらかじめ精度良く発電量を予測する必要があります。この発電量の予測にあたり、気象情報の予測精度が重要視されています。
また、自治体などが所有する道路灯や街路灯などをインテリジェント化・IoT化した「スマートライティング」は、LED化や、周辺環境に応じた照明の調光などにより、省エネ・CO2排出削減を実現する屋外照明技術です。スマートライティングは、スマートシティ※3でのエネルギー最適化の取り組みとして、地方自治体への普及が期待されています。このスマートライティングのセンサー情報をリアルタイム分析することで、気象情報の予測精度向上など、さまざまな用途へ活用することができます。
連携の目的
日本気象協会が持つ高度な気象予測技術と、ミネベアミツミが導入を進めるスマートライティングの融合により、新たなスマートシティソリューションの展開を目指します。
日本気象協会は、独自に開発した高精度な気象予測技術を有しています。この技術にスマートシティ内のスマートライティングデータを活用することで、さらなる予測精度の向上が期待できます。
ミネベアミツミは、独自に開発したスマートライティングをスマートシティソリューションとして展開しています。このスマートライティングは、照明管理としての機能だけではなく、付属のセンサーから気温・照度などのデータをリアルタイムに収集することも可能です。スマートライティングの普及により、スマートシティ内のセンサーデータを面的かつ詳細に収集することができます。
日本気象協会とミネベアミツミは、これらの取り組みにより、高度なエネルギー管理が可能なスマートシティやSociety5.0※4、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
連携のイメージ(例:日射量・太陽光発電出力予測の高度化)
※1:スマートライティング
道路灯や街路灯などをインテリジェント化・IoT化する屋外照明技術。
※2:2020年度の実証実験
2020.10.29 ニュースリリース
日本気象協会とミネベアミツミ、 スマートライティングデータを活用し、気象情報の予測精度向上を目指す ~新たなスマートシティソリューション展開に向け、連携して実証実験を実施~
※3:スマートシティ
都市の抱える諸課題に対して、ICTなどの新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営など)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区。
※4:Society5.0
情報社会(Society4.0)に続く未来社会の姿として、政府の第5期科学技術基本計画で提唱された未来社会の姿。
日本気象協会は2020年度に設定した中期経営計画(ビジョン2023)にて、以下の「目指すべき姿」を定義しています。
- 気象会社からさまざまな社会の課題を解決するプラットフォーマーへ変革し、超スマート社会を先導する
- 気象データとさまざまな知識や情報を組合せ、お客様とともに新たな社会的価値創造を推進する
- 気候変動や気象災害による社会影響を最小限に抑える活動を推し進め、社会から信頼され、生活者にやさしい企業の地位を確立する
日本気象協会は気象データの活用を軸に「社会・行動データ」を結び付けることによって、社会の問題解決を図る「Society 5.0時代の気象データプラットフォーマー」として活動します。
一般財団法人 日本気象協会について
日本気象協会は1950年の設立以来、気象・環境・防災などに関わる調査解析や情報提供を行ってきました。
昨今、気象の激甚化や地球温暖化、エネルギー問題、情報化社会の進化、超高齢化・少子化社会の到来など、世の中の状況が大きく変化してきています。
日本気象協会の最大の強みは調査解析技術とリアルタイムに情報を提供できる技術を併せ持つこと。
世の中の変化に対して、強みを生かし法人や個人のお客様とともに、「自然界と調和した社会」の創生を目指し未来を切り開いてまいります。
設立年月日: | 1950年5月10日 |
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気象業務法による許可番号: | 第5号 |
代表者名: | 会長 春田 謙 |
本社所在地: | 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 55階 |
事業内容: | 気象コンサルティング、調査、解析、情報提供 |
従業員数: | 837名(2021年7月1日現在) |
技術者: | 気象予報士 343名 技術士 120名 RCCM 34名 博士 19名 環境計量士 22名 測量士 24名 |
支社・支店: | 全国5支社、5支店を展開 |
ウェブサイト: | https://www.jwa.or.jp/ |
ミネベアミツミは、業務提携関係にある岩崎電気と無線機能付き高効率LED道路灯を開発し、2015年より「スマートシティ」プロジェクトを進めています。
この無線機能付きLED道路灯をクラウドで一元管理することにより、点灯時間や消費電力量のモニタリングが可能となり、各種センサー(環境センサー、パーキングセンサー等)、電力メーター、監視カメラなどを組み合わせ、都市生活にかかわる機能を一括してモニタリングできるシステムの構築を進めています。
照明機器を、ただ単にあかりをともすだけではなく、省エネルギーや都市生活の利便性向上、安全性の向上など、様々な付加価値を持つデバイスに進化させるべく、チャレンジを続けています。
※ミネベアミツミのスマートシティを支える通信方式:6LoWPANについて
- メッシュ状にネットワークを構築し、木や建物などの多いエリアで有効です。
- 通信がダウンした場合、無線機能付きLED道路灯が自動的に新しいネットワークを構築します。
ミネベアミツミグループについて
ミネベアミツミは、機械の回転をスムーズにするベアリング(軸受)をはじめ、モーター、センサー、半導体など、様々な機械・電子部品を手がける相合(そうごう)*部品メーカーです。
当社の超精密技術は、エアコン・掃除機・ドライヤー、ゲーム機などの家電製品、スマートフォン・パソコンなどの情報機器、自動車・航空・宇宙製品、そして医療機器など、幅広い分野で使用され、目に見えないところで皆様の生活をお支えしております。
設立年月日: | 1951年7月16日 |
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資本金: | 68,258百万円(2021年3月末現在) |
代表者: | 代表取締役 会長兼社長執行役員 (CEO & COO) 貝沼 由久 |
事業内容: | ベアリングなどの機械加工品事業、 電子デバイス、半導体、 小型モーターなどの電子機器事業、 自動車部品・産業機械・住宅機器事業 |
上場証券取引所: | 東京 |
連結売上高: | ミネベアミツミグループ 988,424百万円 (2020年4月1日~2021年3月31日) |
従業員数: | 連結約10万人 |
拠点数: | 27か国 製造・研究開発95拠点、営業93拠点 |
ウェブサイト: | www.minebeamitsumi.com |
* 相合:「総合」ではなく、「相い合わせる」ことを意味し、自社保有技術を融合、活用して「コア製品」を進化させるとともに、その進化した製品をさらに相合することでさまざまな分野で新たな製品を創出すること。
以上
本件に関する報道機関のお問い合わせ先 | 一般財団法人 日本気象協会 広報室 Phone: 03-5958-8147 FAX: 03-5958-8144 広報室メールアドレス: jwapr@jwa.or.jp |
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ミネベアミツミ株式会社 広報・IR室 Phone: 03-6758-6703 FAX: 03-6758-6718 広報担当メールアドレス: koffice@minebeamitsumi.com |
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。