決算サマリー
更新日: 2020年2月6日
2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)の概況
2020年3月期第3四半期のわが国の経済は、国内外の自動車販売の低迷、海外経済の減速などを受け景況感が悪化しました。米国経済は米中貿易協議の進展を受け米国株が最高値を更新したものの、イラン等中東情勢の悪化も懸念され、先行きへの不透明感が高まっております。欧州経済は製造業の景況感に下げ止まりの兆しが見られるものの、低成長からの脱却には時間を要する見込みです。アジア地域においては、中国経済は政策による下支えにより底入れの兆しが見えますが、米中貿易摩擦の先行きに不透明感が残り、景気は依然として低迷しています。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は7,515億4,800万円と前年同期比526億1,000万円(7.5%)の増収となりました。営業利益は460億9,300万円と前年同期比189億4,600万円(△29.1%)の減益、税引前四半期利益は460億6,600万円と前年同期比185億4,300万円(△28.7%)の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は352億400万円と前年同期比158億2,900万円(△31.0%)の減益となりました。
なお、昨年4月10日付で株式公開買付けにより株式会社ユーシンを子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同統合日より同社を連結対象に組み入れています。上記には、統合日以降の同社の損益が含まれています。
2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)のセグメント別業績
2020年3月期第1四半期より、株式会社ユーシンの取得に伴い、ユーシン事業を新たに報告セグメントとして開示しています。また、「ミツミ事業」に含まれていた電池モジュール製品を「電子機器事業」に移管する会社組織の変更を行い、これに伴い、セグメント情報の変更を行っています。
2019年3月期第3四半期のセグメント情報は、会社組織変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しています。
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品です。
主力製品であるボールベアリングは、自動車、エアコン向けにおいて需要が堅調に推移しましたが、ファンモーター向けの需要減等により販売数量、売上高ともに減少しました。ロッドエンドベアリングは、中小型機市場での受注が好調に推移したことにより、売上高は増加しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場の縮小を受け、販売数量、売上高ともに減少しました。
この結果、2020年3月期第3四半期の売上高は1,364億2,900万円と前年同期比63億7,300万円(△4.5%)の減収となり、営業利益は304億9,600万円と前年同期比65億6,700万円(△17.7%)の減益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品です。
液晶用バックライトでは薄型技術に優位性を持つ当社への需要が堅調に推移しましたが、ステッピングモーターをはじめとするモーターの車載向け市場低迷に伴う需要減により、売上高は減少しました。
この結果、2020年3月期第3四半期の売上高は2,903億9,000万円と前年同期比113億7,900万円(△3.8%)の減収となり、営業利益は148億3,900万円と前年同期比17億9,800万円(△10.8%)の減益となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品が主な製品です。
カメラ用アクチュエータが堅調に推移しましたが、ゲーム機器等の機構部品の減少により、売上高は減少しました。
この結果、2020年3月期第3四半期の売上高は2,298億2,100万円と前年同期比240億6,500万円(△9.5%)の減収となり、営業利益は144億5,400万円と前年同期比88億5,400万円(△38.0%)の減益となりました。
ユーシン事業
ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機械用部品、住宅機器用部品(ビル・住宅用錠前その他)が主な製品です。
自動車部品は、中国、欧州等における自動車市場減速の影響により稼働が大幅に低下し、産業機械用部品においても中国における市場減速を受け需要が低迷しています。
この結果、2020年3月期第3四半期の売上高は942億6,700万円となり、営業利益は27億3,100万円となりました。
その他事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品です。
2020年3月期第3四半期の売上高は6億4,100万円と前年同期比1億6,000万円(33.2%)の増収、営業損失は11億1,800万円と前年同期比9億5,600万円の悪化となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等153億900万円を調整額として表示しています。前年同期の調整額は118億700万円でした。
2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでいます。
2020年3月期第3四半期末における総資産は9,129億4,000万円となり、前期末に比べ1,708億1,300万円の増加となりました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産、有形固定資産の増加です。
負債は4,840億1,700万円となり、前期末に比べ1,491億5,000万円の増加となりました。その主な要因は、営業債務及びその他の債務、社債及び借入金の増加です。
なお、資本は4,289億2,300万円となり、親会社所有者帰属持分比率は46.1%と前期末比7.8ポイント減少しました。
キャッシュ・フローの状況
2020年3月期第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は1,240億2,600万円となり、前期末に比べ15億9,400万円増加しました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、527億600万円の収入(前年同期は685億1,900万円の収入)となりました。これは、主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増減等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、363億9,800万円の支出(前年同期は451億2,300万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、98億3,000万円の支出(前年同期は32億8,500万円の支出)となりました。これは、主に長期借入金による収入があった一方、長期借入金返済による支出、配当金の支払等があったことによるものです。
2020年2月5日に発表しました「2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~2019年12月31日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。