質疑応答要旨

更新日: 2023年12月6日

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2024年3月期 第2四半期決算説明会(2023年11月2日)

注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。

ご質問

ご質問と回答

現在の日立パワーデバイスの業容は、前工程はファブレスが中心であり、委託先は当社に限りません。当社が請け負っている分はほぼフル生産です。ただし、シナジーを生み出すのは、むしろオムロンから取得して拡張した当社の滋賀工場です。
後工程については、当社はフィリピン、秋田で行っています。後工程は利益をきちんと確保できるものですが、自社の後工程割合は20%程度で、後は外Fabにまかせるという状況でした。今回の経営統合によって垂直統合し、後工程の利益を自社に取り込んでいきたいと考えています。まだ構想段階ですが、日立パワーデバイスは、山梨にパッケージングの専用の工場を持っているので、その技術を使いカンボジアなどでクリーンエナジーを使いながら活用していく考えです。
IGBT、SiCも、そのままのチップ販売・パッケージ販売ではなく、全てモジュールで販売していきます。今回の経営統合で、自動車、鉄道向けの販売に欠かすことができないモジュール技術を獲得することができました。
いいえ。ファブレスはおそらく残ると思います。ただし、ビジネスは拡大しているものの、他の製造委託先もフル生産で中々受注してくれないという環境があります。この増量分を当社の滋賀工場で生産します。オムロンから滋賀工場を取得した時から既に今回の経営統合の構想があり、滋賀の生産能力拡大の準備を進めてきました。2017年のミツミとの経営統合時から考えていた構想通りの取り組みを実行しているということです。
まず1点目は、全ての製造業と同様、損益分岐点を超えると、材料費以外は利益となり、売上高が上がってくれば、利益が生まれるという側面があります。損益分岐点が高いため、売上が少し下がると利益率が大きく下がるのは大量生産を特徴とする会社の潜在的な問題と考えていますが、反対に損益分岐点を下げてしまうと供給力が下がってしまいお客様の要求にお応えできないというジレンマがあり、そのような調整の中で損益分岐点が決まっています。
また、当社のユーシン、ミネベア アクセスソリューションズは全て専用ラインになるため、特定車種の販売が下がると稼働も下がります。為替についても、お客様の近隣で生産しているため、例えば日本では円で生産・販売することになり恩恵がありません。したがって、OEMの生産数量が回復しないと利益が回復しない構造となっています。
2点目は、欧州の構造改革をはじめ様々な改革を実施してきたことです。
そして、3点目は売価是正です。きちん顧客に説明し、納得してもらって値上げをしてきたということです。
これら3点によって、3Q・4Qの利益計画を組み立てています。損益分岐点より生産が上がっているのは、新しく獲得した事業が立ち上がったためです。これまでの混乱がやっと収束し、生産が軌道に乗ってきたということです。
ASだけで全世界32の工場があり、オペレーションがうまくいっていない工場もあれば、成功している工場もあります。ミツミの経営統合時のように、うまくいっていない工場に集中的にリソースを割いて改善に取り組んでいます。今回は拠点が多く、言葉も文化も異なるため時間がかかりましたが、上記の取り組みの効果により、自動車OEMの生産台数が落ちなければ、お示ししているような数字になると考えています。
3つの要素があり、利益率が前年の2Qに比べて低下しました。まず1点目は、半導体の利益率は2桁の高水準を維持していますが、YonYだと減少しています。2点目は、光デバイスの新機種が立ち上がったものの、その際に価格が下落しており、YonYだと必ずしも十分な利益が確保できていないということです。3点目、ゲームについてはほぼ前年並みとなっています。
またSEの売上は、3Qが1,530億円、4Qが1,082億円、利益は3Qが150億円、4Qが89億円、通期370億円という計画です。3Qが北米スマートフォンの生産ピークとなるため、2Qに対して営業利益率、利益額が増えています。
半導体はまだ回復しているとは言い難い状況で、BBレシオも1近辺となっています。下半期にかけては上半期と同程度の受注を確保しています。来期に向けては、在庫調整が進めば回復していくと想定しますが、市場動向の前提、回復分野、レベルについて明確に説明できる段階ではないと考えています。
100万個単位で、生産数量は7月から順に、248、246、246、10月以降は246、260、253。
外販数量は、7月から195、196、210、2Q平均は200、10月以降は220、220、211。3Q平均は217。貝沼のプレゼンテーション資料(p.26)資料でお示ししている外販数量の4Q平均は現時点では229ですが、これについては精査が必要という状況です。
内販は、7月から41、40、35、10月以降は35、38、38。これはピボットがまだ回復していないことが要因であり、1月以降は、現時点では50百万個を超えた水準に回復すると想定しています。
はい。基本的には稼働日や客の需要月が違うので、単月で見ると凸凹がありますが、四半期あるいは半期単位では、生産と外販を合わせていく方針です。
2Qが282億円、3Qが140億円、4Qが86億円です。また、ミックスの改善についてはご理解の通りです。
比較的利益率の良い製品が好調で、利益率が低い製品が減少するため、ミックスという意味では利益率が改善していく想定です。
光デバイスは、生産が減少するものの、ある程度の数量は確保できる見込みです。半導体については、3Qから4Qにかけては若干の改善を見込んでいます。
EVに関して、ある程度利益率が確保でき、製品が差別化されている間は、ニッチな分野に限っては取り組んでいきたいと考えています。ただし、EVがメインのターゲットではないとご理解ください。
8インチでは、滋賀工場をすべて含めても10,000枚程度の生産でそれほど大きなボリュームが出るわけではありません。ただ面積が25%小さいので、1枚のウエハからとれるチップの数が多くなっており、1枚あたりのコストが下がります。
日立パワーデバイスの利益率はミツミやエイブリックよりも低くなっています。
当社にはM&AにおいてEV/EBIT倍率で10倍という財政規律があるので想像していただければと思います。
従来からある鉄道などの他に、電源があります。「4高」、すなわち高電圧、高電流、高周波、高スピードといったところに自前のIGBT、SiCを利用して最新製品を作りたいと考えています。IGBTについても、モーターでいうベアリングのように、ある程度我々の独自技術が活かせる性能を持っている製品を、我々の最終製品、相合製品に活用していきたいと考えています。これからは、ロボットなどもすべて動力源は電気になり、全て短時間充電を要求され、電圧が上がります。これらのニーズに対して、自前のIGBTを活用した電源を供給し、高電圧、高電流で短時間の充電を可能にできると考えています。
当社は、「テックボード」という組織を1年ほど前に立ち上げ、技術面はそのメンバーに任せるようにしています。テックボードでは、上述のような巨大な電力市場に我々が供給できる新製品の構想も生まれ始めています。
中華系スマートフォンは2Qに大きな伸びがありましたが、通期で総需要が伸びる前提にはしておりません。当社も客先も通期で生産数が伸びるという前提ではありません。
車載は堅調です。また医療等色々なニッチな領域に入っているので、スマートフォンの季節性、特に中華系スマートフォンの落ち込みをカバーしている状況です。
北米スマートフォンビジネスがピークに向かっていること、為替の恩恵を受けることもあり、下半期は上半期横ばい、2Qレベルの収益性を維持できると考えています。
シェアについての回答はご容赦ください。
北米スマートフォンの生産そのものが引き上がり、新機種が順調に立ち上がっています。4Qの販売見込みについては不安定な要素はありますが、従来想定していた前提で現在の計画としています。
データセンターについて、ファンモーター向けのベアリングは回復しているものの、需要やお客様の生産レートが大きく回復していることが明確に見えている訳ではありません。サプライチェーン全体が抱えていた在庫の調整が終わり始め、ボトムアウトし始めているだろうというのが足元の認識ですが、どのような方向に向かっていくのかは不透明な状況です。
液冷については、ベアリングの需要がなくなるわけではなく、全てのサーバーが液冷になるわけではないと認識しています。現時点では、液冷そのものが冷却ファンマーケット全体の脅威になっていくとは思っていません。一部の領域が液冷方式になるものの、冷媒を冷やす機構の中でベアリングの事業機会は確保できると考えています。
足元でベアリングが明確に回復してきているのは、車載向けです。自動車OEMの生産レートの回復とコンテンツグロースによって、過去最高を更新して、回復をけん引していく見込みです。
コネクタについては、経営統合後、組織を作り、役割分担をして営業活動などを本多通信工業、ミネベアコネクト(旧住鉱テック)、ミツミの3社で一緒に取り組んでいる状況です。効果が出るにはもう少し時間がかかりますが、非常に情熱をもって活動しており、変化があればご紹介させていただきます。
ミツミのコネクタ事業は完全な黒字になり、赤字が続いていましたが2桁の利益も見込める状況です。

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