コーポレートガバナンス

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社外取締役対談

当社は2018年6月に社外取締役3名体制となりました。
今回、当社のガバナンス強化に携わってこられた村上光鵄氏と、新たに就任された松村敦子氏に、当社の企業文化・印象、社外取締役に求められる役割、抱負等について、率直な意見交換をしていただきました。

社外取締役 村上 光鵄
社外取締役
村上 光鵄

元東京高等裁判所部総括判事及び弁護士として
豊富な経験と高い見識を有しており、
企業経営の健全性の確保やコンプライアンス経営を推進。
社外取締役 松村 敦子
社外取締役
松村 敦子

2018年6月に当社社外取締役に就任。
大学教授として国際経済学に関する専門的見識に加え、
教育者として幅広い実績を有しており、
その豊富な知識・経験を当社の経営に反映。

ミネベアミツミの企業文化・印象

目的意識や会社の目指す方向性がしっかりと従業員に共有されている(松村)
当社の特徴は、「技術力」「グローバル経営」「リーダーシップとスピード感」「M&A」(村上)

松村:2018年6月に就任したばかりですが、会社全体としてのスピード感にとても驚かされています。当社は顧客も製造拠点もグローバルに展開し、そこで直面するさまざまな課題に対して実に迅速に対応されています。ものづくり企業として重大な責任を負っているのだという意識のもとでの厳しさも感じられます。また、目的意識や会社の目指す方向性がしっかりと従業員の方々にも共有されている印象を受けています。コーポレートスローガンも、わかりやすい言葉できちんと従業員に提示され、従業員のやる気を引き出しており、実に素晴らしいと感じています。

村上:ご指摘の点はまさにその通りだと思います。私は、当社の特徴を「技術力」「グローバル経営」「リーダーシップとスピード感」「M&A」という4つのキーワードで捉えています。主力製品であるミニチュア・小径ボールベアリングをはじめ、当社が手掛ける製品はいずれも産業界になくてはならないモノですが、それを実現しているのが高い「技術力」です。「グローバル経営」は、これらの製品を海外拠点で製造し、世界に供給しています。そして、それらを牽引しているのが、経営陣の強力な「リーダーシップとスピード感」です。
目的意識の共有も、「リーダーシップ」の証左と受け止められると思います。具体的にはトップ自らが、全従業員に向けてメッセージを定期的に発信し、また、投資家とも直接対話を行うなど、会社の針路を社内外にしっかりと示していると感じます。

松村:経営陣が自らの言葉で施策の目的・効果を説明していることは非常に重要と感じます。一例として、当社は今年度より国際会計基準(IFRS)に移行するようですが、その決定に至った背景が従業員にしっかり発信されており、こういった積み重ねが、企業文化としての意識の共有化に一役買っているのではないでしょうか。

村上:同感です。IFRSへの移行に関しては、国を跨いだM&Aも多く行うグローバル企業としては当然のことと受け止めています。今お話しに出た経営陣の発信力、コミュニケーション力に加え、その情熱と馬力(笑)は非常に高いと思います。

松村:当社のさらなる発展に向け、私は一層の「多様性」も重要だと考えます。グローバル企業である当社では人種・国籍を問わず多様性を前提とした人材力の強化を掲げており、引き続き大事にしていただきたいと思います。また、当社での女性の取締役就任は私が初めてとのことですが、これにより新たな女性活躍の流れが、今後加速していくことを期待しています。

村上:そうですね。「多様性」も、まさに当社の企業文化の一つと言えると思います。社外取締役は3名と多様化しました。また、執行役員には、外国籍の方が2名登用されていますし、女性も含めた各国の優秀な外国人従業員が当社のグループ執行役員や子会社役員に登用され活躍しています。グローバル企業である以上、多様であることが当然である、といったスタンスがなければ、ここまでの成長はなかったでしょうし、今後の発展のためにも重要なのではないでしょうか。

ガバナンス体制

良心に基づいた公平公正な立場から評価・提言を行っていきたい(松村)
社外取締役3名で、より緊密な連携・情報共有を(村上)

村上:社外取締役に求められている役割は、しっかりとしたガバナンスが浸透しているかどうかのモニタリングだと思います。ガバナンスにも二つの側面があります。一つは法令遵守などの守りのガバナンス。もう一つは攻めのガバナンスで、これは企業価値向上に向けての経営判断プロセスに対するチェック機能です。当社はこの両方がきちんと機能していると思います。実際、取締役会でも充実した資料が用意され、適切に整理・説明がなされています。誰に遠慮することなく、疑問に思った点や、逆に経営判断を勇気づける意見などを率直に話せる雰囲気があります。

松村:私も組織としてガバナンス体制がしっかりしているという印象を受けました。就任して既に数回取締役会に出席しましたが、審議に十分な時間がとられて効率的に進められ、社外の人間にとっても非常にわかりやすいものでした。

村上:「経営の透明性」という観点で各事業部の計画策定から進捗確認・修正というPDCAを回すため、年度末と期中には社外役員も含め世界中から200名超の幹部・責任者が一堂に会する会議が開催されます。開催場所も国内に限らず、タイ・フィリピン・カンボジアなどの海外拠点でも行われます。まさにグローバルで、さまざまな国籍の方が数日間侃々諤々の議論を集中的に行い、これに対し経営陣が明確に方針を示していくもので、その会議の様子はまさに圧巻です。そして、それを最終的にまとめ上げる経営陣のリーダーシップも、素晴らしいものがあります。当社の方向性はこういったプロセス、現場感を持った十分な議論を経て形成されていくと感じています。また、この過程があることで、その後の取締役会でも共通の認識・理解に基づいた実のある議論ができるのだと思います。

松村:社外取締役としては会社全般を把握する責務がありますし、是非私も色々な方との意見交換の機会を作っていきたいと思います。ガバナンス体制ということでは、良心に基づいた公平公正な立場からの評価や提言を行っていくことも大切だと考えます。経営の実務は社内取締役の方が担っていますので、「一般株主の視点・立場」で経営に関与できればと思っています。

村上:その通りで、会社がどういった方向に進んでいるかという全体感をしっかり把握するためにも、積極的に情報にアクセスしていきたいと思います。監査役会、会計監査人とも連携して定期的な連絡会を開いていますが、社外取締役も3名になりましたので、より緊密な連携・情報共有手段を持ってもよいと思います。

持続的な成長に向けて

現場も見ながら提言へつなげ、ステークホルダーの期待に沿えるよう行動していきたい(松村)
ボードメンバーの一員として、経営陣の背中を押してリスクテークを促すことも重要(村上)

松村:持続的成長に向けて取り組むべき重要なことは、日々研究開発に勤しみ、当社の「技術力」を活かした世の中になくてはならない製品を継続して開発することだと強く思います。また、社外取締役の立場としては、さまざまなステークホルダーに目を配っていきたいと思っています。具体的には、水や空気の浄化、温暖化ガス対策といった環境への配慮は当然として、特に途上国では地域貢献といった視点も重要な要素になると考えます。当社はそういった点ではかなり進んでいるように思いますが、さらなる改善を追求していくために尽力したいと思います。

村上:おっしゃる通りです。いわゆる「ESG」経営の重要性ですね。
当社にとっての持続的成長のベースとなるのは、多様なステークホルダーからの「信頼」を得ること、そのためには環境・社会・ガバナンスに配慮した経営が重視されるべきだと思います。その意味で、最近当社が世に出した新製品(「SALIOT」「ベッドセンサーシステム」「スマートシティソリューション」)は、エネルギー消費の低減、環境負荷の低減に資するもので、この「ESG」の経営理念を具体化する製品と言えます。ステークホルダーへの目配りという意味でも、社会が求める製品を次々と開発していくことが会社の持続的成長につながると考えます。
また、当社の企業文化、ノウハウの継承も重要と思います。2017年のミツミ電機との経営統合でグループの規模はさらに大きくなりました。当社のM&Aの経験から学んだポスト・マージャー・インテグレーションの手腕により、短期間での業績改善と両社の融和・統合が実現しました。

松村:こうした事実をステークホルダーにしっかり説明していくことは大切ですね。

村上:はい。経営陣にはしっかりとステークホルダーとの対話を進めていただくとともに、透明性のある経営、つまり、ステークホルダーにも分かりやすい会社であり続けるように、モニタリングを続けていきたいと思っています。そして、攻めのガバナンスを効かせるため、経営リスクがきちんと議論の俎上にのっているかどうかに心を配っていきたいと思います。経営判断にはリスクが伴いますが、そのリスクに正面から向き合ったうえで、合理的な意思決定をするためにも、われわれ社外取締役も、ボードメンバーの一員として経営陣の背中を押してリスクテークを促すことも必要であり、その役割は重要だと考えています。

松村:私も、幅広い視点から、グローバル企業としての当社の強みを生かした経営のさらなる高度化に向けて意見を出していきたいと考えます。さまざまな拠点、現場をこの目で見させていただき、分析・精査・評価・提言へつなげ、ステークホルダーの期待に沿えるよう行動していきたいと思っております。

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