質疑応答要旨
更新日: 2009年11月27日
2010年3月期 第2四半期決算説明会(2009年11月6日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- 情報モーター事業が単月黒字化したとのお話でしたが、貝沼社長がこの1~2年で目標とする利益率達成のためには次なる手段が必要なのでしょうか?
- HDDスピンドルモーターの第2四半期販売は見通しよりも低く着地したと思いますが、その理由と、第3四半期、第4四半期の販売数量見通しを教えて下さい。
- ボールベアリングとピボットアッセンブリーの第2四半期販売数量、第3四半期、第4四半期の販売数量見通しを教えて下さい。
- ボールベアリングとピボットアッセンブリーの在庫が低いレベルにあるとのことですが、通常よりどの程度低い在庫になっているかを教えて下さい。
- ボールベアリングの生産が2010年1月から2億個/月に戻るとすると、機械加工品セグメントは過去のピークに近い営業利益率に戻るのでしょうか?
- 様々な改善策実施において、貝沼社長が考えていたよりも進んでいるところ、考えていたよりも遅れているところを教えて下さい。
- タイのバンパインにあるボールベアリング切削専用新工場はまだ本格的に活躍していないと思いますが、ボールベアリングの生産が1億9,000万~2億個/月に戻って新工場が寄与すると以前とは違った利益イメージになるかと思います。それについて教えて下さい。
- 2億個/月のボールベアリング生産を行うときにタイ、シンガポール、上海の生産量配分は変わるのでしょうか?
- 5月に、EMS製品で10月以降になると数十万個/月の新製品があるとのお話がありましたが、その新製品の進捗はどうですか?
- 9月で営業利益率が7%に達しているとのことですので、ボールベアリングの増産を考えますと下半期の営業利益率は7%を上回る可能性があるかと思います。こう考えますと、下半期で1,000億円の売上で営業利益は70~80億円になり、通期の営業利益計画レンジに達するとのイメージを持たれているのでしょうか?
- 今回譲り受けるパナソニックさんの情報モーター事業ですが、今まではあまり利益が出ていなかったのでこういう話になったのだと思います。コスト構造をどう変えて譲り受けた初年度から収益に貢献するのかを教えて下さい。
- 譲り受ける情報モーター事業は業界地位が高いというわけではないと思いますが、業界での地位向上をどうやって達成していくのでしょうか?
- 今回譲り受ける事業にパナソニックさんのHDDスピンドルモーター事業は入っているのでしょうか?
- 中国向けボールベアリングの拡大、LEDバックライトの成長について、それぞれ来期の売上規模はどれくらいになりそうですか?
- 自動車の生産回復はピーク比85%程度ですので、ボールベアリングの回復もピークまでは届かないのでしょうか?それとも新たな需要開拓でピークに近づいていくのでしょうか?
- 9月、10月のHDDスピンドルモーターの生産数量を教えて下さい。
- 第4四半期にはHDDスピンドルモーターの販売数量が450万台/月の見通しですが、これは2.5インチHDD向けでシェアが取れているということでしょうか?
- TV用LEDバックライト開発の進捗は?
- コスト削減の上半期の実績はどの程度だったのでしょうか?また下半期のコスト削減効果見通しは変更されたのでしょうか?
ご質問と回答
- 情報モーター事業が単月黒字化したとのお話でしたが、貝沼社長がこの1~2年で目標とする利益率達成のためには次なる手段が必要なのでしょうか?
- いろんな事業部間での共通の資材購入や設計部材の共通使用などのやり取りを始めたところですので、まだもう少しこれを見極めなければいけません。ただ一つわかっていることは、モーター工場は散らばり過ぎて効率が悪くなっていると思います。従いまして、部品部門とモーター工場が直結しているような工場をどこかに作らないといけないと考えています。しかし今はあまり先走らないで、足元でやっていることをあと半年確実にやっていくことと、この度譲り受けますパナソニック社情報モーター事業を着実に利益が出るようにするということに全力を費やしたいと思っています。
- HDDスピンドルモーターの第2四半期販売は見通しよりも低く着地したと思いますが、その理由と、第3四半期、第4四半期の販売数量見通しを教えて下さい。
- 第1四半期は260万台/月の販売数量で、2.5インチHDD向け3.5インチHDD向けが半分ずつでした。第2四半期は300万台/月で、200万台/月が2.5インチHDD向け、100万台/月が3.5インチHDD向けでした。8月には客先からのクレームではないのですが、未然にわかったトラブルがありましたので出荷を停止した物がありました。7月、9月は350万台/月程度の販売数量だったのですが、8月だけ220万台でしたので、月平均販売数量が減ってしまいました。第3四半期は400万台/月の販売数量を見込んでいます、2.5インチHDD向けは300万台/月、3.5インチ向けHDDは100万台/月という内訳です。第4四半期は450万台/月の販売数量を見込んでおり、3.5インチHDD向けが100万台/月で、残りは2.5インチHDDもしくはハイエンド向けと考えています。今後も受注が強含みで推移するという前提ではありますが、400~450万台/月の販売数量で月次黒字化するという試算をしています。製造面でも色々な改善がありますが、今は販売数量の増加で月次黒字化すると考えております。
- ボールベアリングとピボットアッセンブリーの第2四半期販売数量、第3四半期、第4四半期の販売数量見通しを教えて下さい。
- ボールベアリングの総販売数量は、第1四半期で1億4,000万個/月、内販が6,000万個/月、外販が8,000万個/月でした。第2四半期は1億6,000万個/月まで販売が増えてきて、内販が7,000万個/月、外販が9,000万個/月でした。第3四半期は今のところ1億8,000万個/月の販売数量を見込んでおり、内販が7,500万個/月、外販が1億500万個/月という内訳で推移すると考えております。第4四半期につきましては、まだはっきりとは見込めませんが第3四半期程度ではないかと思われます。ピボットアッセンブリーの販売数量は、第1四半期が2,400万個/月、第2四半期は2,900万個/月、第3四半期は2,900万~3,000万個/月と考えており、第4四半期はHDD市場の動向がどうなるか今ひとつわかりませんが、今の見込みでは2,600万個/月と考えています。
- ボールベアリングとピボットアッセンブリーの在庫が低いレベルにあるとのことですが、通常よりどの程度低い在庫になっているかを教えて下さい。
- 在庫は1ヶ月を切る程度にまで下がっており、厳しい状況にあります。
- ボールベアリングの生産が2010年1月から2億個/月に戻るとすると、機械加工品セグメントは過去のピークに近い営業利益率に戻るのでしょうか?
- ボールベアリングは今もフル生産で1億7,000万~1億7,500万個/月の生産ですが、今後生産シフトを変えたり、人員を増やしたり、自動化を進めるなど色々な対策をして2010年1月には2億個/月の生産に引き上げたいと考えています。販売数量がそこまで行くかどうかはわかりませんが、いずれにしましても今の在庫水準では大変な状況が来ると考えています。ボールベアリングを中心に機械加工品セグメントの利益水準は今後上がると思いますが、残念ながら航空機関連のロッドエンドが今非常に低迷しており、足を引っ張ると思います。しかし、全体では確実に利益の改善は進むと考えています。
- 様々な改善策実施において、貝沼社長が考えていたよりも進んでいるところ、考えていたよりも遅れているところを教えて下さい。
- 全般的に思ったとおりのスピードで進んでいます。キーボードもスピーカーも情報モーターも順調に改善が進んでいると思います。HDDスピンドルモーターは受注数量が条件になります。今、私共は全員動きも早いですし、いろんなことを様々なところで行っていますから、そういう意味では来期が楽しみです。
- タイのバンパインにあるボールベアリング切削専用新工場はまだ本格的に活躍していないと思いますが、ボールベアリングの生産が1億9,000万~2億個/月に戻って新工場が寄与すると以前とは違った利益イメージになるかと思います。それについて教えて下さい。
- 2億個/月を生産すると大分変わると思います。今までミネベアは新しい工場を作ると景気が悪くなり生産能力が過剰になるということが過去に何回かありました。しかし、今回の新工場は切削専用の新工場なので減価償却費は増加しますが、それほど大きな影響はありませんでした。一時期7,000万個/月程度まで生産を落としましたが、それが1億2,000万個/月、1億3,000万個/月と増えていき、先月は1億7,000万個/月レベルの生産まで回復しました。ピークは2億2,000万個/月の生産ですが、ピークに近いところまで戻ってくるのではないかと思われます。それともう一つ、イギリスのスキグネス工場を閉鎖したことによりボールベアリング事業全体の固定費が大きく減少しておりますので、そういう面からもコストの低減効果は十分に出てくるのではないかと考えています。このところタイバーツが高くなったりするといったマイナス面もありますが、2億個/月のレベルまで行けばそういった問題も乗り越えて、利益は大きく改善すると考えています。
- 2億個/月のボールベアリング生産を行うときにタイ、シンガポール、上海の生産量配分は変わるのでしょうか?
- 基本的には変らないと思いますが、上海工場には閉鎖したイギリスのスキグネス工場の機械を一部搬入しており生産能力が増加しておりますので、素直に考えれば上海工場の生産数量が増えると思います。搬入は全て終えております。
- 5月に、EMS製品で10月以降になると数十万個/月の新製品があるとのお話がありましたが、その新製品の進捗はどうですか?
- お取引は始まっていますが、最終製品のお客様のご都合で旧モデルを今たくさん作られておられます。これは来年から切替えになると聞いており、そのプロジェクトに関しましては少し遅れています。
- 9月で営業利益率が7%に達しているとのことですので、ボールベアリングの増産を考えますと下半期の営業利益率は7%を上回る可能性があるかと思います。こう考えますと、下半期で1,000億円の売上で営業利益は70~80億円になり、通期の営業利益計画レンジに達するとのイメージを持たれているのでしょうか?
- 通期の営業利益は計画レンジ内に入るだろうということで計画を変えていませんが、今まで赤字だった電子機器セグメントが9月に黒字化し、10月も黒字化したため、やっと黒字が定着してきたと思われます。今期上半期は電子機器セグメントは営業利益にマイナスのインパクトがありましたが、これからはボールベアリングの増産効果と共に、プラスのインパクトになってくると考えています。
- 今回譲り受けるパナソニックさんの情報モーター事業ですが、今まではあまり利益が出ていなかったのでこういう話になったのだと思います。コスト構造をどう変えて譲り受けた初年度から収益に貢献するのかを教えて下さい。
- パナソニックさんが発表されていますが、譲り受けて固定費構造が変わるということになります。まだ基本契約の段階ですし、細かいところまでお話できません。
- 譲り受ける情報モーター事業は業界地位が高いというわけではないと思いますが、業界での地位向上をどうやって達成していくのでしょうか?
- あまり詳しくは申し上げられませんが、その情報モーター事業は共同開発などによって特定客先でのシェアが高いという形態です。また、今回の譲り受けはモーター事業の総合力を高めるということに重きを置いています。
- 今回譲り受ける事業にパナソニックさんのHDDスピンドルモーター事業は入っているのでしょうか?
- 今回の譲り受けはパナソニックモータさんの情報モーター事業で、パナソニックさんのHDDスピンドルモーター事業は入っていません。
- 中国向けボールベアリングの拡大、LEDバックライトの成長について、それぞれ来期の売上規模はどれくらいになりそうですか?
- これまで中国のボールベアリングメーカーが力を付けてきて、ローエンドの市場をどうするかが検討課題となっていました。ミネベアはミディアムからハイエンドの市場を対象としておりましたが、ローエンドの市場が拡大しており魅力的になってきました。1,000万~2,000万個くらいの市場と考えています。そのうちどれくらい取れるかというところですが、利益は十分に取れると思っています。LEDバックライトにつきましては、今期は200億~250億円くらいの売上を見込んでいます。来期の事業計画はまだこれから作成しますが、大幅に売上が増えるものと考えています。
- 自動車の生産回復はピーク比85%程度ですので、ボールベアリングの回復もピークまでは届かないのでしょうか?それとも新たな需要開拓でピークに近づいていくのでしょうか?
- まだ2010年1~3月は今一つ良く見えていません。第3四半期は内販、外販を合わせた総販売数量で1億8,000万個/月を見込んでいます。第4四半期も大体横ばいと考えています。確かに自動車向けは減少する恐れがあるかもしれませんが、今、OA関係が大きく増え始めています。ミネベアの場合は、自動車向けの比率がそれほど大きいわけではありませんので、十分カバーができるのではないかと考えています。
- 9月、10月のHDDスピンドルモーターの生産数量を教えて下さい。
- 9月、10月とも残念ながら黒字化はしていませんが、大分近づいてきました。9月の生産数量は320万台であまり多くありませんでしたが、10月は400万台になりました。
- 第4四半期にはHDDスピンドルモーターの販売数量が450万台/月の見通しですが、これは2.5インチHDD向けでシェアが取れているということでしょうか?
- 11月は430万台の見通しで、2.5インチHDD向けや2.5インチハイエンドHDD向けが増えています。歩留まりの改善が進めば黒字化すると考えていますが、11月ではまだ黒字化は難しいと思います。
- TV用LEDバックライト開発の進捗は?
- TV用もノートPC用も色々な開発をして様々なところに評価をしていただいておりますが、具体的に採用が決まるのは来年以降だと思います。
- コスト削減の上半期の実績はどの程度だったのでしょうか?また下半期のコスト削減効果見通しは変更されたのでしょうか?
- 経費削減については、上半期は号令を掛け始めたばかりですので、生じた効果はまだ大きくないのですが、数億円程度となっています。下半期は上半期の3倍程度の効果が出てくるのではないかと思われますので、大きな金額になると考えています。経費だけではなく、材料、副資材などいろんなところに目を入れていますので、それをもう一度見直さないと正確なところはわかりません。以前とは売上水準が変っていますので効果を絶対額で算定するのは難しいので、売上高に対する比率で見ていきたいと思っています。また、英国工場閉鎖などの固定費の削減については今回の経費削減には含まれておりませんが、期初の見込み通り減少しています。