2021年
2021年6月30日
ミネベアミツミ株式会社
アナログ半導体8インチ工場(Fab)およびMEMS事業取得に関するお知らせ
ミネベアミツミ株式会社は、その子会社であるミツミ電機株式会社(以下、「ミツミ電機」)を通じ、以下のとおり、オムロン株式会社野洲事業所内の半導体・MEMS*1工場(Fab)およびMEMS製品開発機能(以下、「対象事業」)を譲り受けること(以下、「本事業譲受」)について、2021年6月30日付でオムロン株式会社とミツミ電機が契約を締結致しましたので、お知らせ致します。
*1 Micro Electro Mechanical Systems
1. 本事業譲受の理由
当社は、超精密加工技術や大量生産技術等の当社の強みを発揮でき、且つ簡単に無くならない製品をコア事業「8本槍」として位置付けると共に、これらを相合(そうごう=相い合わせる)することにより新たな価値をお客様に提供していくことを基本戦略としております。アナログ半導体はこの8本槍の一つであり、当社がフォーカスする事業エリアであるIoTの出入口の重要部品でもあることから、製品ポートフォリオの充実と新たなアプリケーション市場への参入を通して更なる事業拡大を志向しております。また、当社はEco-Efficiencyで差別化をはかる新戦略:QCDESS(Quality, Cost, Delivery, Eco / Efficiency, Service, Speed)を掲げておりますが、アナログ半導体の省エネ設計は電力消費量を格段に下げる点で重要な役割を果たします。
当社のアナログ半導体製品としては、電源IC、タイマーIC、MEMSセンサー、磁気センサー、車載用メモリー、IGBT*2等をコンシューマー製品用、車載用、医療用等に供給しております。中でもスマートフォン等に使われるリチウムイオン電池保護IC(一直)では世界シェアの80%程度*3を誇ります。現在、ミツミ電機と2020年4月に経営統合したエイブリック株式会社(以下、「エイブリック」)の間でのシナジー効果の発現に加え、弊社研究開発機能の拡充と前工程を中心とした工場規模の拡大を実行し、数年以内に売上高600億円規模から1,000億円へ、更にM&Aとあわせて10年以内に2,000億円への成長を目標として一層の事業規模の拡大と事業価値の向上を目指しております。
上記の成長に向けた施策のうち生産面について、当社アナログ半導体事業は、ミツミ電機およびエイブリックが国内外に前工程工場と後工程工場をそれぞれ2拠点保有しておりますが、前工程における従前からの生産能力不足解消と製品戦略(IGBT拡大、車載製品対応、微細化)への対応を垂直統合による競争力を維持しつつ実現するために、8インチ前工程工場の取得を目指しておりました。更に、昨今の半導体需要の高まりは生産能力不足を加速し、工場取得は喫緊の課題となっておりました。
対象事業の半導体・MEMS工場は現在MEMS製品を主に生産しておりますが、アナログICを生産可能な8インチ半導体前工程を有しており、そのプロセス、保有技術、規模、オペレーターのスキル等の点でも当社の目指す生産能力増強に資するものです。本事業譲受により、今後の当社アナログ半導体事業の競争力強化のために必要不可欠な8インチ生産基盤を獲得し、上記のアナログ半導体成長目標の実現をより確実にすることができます。
本事業譲受後、当社は能力拡大のため手始めに100億円超の設備投資をおこない、対象事業工場において月産約2万枚の8インチウェハ生産体制を構築致します。その後も、対象事業工場には更なる拡張余地がありますので、需要等に応じて能力を拡大して参ります。これにより、当社グループ半導体前工程の新たな中核工場を作り上げ、アナログ半導体の国内供給体制の強化にも貢献して参ります。
また、対象事業は、幅広いMEMS製品の設計技術と周辺技術を保有しており、これらの技術と当社のMEMSセンサー製品技術の融合により、新製品開発によるラインナップ増強、既存製品の高性能化、機能追加等のシナジーも期待できます。特に、血圧計用のMEMS圧力センサーは対象事業と当社の双方が強みを持つ分野であり、新しいニッチトップ製品として競争力を高めて参ります。このMEMSセンサー事業の取得は、8本槍戦略の1本であるセンサー事業の強化につながるものであります。
- *2 パワー半導体素子の一つである絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
- *3 当社調べ
2. 譲渡会社の概要
社名: | オムロン株式会社 | 代表者: | 代表取締役社長 CEO 山田 義仁 | 設立: | 1948年(昭和23年)5月19日 | 所在地: | 京都市下京区塩小路通堀川東入 |
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3. 譲受会社の概要
社名: | ミツミ電機株式会社 | 代表者: | 代表取締役 社長執行役員 岩屋 良造 | 設立: | 1954年1月(登記上1949年4月16日) | 所在地: | 東京都多摩市鶴牧2-11-2 |
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4. 譲受親会社の概要
社名: | ミネベアミツミ株式会社 | 代表者: | 代表取締役 会長兼社長執行役員(CEO & COO) 貝沼 由久 | 設立: | 1951年7月16日 | 所在地: | 長野県北佐久郡御代田町大字御代田4106-73 |
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5. 本事業譲受の方法
オムロン株式会社が新会社を設立のうえ会社分割により当該新会社に対象事業を承継し、当該新会社の全株式をミツミ電機が譲り受ける。
6. 業績に与える影響
業績に与える影響は軽微です。
7. 日程
本事業譲受の実行日:2021年10月1日を想定
ミネベアミツミについて
ミネベアミツミは、機械の回転をスムーズにするベアリング(軸受)をはじめ、モーター、センサー、半導体など、様々な機械・電子部品を手がける相合(そうごう)* 部品メーカーです。
当社の超精密技術は、エアコン・掃除機・ドライヤー、ゲーム機などの家電製品、スマートフォン・パソコンなどの情報機器、自動車・航空・宇宙製品、そして医療機器など、幅広い分野で使用され、目に見えないところで皆様の生活をお支えしております。
* 相合:「総合」ではなく、「相い合わせる」ことを意味し、自社保有技術を融合、活用して「コア製品」を進化させるとともに、その進化した製品をさらに相合することでさまざまな分野で新たな製品を創出すること。
報道関係お問い合わせ先 | ミネベアミツミ株式会社 広報・IR室 Phone: 03-6758-6703 Fax: 03-6758-6718 E-mail: koffice@minebeamitsumi.com |
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