決算サマリー
更新日: 2023年2月6日
2023年3月期第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の概況
2023年3月期第3四半期のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限の緩和により、個人消費が回復、景気の緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、原材料価格の高騰、物価の上昇が見られるなど、先行きは不透明な状況が続いています。米国経済は、物価、金利の高騰が続いている一方、雇用の増加、個人所得の増加、堅調な輸出増加により、景気が緩やかに持ち直しました。欧州経済は、ウクライナ問題によるロシアからの天然資源の供給減の影響で物価が高騰し、依然として先行きは不透明な状況が続いています。中国経済は、ゼロコロナ政策による行動制限の緩和に伴って、感染者数が増加したことにより経済活動が停滞し、景気の先行きは不透明な状況が続いています。東南アジアにおいては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限の緩和を背景に、景気は回復傾向となりました。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は9,524億8,500万円と前年同期比1,178億7,700万円(14.1%)の増収となりました。営業利益は670億8,100万円と前年同期比33億8,400万円(△4.8%)の減益、税引前四半期利益は629億2,100万円と前年同期比65億2,000万円(△9.4%)の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は439億4,200万円と前年同期比95億500万円(△17.8%)の減益となりました。
なお、2022年9月16日付で本多通信工業株式会社を子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同社を連結対象に組み入れています。上記には、統合日以降の同社の損益が含まれています。
2023年3月期第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)のセグメント別業績
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりです。
2023年3月期第1四半期より、会社組織変更を行った結果、「その他」と「調整額」で一部区分を変更しています。前期第3四半期のセグメント情報は、会社組織変更後の区分に基づき作成したものを開示しています。
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品です。
主力製品であるボールベアリング、ロッドエンドベアリングは、航空機関連の需要回復により売上高は増加しました。また、ピボットアッセンブリーは需要が減少したことにより、売上高が減少しました。
この結果、2023年3月期第3四半期の売上高は1,481億8,000万円と前年同期比167億3,300万円(12.7%)の増収となり、営業利益は342億7,50万円と前年同期比1億6,300万円(△0.5%)の減益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品です。
主に、液晶用バックライト、HDD用スピンドルモーターの需要が減少したことにより、売上高は減少しました。
この結果、2023年3月期第3四半期の売上高は2,700億6,500万円と前年同期比47億3,300万円(△1.7%)の減収となり、営業利益は54億9,300万円と前年同期比121億6,200万円(△68.9%)の減益となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品及びスマート製品が主な製品です。
カメラ用アクチュエータの光デバイスが好調に推移したことにより、売上高は増加しました。なお、本多通信工業株式会社の取得に伴い、ミツミ事業に同社の損益が含まれています。
この結果、2023年3月期第3四半期の売上高は4,068億6,100万円と前年同期比849億1,600万円(26.4%)の増収となり、営業利益は421億3,900万円と前年同期比105億万円(33.2%)の増益となりました。
ユーシン事業
ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品が主な製品です。
自動車生産の回復に伴い自動車部品の需要が増加したことにより、売上高は増加しました。
この結果、2023年3月期第3四半期の売上高は1,252億3,000万円と前年同期比195億1,600万円(18.5%)の増収となり、営業利益は5億6,000万円と前年同期比9億9,600万円の改善となりました。
その他事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品です。
2023年3月期第3四半期の売上高は21億4,900万円と前年同期比14億4,500万円(205.2%)の増収、営業損失は9億7,900万円と前年同期比2億4,900万円の改善となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等144億70万円を調整額として表示しています。前年同期の調整額は116億300万円でした。
2023年3月期第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでいます。高収益のコア事業への比重を高めるポートフォリオ改革や実効性の高いM&Aを実現し、適切かつ機動的な財務戦略を推進します。
2023年3月期第3四半期末における総資産は1兆2,738億7,100万円となり、前期末に比べ1,696億7,900万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産、棚卸資産、営業債権及びその他の債権の増加です。
負債は6,713億3,200万円となり、前期末に比べ1,085億7,500万円の増加となりました。その主な要因は、社債及び借入金、営業債務及びその他の債務の増加です。
キャッシュ・フローの状況
2023年3月期第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は1,303億2,100万円となり、前期末に比べ332億6,700万円減少しました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億6,800万円の収入(前年同期は373億5,600万円の収入)となりました。これは、主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、棚卸資産の増減、営業債権及びその他の債権の増減によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,126億6,600万円の支出(前年同期は446億6,800万円の支出)となりました。これは、主に新本部ビルの取得を含む有形固定資産の取得による支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、685億7,900万円の収入(前年同期は218億8,800万円の支出)となりました。これは、主に長期借入れによる収入、社債の発行による収入によるものです。
2023年2月3日に発表しました「2023年3月期第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。