質疑応答要旨
更新日: 2022年5月30日
2022年3月期 決算説明会(2022年5月11日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 顧客への価格転嫁について、材料費・物流費が前年比でどれくらい上がっていて、それに対してどの製品でどの程度転嫁するのか教えてください。
また、価格転嫁はスポットでの対応か、それとも取引慣行を変えるような仕組みを含めた検討をしているのでしょうか? - モーターでのコスト上昇影響はかなり大きく、競合他社でもフルに反映しようとする動きがとられている印象があるが、同様の動きをしていくことを考えていますか?
- 業績予想において、上半期と下半期の利益レベルに差があるのはどういった背景ですか。
季節性によるものか、それとも中国のロックダウンなどの影響を織り込んでいるのでしょうか。また、セグメントごとにご説明をお願いします。 - 前期4Qの営業利益が216億円だったのに対して、今期の上半期の営業利益を410億円とみているということは、今期1Qは減益からのスタートということですか?
- M&Aについて、ミツミでは成功した一方で、ユーシンの回復は遅れています。これを踏まえて、次のM&Aについてはどうすべきと考えていますか。
- 2022年3月期のミツミ事業の営業利益は前年比220億円増益となっていますが、これについてアナログ半導体、光デバイス、機構部品などの内訳を教えてください。また、今期は微増益にとどまる予想になっていますが、同様にそれぞれどのように変化するのか教えてください。
- ミツミの業績について、2025年3月期に一段と拡大する計画となっていますが、どういった製品が伸びることを想定されていますか?新製品の開発状況とあわせてご教示ください。また、アナログ半導体事業のさらなる強化拡大に向けて不足していると考えているものは何ですか?
- ボールベアリングの2022年1~3月の生産、内販・外販数量をお願いします。
- ミツミ事業のアナログ半導体は、中期的に大きく生産能力が引き上げられるとみていますが、増強後のプロダクトミックスや増産計画について教えてください。
- EVは継続的に伸びていく市場になりそうでしょうか。
- 今期の計画は、ビジネスコストの上昇分を価格転嫁で相殺できるという前提で組み立てられているのでしょうか。それともリスクを踏まえて価格転嫁を保守的に想定しているのでしょうか。
- 業績への影響はほぼなくなるような形で織り込めているのでしょうか。
- 今回の中国のサプライチェーンの混乱に関して、アプリケーションごと、または部品ごとに影響の濃淡はありますか。
また、中国の物流費の上昇は一過性になると思われますが、サーチャージの対象になるのでしょうか。 - OISについて、売上3割増ということは約400億円の増収と推察します。それに対して、スライド26にある利益+30億円は少ないように感じますが、限界利益がこの水準なのでしょうか。
ご質問と回答
- 顧客への価格転嫁について、材料費・物流費が前年比でどれくらい上がっていて、それに対してどの製品でどの程度転嫁するのか教えてください。
また、価格転嫁はスポットでの対応か、それとも取引慣行を変えるような仕組みを含めた検討をしているのでしょうか? - いろいろな製品を販売しているので、一概・一律にはお話しできませんが、たとえばモーターでは非常に大きな材料費高騰の影響を受けてはいます。
これに対して、いわゆるサーチャージ制のような形で、コストが上がったところはきちんとそのことをお客様にお示ししたうえで、その分を上げさせていただく、逆にコストが下がれば価格も下げる、という取り決めをしていきたいと考えています。
- モーターでのコスト上昇影響はかなり大きく、競合他社でもフルに反映しようとする動きがとられている印象があるが、同様の動きをしていくことを考えていますか?
- はい。業界の健全な発展のためには値上げをすべきと考えています。
他社についてはわかりませんが、自動車業界を見ていても、価格を1万ドル上げたという会社もあれば、日本の自動車も値上げが必要という話も聞きます。そういう流れにならざるをえないのではないでしょうか。
- 業績予想において、上半期と下半期の利益レベルに差があるのはどういった背景ですか。
季節性によるものか、それとも中国のロックダウンなどの影響を織り込んでいるのでしょうか。また、セグメントごとにご説明をお願いします。 - 季節性から、通常は下半期のほうが売上も利益も大きくなります。これに加えて、今年は中国のロックダウンを中心に、お客様のサプライチェーンが分断された影響が不透明で、それが収束すればお客様の生産も増えると考えていますので、ビジネスの後ろ倒しもあると見ています。
当社のお客様の生産上のボトルネックとなっていた半導体について、ロックダウンによる影響で在庫が増えてきているものもあると思われます。従って、次にお客様が増産しようとしたときには、結果としてボトルネックがある程度解消して生産が大きく回復する可能性があります。そうした見方からこのように想定しています。
- 前期4Qの営業利益が216億円だったのに対して、今期の上半期の営業利益を410億円とみているということは、今期1Qは減益からのスタートということですか?
- はい。
- M&Aについて、ミツミでは成功した一方で、ユーシンの回復は遅れています。これを踏まえて、次のM&Aについてはどうすべきと考えていますか。
- ユーシンについては、半導体がこれほど足りなくなって自動車生産が不調になるとはだれも想定していなかったと思います。オーダーがきちんと入っていれば、かなり収益は上がっていたと思います。実際に、自動車関連だけをやっている会社の業績はかなり悪化していると思います。ユーシンも同様の状況にありますので、仕方がないと思います。
ユーシンは、自動車生産が回復すれば必ず利益が出ると思っています。今期の営業利益予想は保守的に40億円としていますが、実力からすればそれ以上の利益が期待できると考えています。また、当社にとっては多くの事業のひとつでしかなく、生命線ではありません。これは当社のプロダクトミックスの強さだと思っています。
M&Aについては、以前より「8本槍を強化して、できるだけサブコアビジネスに依存しない体質をつくることを目指している」と申し上げています。特定の案件についてのご説明はご容赦ください。
- 2022年3月期のミツミ事業の営業利益は前年比220億円増益となっていますが、これについてアナログ半導体、光デバイス、機構部品などの内訳を教えてください。また、今期は微増益にとどまる予想になっていますが、同様にそれぞれどのように変化するのか教えてください。
- 前期増益の主なドライバーは光デバイスとアナログ半導体で、光デバイスのほうが大きいです。機構部品は減益でした。
今期は、事業機会をとらえて増収となる光デバイスが増益、為替を含めて利益率の改善を想定しているアナログ半導体も増収増益とみていますが、機構部品については保守的に見積もっていて、減収減益を見込んでいます。
- ミツミの業績について、2025年3月期に一段と拡大する計画となっていますが、どういった製品が伸びることを想定されていますか?新製品の開発状況とあわせてご教示ください。また、アナログ半導体事業のさらなる強化拡大に向けて不足していると考えているものは何ですか?
- まずアナログ半導体は売上高目標が前倒しされるなど、貢献を期待しています。また、光デバイスについても成長のロードマップがあり、これら2つがコアとなっています。その他、コネクタやスイッチなども成長していくと思いますので、驚くような数字ではないと思います。
アナログ半導体で売上高1,000億円を超えていくには、工場の拡張が必要と考えています。滋賀工場の一部を改装して生産能力を向上させることにより売上高1,000億円。これを増強するためには、オムロン様に供給しているMEMSの後工程などを外出しすることによりスペースを作ることが必要ですが、これには先方の了解が必要になりますので、状況を見て進めていきます。もしくは、新しい工場を買うことが必要になると考えています。
- ボールベアリングの2022年1~3月の生産、内販・外販数量をお願いします。
- 1月から順に100万個単位で外販数量は229、213、251、内販数量は60、61、59、生産数量は320、272、334となりました。
- ミツミ事業のアナログ半導体は、中期的に大きく生産能力が引き上げられるとみていますが、増強後のプロダクトミックスや増産計画について教えてください。
- 詳しくは申し上げられませんが、EV系は大きな商談をいただいています。そのほか電池関連などで増産を予定しています。
- EVは継続的に伸びていく市場になりそうでしょうか。
- はい、そのように考えています。
- 今期の計画は、ビジネスコストの上昇分を価格転嫁で相殺できるという前提で組み立てられているのでしょうか。それともリスクを踏まえて価格転嫁を保守的に想定しているのでしょうか。
- 詳細は申し上げられませんが、価格転嫁についてお客様との交渉は開始していて、計画に織り込んでいます。
- 業績への影響はほぼなくなるような形で織り込めているのでしょうか。
- 為替の影響もあり、慎重な判断を要しますが、材料費、物流費の上昇分をお客様にお示しし、納得していただいたうえで価格を調整していただく、これが一番重要なことだと思っています。
- 今回の中国のサプライチェーンの混乱に関して、アプリケーションごと、または部品ごとに影響の濃淡はありますか。
また、中国の物流費の上昇は一過性になると思われますが、サーチャージの対象になるのでしょうか。 - まず、中国のサプライチェーンについては、特定のインダストリーに偏らず、万遍なく影響をうけていると理解しています。自動車、それ以外も上海地域の部品が足りないということで、スローダウンしています。いくら当社が様々な製品をつくっているといっても、ロックダウンはすべてのインダストリーにかかわるので影響はあります。中国は大量生産の本拠地、部品もつくられていますので、濃淡はありません。全般的にスローダウンしていると感じています。
また、物流費については、お客様に増加分をお示ししたうえでサーチャージの対象とさせていただく予定です。
- OISについて、売上3割増ということは約400億円の増収と推察します。それに対して、スライド26にある利益+30億円は少ないように感じますが、限界利益がこの水準なのでしょうか。
- 当社としては、発表したとおりの数字で考えているとご理解ください。