2023年

2023年9月6日

ミネベアミツミ株式会社

業界最高(※1)PSRR(※2)と業界最速(※3)過渡応答を両立
車載用高耐圧LDOリニアレギュレータIC「S-19222シリーズ」発売

~ 入出力コンデンサのサイズダウン化により部品の小型化とコストダウンに貢献し安全性向上に寄与 ~

業界最高PSRRと業界最速過渡応答を両立
ロゴ:ミネベアミツミグループ「グリーンプロダクツ」製品

ミネベアミツミグループ
「グリーンプロダクツ」
製品

ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、車載用高耐圧LDOリニアレギュレータIC「S-19222シリーズ」の販売を開始しました。
LDOリニアレギュレータは出力電圧を一定に保つよう制御するICです。
自動車の電装化や多機能化が進む中で、安全な交通社会実現のために自動車には様々な安全対策が施されています。安全対策の一つとして、自動車に搭載されている様々なセンサが車両自体と周辺状況を検知し、車両の制御を行う方法があります。
例えば、EPS(※4)に搭載されているトルクセンサは、ハンドルの回転検知をおこない、ステアリングに加える力を電動モータでアシストするための電気信号を出力します。電動モータがステアリングに加わる力をアシストし、安全な走行をサポートしています。トルクセンサは常に正確なデータを収集し、リアルタイムで微弱な信号を検出して電気信号を出力する必要があるため、常時安定した動作が求められますが、外部からのノイズの影響を受けると正確なデータが得られにくくなるという課題があります。ノイズ対策として大きな入出力コンデンサを搭載し出力電圧を安定させる方法がありますが、コストや基板の占有面積が増大するといった別の問題点が生じてしまいます。
本日発売したS-19222シリーズは、業界最高(※1)PSRR(※2)75dB(f=1kHz)のため、入力電源に重畳されたリップルノイズを取り除く能力が高く安定した出力電圧を得ることができます。
また、S-19222シリーズは、過渡応答が業界最速(※3)であることから、クランキングによって大きく入力電圧が変動するようなケースでも、電圧をより安定的に出力することが可能となります。
これらの特長により、入出力コンデンサをダウンサイズしても安定した動作を実現し、部品の小型化とコストダウンに貢献するとともに、安全性向上に寄与します。
さらに、高PSRRおよび高速過渡応答とトレードオフの関係にある低消費電流化も実現したS-19222シリーズはECU(※5)の暗電流(※6)削減にも貢献します。

  • (※1,3)36V動作、かつ消費電流30µA以下のLDOリニアレギュレータICとして。2023年9月時点 当社調べによる

  • (※2)PSRR:Power Supply Rejection Ratioの略で、電源電圧変動除去比のこと

  • (※4)EPS:Electric Power Steeringの略

  • (※5)ECU:Electronic Control Unitの略で、電子回路を用いてシステムを制御する装置(ユニット)の総称。主に自動車に搭載されるものを指す。現在では大半にマイクロコントローラー(マイコン)が搭載されている

  • (※6)暗電流:イグニッションOFFの状態でも流れる待機電流

主な特長

1. 業界最高のPSRR、かつ低消費電流を実現

PSRRは業界最高の75dB typ.(f=1.0kHz)を実現し、かつ、消費電流は22µAを実現しました。
高PSRRにより、入力電源に重畳されたリップルノイズを削減し、システムの安定動作に貢献します。さらに、ICの入出力に接続されるコンデンサも削減可能となりコストダウンに貢献します。また、動作時消費電流22.0µAに抑えることで、システム全体の低暗電流化に貢献します。

2. 業界最速の過渡応答を実現

エラーアンプの出力にバッファ回路を搭載することで、電源電圧の過渡的な変動時に発生するオーバーシュート/アンダーシュートを従来製品よりも1/60に低減し業界最速の過渡応答性を実現しました。

画像:豊富なパッケージのラインナップ

3. 豊富なパッケージのラインナップ

業界標準のSOT-23-5(2.9×2.8×t1.3mm))から、高放熱タイプのTO-252-5S(A)(6.5×6.5×t1.4mm)を含め5種類のパッケージを採用し、車載用機器の様々なニーズに対応可能です。

4. 車載品質

三温度テスト(低温、常温、高温)を実施しています。AEC(Automotive Electronics Council:車載電子部品評議会)による各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」に対応予定です。また、PPAP (生産部品承認プロセス)にも対応可能です。自動車の過酷な環境での使用が可能です。

主な仕様

• 入力電圧:3.0V~36.0V
• 出力電圧(内部設定):1.8V、2.5V、3.0V、3.3V、5.0V、5.5V、6.0V
• 出力電圧(外部設定):1.8V~30V
• 出力電圧精度:±1.5% (Ta=-40℃~+125℃)
• 動作時消費電流:22.0µA typ.
• パワーオフ時消費電流:0.1µA typ.
• ドロップアウト電圧:250mV typ. (VOUT(S)=5.0V, IOUT=100mA)
• 出力電流:300mA出力可能 (VIN≥VOUT(S)+2.0V)
• リップル除去率(PSRR):75dB (f=1.0kHz時)
• 入力コンデンサ:セラミックコンデンサが使用可能 (0.1 µF以上)
• 出力コンデンサ:セラミックコンデンサが使用可能 (1.0 µF以上)
• 過電流保護回路を内蔵:出力トランジスタの過電流を制限
• サーマルシャットダウン回路を内蔵:検出温度170 ℃ typ.
• ON/OFF回路を内蔵
• 動作温度:Ta=-40~+125℃
• パッケージ:TO-252-5S(A)、HSOP-8A、SOT-89-5、HTMSOP-8、SOT-23-5
• AEC-Q100対応予定
• PPAP対応可能

用途例

  • 各種センサ用電源
  • CAN Transceiver用電源
  • MCU用電源
  • 車載用(エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV/HEV/PHEV関連機器等)
画像:ABLIC

製品詳細

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Webサイト

https://www.ablic.com/新しいウィンドウで開く

お問い合わせ

この件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

報道関係のお問い合わせ エイブリック株式会社 コーポレート コミュニケーション
Phone: 03-5877-2011
E-mail: pr@ablic.com
一般のお問い合わせ エイブリック株式会社 販売代理店
https://www.ablic.com/jp/semicon/sales/distributors/新しいウィンドウで開く
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