ミネベアグループ環境レポート2009
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2ミネベアグループ 環境レポート 2009ごあいさつ代表取締役 社長執行役員貝沼由久 このたび社長に就任いたしました貝沼です。昨年来、百年に一度と言われる経済環境の激変や大きな地殻変動とも言える政局の変化を世界各国が経験しております。またその影響は短期間で緩和に向うものとも思えません。一つ一つの判断が重要なこの時期に、社長として当社の指揮をすることになり、身の引き締まる思いでおります。 さて、就任以来私が社員に対して申し上げていることは、何事にも情熱を持って取組もうと言うことであります。なぜなら、今は、すべてにスピードを持って事を運ばねばなりませんが、それには情熱が必要です。また、このような時期こそ、新しいビジョンが必要とされますが、そのビジョンを実現するのも情熱です。会社として、今、取組むべきことは多くあります。中でも徹底した経費の節減、業務の合理化、新規事業の創生に加え、環境問題への対応も従来にも増して重要と判断しております。 当社は1951年の創立ですので、まもなく60周年を迎えることになりますが、私が現在社員にお願いしているもう一つの課題に100周年を見据えた会社の基礎固めがあります。会社を健全に持続させ社会に貢献することは我々の大きな使命ですが、同時に環境の保全や改善に関しても一層注力することが必要と認識しております。 仮に当社の100周年がめでたく到来しても、その時に自然や人間生活の環境が大きく損なわれていては、我々の子孫に対し申し訳ないだけでなく、企業としての社会的責任が十分に果たせなかったと言うことになります。そのようなことが決してないよう、環境マネジメントには、引き続き重要な経営課題として取組んでまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。取締役 専務執行役員環境管理担当平尾明洋 昨年の米国サブプライムローンの破綻に端を発した世界同時不況とその後の経済の混乱は、当社のような製造業にも大きな影響を与えております。全世界規模で昨年度の後半進行した在庫調整は、生産活動の大幅な低下を招き、製造業の統計上のエネルギー消費量は、前年に比べ減少に転ずる結果となったのは皮肉であると同時に、すべてはこれまでと同じようにいかないと我々に発想の転換を迫ります。 当社は昨年度もむしろこのような低迷の時期にこそ、普段は出来ない計画の立案や、対策実行のチャンスもあるとの判断のもと、積極的に環境保全活動を進めてまいりました。中国の2工場における排水のクローズドシステム化もその一つであります。 現時点では、すべての水を市水に頼ってもコスト的な負担は大きくありませんが、清浄な水を作るコストは年を追うごとに上昇しますし、下水への放流は、いくら排水が規制値内にあっても、環境の改善に役立つものではありません。 当社の製品群は製品の性格上、製造工程そのもので、さほど大きなエネルギーを消費するわけではありませんが、お客様の工場が世界各地に展開する中で、物流運搬でのエネルギーや資源の管理が重要と判断しております。高速フェリーや陸路を活用したよりCO2発生の少ない物流ルートの開拓も環境対策の一環です。 またお客様に届く製品の品質に直結する梱包方法についても研究を進めており、梱包仕様の再検討によるリサイクル性の向上や、梱包材料ごとの効率的な処理ルートの開発にも取組みました。このような努力の積み重ねが、経済活動と美しい自然や生活環境が調和した新しい世界を築く一助となることを念じてやみません。

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